第九部 第二十三章 エピローグ
「参ったな」
「どうしょう」
あれから俺達はアイシクルケイプから離れ続けて、山の中腹の洞窟で皆で一晩過ごした。
それが終わった後、俺が動くと紋章の問題があると言う事で、ノーマが情報を集めに街の方へ行った。
だいぶたってノーマが戻ってきて分かったのは、結果として王都の王城は無事だが、王都の街の方は半壊したらしい。
光の輪は王都に直撃しなかったものの、地下ゼロメートルの地表の地震発生は激しい揺れを起こして、軒並み通ったまわりに大被害を起こしていた。
そして、ケルト王国の王都にはグルナディエ王国で福音枢機卿が神とともに世界を破壊して新しい秩序を持つ世界に変える話が拡がって内紛になっているという事で、どうも、今回の件はそれではないかと言う事で騒ぎになっているそうな。
エンシャントドラゴンの地下風水木の五行の神の一柱なのだそうなので、余計にイメージが悪かったようで……。
「誰かがエイドリアン様に報告に行かないといけないな」
アルバートがそう話す。
「ただ、私達のチームはどうなのかしら。あのアイシクルケイプにエンシャントドラゴンが居た話は王都でも広がってるらしいから、疑われているよね」
ダリアもため息をついた。
「まだ、私達の方が良いかもしれないね」
ジェシーがそう言うとマシューも頷いた。
「ああ、でも、ハリーが待ち伏せしている可能性が高いと思う」
俺がそう答えた。
「馬車の中に連絡用の鳩も居たんだけどな」
ノーマが愚痴った。
「まあ、疑われているよな」
「少なくとも、俺が福音枢機卿なのはエイドリアン様は知ってるし。さらに地の龍のエンシャントドラゴンのいる洞窟に行かせたのはエイドリアン様だしな。あの龍が神様扱いなら、思いっきりやばいな」
イエスの言葉に俺が同意した。
「ハリーもナビゲーターとしての立場もあるはずだから、地の龍のエンシャントドラゴンをこちらに向けて飛ぶように言うだろうし、まっすぐ逃げないでぐにゃぐにゃに逃げたが、もう少しあのアイシクルケイブの場所から離れた方が良いだろな」
セシリアちゃんの師匠がこのあたりの地図を見ながら呟いた。
「ハリーを殺すべきだったかなぁ」
俺が呟いたら、セシリアちゃんはじろっと見るし、ダリアもむすっとした。
「いやいや、敵なんだから非情になってよ」
俺が困って話す。
どうも、まだハリーに未練があるらしい。
「まあ、あの作品をちゃんと見るべきだったな。俺も一回見ただけだし。確かにハリネズミが曲者だった」
イエスが今更な事を呟いた。
正直、ハリーとケルト王国にも追われる立場になった可能性が高い。
碌な事がない。
俺がため息をついた。




