第十部 第三章 裏切り
最初に気が付いたのは俺だった。
ちょうど、シェルターが出来て、雨を避ける簡単な葉っぱ付きの木の枝の屋根の下で食事を始めたとこだった、
俺が険しい顔をして自分たちのシェルターから先の山を見た。
ちょうどノーマが行ったノーザンバーランド伯領の方からだ。
俺が立ち上がって険しい顔でさらに索敵を拡げた。
「どうした? 」
アルバートが驚いた顔をした。
「何かあったの? 」
ジェシーも心配そうに聞いてきた。
「む、なるほどな……」
イエスも索敵圏内に入ったようで唸るように呟いた。
「どう思う? 」
俺が率直に聞いた。
「五分五分だな」
イエスが即座に俺の意図することを読んで呟いた。
イエスが羊達に口笛を吹いた。
五分五分と言いながら、最悪を想定して準備するところは流石だ。
「何があったというんだ? 」
マシューも警戒して中腰になった。
ジェシーは弓を手に取った。
「あ、ノーマが兵士を連れて帰って来た。ノーザンバーランド伯の旗下の騎士たちも一緒だよ」
セシリアちゃんが索敵で分かったらしくてパーッと笑顔になった。
ジェシーもマシューもほっとしたようで、手に持っていた剣を鞘に戻して弓を肩にかけた。
だが、俺とイエスは警戒を解かない。
なぜなら、俺達に対して彼らが殺気を放っていたからだ。
「どうしたの? 」
今回はダリアが俺達を見ていぶかしんだ。
そんな中でノーマが手を振って、こちらにむかってきた。
背後には二百騎以上の騎士たちが馬に乗っていた。
ノーマの顔が心なしか堅い。
笑顔ではあるが何か隠している様だ。
「エドウィン殿はいるか? 」
騎士達の隊長らしき人物が叫んだ。
「あ、はい」
警戒しながらをも手を挙げた。
と同時に背後から来た手練れの10騎以上の騎士達が一斉に俺に弓を射った。
俺が予想してたので隠密化して矢を避けた。
「ちっ、やはり手練れなだけはある」
騎士団の隊長が舌打ちした。
それを見て、マシューが剣を抜いて、ジェシーが弓を構えた。
「どういうことですかっ! 」
ジェシーが叫んだ。
「ジェシーにマシューは抵抗しないで、エドウィンが死ねば紋章は消えるの。皆が助かるのよっ! 」
ノーマが叫ぶ。
「ええ? 」
「貴方っ! 」
マシューとジェシーが眉を潜めた。
ノーマは俺を売ったのだ。
ジェシー達はこういうのを嫌う。
「出てこい! エドウィン! 貴公の命で世界が助かるのだ! 」
俺が隠密のまま、姿を消している。
「ノーマは何でこんなことをっ! 」
セシリアちゃんが叫んだ。
「世界とエドウィンの命を比べたら当然でしょうが! 王都の北にあるノーザンバーランド伯領ですら地震で無茶苦茶になってるのよっ! 」
ノーマが絶叫した。
「我々とて好きでやっているのでは無い! エドウィン殿、許してほしいっ! 」
騎士団の隊長が叫んだ。
重苦しい空気が漂った。




