第二部 第八章 エピローグ
「ねえ、本当に本当にあれを<チームジャスティス>に入れるの? 」
延々とダリアの愚痴が続いた。
『飲み会はもはや残念会になっていた。エイドリアン様が非常に乗り気なせいで、もう誰にも止めようが無い』
「あんたが余計な事を言うからでしょうがぁぁぁ! 元々腕試しって話だったのにぃぃぃ! 」
ダリアが酒飲みながら愚痴る。
イエスはイエスで連れている羊たちの小屋も必要と言う事で、エイドリアン様が昔部下にやらせていた農場が無人になっているそうなので、そこにイエスを住まわせ家賃を取るらしい。
意外とイエスは金を持っていたせいで、その辺はエイドリアン様も逆にほったらかしの牧場の家賃が入るようになって大喜びのようだ。
『ただ、今後は奴にエイドリアン様の寵愛が移らないように気をつけねば』
「そうだよ。首にして来いよ」
ダリアが荒れ放題で俺に言う。
「エイドリアン様がお決めになったんだ。仕方ないさ」
アルバートは俺の一言でイエスを仲間に入れる事を了承したようだ。
『そう言うとこはちょろいと思う。悲願の為になら何でも納得するのがアルバートだ』
「だから、そう言う事は言うなってばさ! 」
ドンと机をセシリアちゃんが叩いた。
酒が入ってて、もはや被る猫も居なくなったせいか、樫の木で作られた堅い木のテーブルが凹む。
『アルバートはセシリアちゃんにこれまでのような妹に対する態度では無く、びくっと震えるような態度に変わった。ふふふふふ、これでセシリアちゃんを恐れる仲間が増えたと言う事か』
ギリギリギリギリギリギリギリと俺がセシリアちゃんにのど輪の形で喉を締められる。
しかも、片腕でだ。
酒場の皆が息を飲んでいる。
『ふははは、セシリアちゃんは昔、オーガだけでなく、巨大なトロールを馬乗りになってボコボコにして倒した怪物なんだぞ』
「止めろ」
セシリアちゃんの凄まじい殺気で流石に俺も黙った。
ちょっと黙らないと命が危なそうだし。
「あーあーあー、分け前も減るし、変なの増えるし、もう最悪だぁぁぁ」
ダリアが泣きながら、テーブルの上にふて寝した。
ウェーズリーは相変わらず、皆の話に頷いているだけだ。
セシリアちゃんも皆に怖がられて不貞腐れている。
アルバートは必死に悲願の為に必要なんだと呟き続けている。
そうやって、今回の出来事を飲み込もうと必死なのだろう。
「まあ、めでたしめでたしと言う事で」
俺がそう酒の入った陶器製のジョッキを持ち上げたら、信じがたいほどの殺意をウェーズリー以外の人間が俺に集中させた。
『うん。俺、やっぱり飲み会とか向いてないわ』




