第十部 第十二章 もう一体のエンシャントドラゴン
「ちぃぃぃぃっ! 滅びこそ! 祖師の願いっ! そして、我が悲願っ! 」
フランツ儀式枢機卿が叫んだ。
それと同時に瞬時にナマケモノのようなキメラが動いてモヒカンのハリネズミを殺そうとした。
「よせっ! 」
ハリーがフランツ儀式枢機卿に向かって叫んだ。
「馬鹿めがっ! 貴様らの前に来るのに何もしてないと思ったか! 」
モヒカンのハリネズミが叫んだと同時にあたりの木々や植物が一気に俺とモヒカンのハリネズミの前に集まって来た。
それは巨大なドラゴンの手に変わるとナマケモノのようなキメラを捕まえた。
大量の植物が次々と集まり、巨大な木と植物で出来たドラゴン……エンシャントドラゴンが現れる。
「貴様らが主をここまで連れてきたのが失敗だったな」
「木の龍であるエンシャントドラゴンかっ! 」
ハリーがモヒカンのハリネズミにそう告げられて悔しそうだ。
俺の紋章の光が前回の倍くらいの光で輝いているように見えたのは勘違いでは無かったのか。
「滅び滅びでとち狂いだした連中が地の龍のエンシャントドラゴンを連れているのに我がそれに対処して無いと思ったか。ナビゲーターはお前だけではないのだぞ」
モヒカンのハリネズミが笑った。
「おのれっ! 」
フランツ儀式枢機卿が憎悪の目つきをやめなかった。
うわぁ、とち狂ってますわ。
「貴公も諦めろ。儀式枢機卿は祖師の心に沿った世界を導くのがその役目だ。祖師は世界の滅びとともに新しい世界の誕生を望んでおられた。貴公の復讐心などで世界を滅びに導くのが役目では無いぞ」
モヒカンのハリネズミがそうきっぱりと話した。
フランツ儀式枢機卿が憎悪の目つきを伏せた。
諦めたと言うよりは逆らえないようだ。
それによって、木の龍のエンシャントドラゴンは握りつぶそうとしたフランツ儀式枢機卿のナマケモノのようなキメラを手放した。
「では、主、ここは危険なので、我とともに離れましょう」
そうモヒカンのハリネズミが言うと木の龍のエンシャントドラゴンが俺とモヒカンのハリネズミを掴んで植物で出来た巨大な翼を拡げて飛び立った。
なるほど、同じエンシャントドラゴンだけあって地の龍のエンシャントドラゴンに負けないくらいの力を感じる。
そうやって、俺達は離脱した。
そして、数キロ先に避難した。
どうも、ハリーを警戒している様だ。
もっと、イエスに魔法少女ハッピネスの中身を聞いておくんだった。
俺はそれを凄く後悔していた。




