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第十一部 第一章 プロローグ

 子供の時の夢を見た。


 親父が俺の胸に手を当てて祈るように俺を見ている。


 あたりは真っ暗で俺はベットの上で寝ていた。


 親父以外には部屋には誰もいないようだ。


「……ヘンリーはお前に紋章を移せば破滅は避けれると思っているが無理だろう。あれはそういうものでは無いからな。お前がするのは、五体の地火風水木のエンシャントドラゴンを互いに戦わせて、彼らを自滅させるのだ。攻撃する契約は実は互いのエンシャントドラゴンにも成立するようになっている。滅びを止めるにはそれしかない。お前はそれを決して忘れるな。お前にその役目をさせるのは済まないと思っている。父を許して欲しい」


 親父が俺をじっと見ながら囁くように俺に話す。


 互いに自滅させる?

 

 何を親父は俺に話していたんだ?


 何故、枢機卿(カーディナル)でもない親父がそれを知っているのだ?


 親父は神聖帝国(ホーリネスエンパイア)と関係があったのか?


 何が何だか分からない。


 でも、確かに親父は、この夢のような話を俺にした。


 今になって、それを思い出した。


「どうしたの? ちょっと強く叩きすぎたかな? 」


 セシリアちゃんの心配そうな声がして、俺が薄目を開けた。


 目を覚ますとすでに夜で、焚火が見えた。


 皆が俺を心配そうに覗いていた。


「あ! グルナディエ帝国への攻撃は? 」


 俺が完全に忘れていた。


「ああ、多分、大丈夫だ。皆であそこにいるモヒカンのハリネズミさんを説得して、向こうへの攻撃が終わればお前も攫われるって話をしたら、了承してくれたんで木の龍のエンシャントドラゴンをおとりにして、羊達を使って俺達は別の場所に逃げたよ」


 イエスが俺にモヒカンのハリネズミさんを見せて、そう説明してくれた。


「良かった……」


「で、一体、モヒカンのハリネズミさんは何なんだ? 」


 アルバートが聞いてきた。


「いや、突然、現れたんで俺には分からん」


「多分、魔法少女ハッビネスに出てたナビゲーター役のもう一体のハリネズミだと思う。ただ、モヒカンのハリネズミは原作アニメだとヒャッハーが口癖で世界を滅ぼそうとする側だったんだけどな……」


 イエスがモヒカンのハリネズミを見て首をかしげてる。


「祖師が新しい世界を作るための破壊と考えておられたので、祖師の物語のままの性格だと主に誤解を受けるかもしれないから、そこを私が自らで変更したのです」


 モヒカンのハリネズミがそう話す。


「まあ、イメージ悪いわな」


 イエスがその説明で納得した。


「あ、思い出した。セシリアちゃんの師匠さん。俺の親父は神聖帝国(ホーリネスエンパイア)の関係者でしたか? まさか、枢機卿(カーディナル)とか? 」


 俺が慌ててセシリアちゃんの師匠のヘンリー契約枢機卿(コントラクトカーディナル)に聞いた。


「いや、単なる冒険者のはずだが……」


 セシリアちゃんの師匠が首を傾げた。


 えええええええ?


 じゃあ、あの出来事は一体……。


 正直、さらに困惑させる話が出てきたなぁ……。


 俺が頭を抱えた。


  

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