第九部 第十八章 まさかの事実
「紋章を移したって? 」
俺が驚いた。
「ええ、福音枢機卿は本当は赤子だったセシリアが持っていたのです。それをあそこの師匠さんと貴方の父親は世界を破壊させない為に主に移したのですよ。でも、師匠さんと貴方の父親は性別が大事と思っていたようですが、大事なのは紋章です。紋章こそが福音枢機卿の本体。だから、意味のない事だったのです」
ハリーが笑った。
「私が福音枢機卿? 」
セシリアちゃんが凄くショックを受けている。
勿論、俺もだ。
だが、それならセシリアちゃんが無敵なのは納得がいく。
「魔法少女ハッピネス。世界を導く魔法の子。魔法少女ハッピネス。みんなの幸せ……」
妙な歌が聞こえる。
どうも、あのエンシャントドラゴンが歌っているようだ。
「ふふふふ、あの聖なる歌を歌いだしたようですね」
ハリーがエンシャントドラゴンを見て呟いた。
「「はあああああああああああ? 」」
俺とイエスの顔が歪む。
その歌に聞き覚えがあったからだ。
『これはあの糞アニメの曲じゃ無かったか? 』
「間違いない。嘘だろ? 」
俺が喋っていたのかイエスが横で同意した。
魔法少女ハッピネス。
伝説の糞アニメ。
それほどオタクで無かった俺でも知っている。
いくつもの大手企業が関わった魔法少女のメディアミックスプロジェクトでゲームも同時に作られた。
歌姫と言われたアイドルが声優をして、売れるの間違い無しのはずが、製作会社の社長が少女にいたずらをすると言う最悪の事件を起こして、急遽辞任して、このアニメの監督が社長になった。
すでに莫大な金をかけたメディアミックスが初手から大失敗になり、各大手企業からの賠償請求避けられなくなった時に、社長になった監督ははっちゃけた。
打ち切りが決まったのも一因だが明るい魔法少女ハッピネスは地獄の魔法少女ハッピネスに変わった。
魔法少女ハッピネスは、すべて世界が悪いと人類を滅ぼす話に変わってしまったのだ。
そして、最終回を放映した後に異世界に行くんだと意味不明な事を言いだしたとかで、トラックにドーンで監督は亡くなった。
そのせいでカルト的な人気を博して、逆に話題になったと言う。
「おいおいおい、言われてみれば、神聖帝国も枢機卿も魔法少女ハッピネスに出てくる奴だ」
イエスがそう話す。
「いや、俺は中身は知らないのだが、そうなのか? 」
「ああ、エンシャントドラゴンを使って世界を滅ぼすのも一緒だ」
「つ、つまり、ここはあれのゲームかアニメの世界という事か? 」
「いや、国名や人名が全部違う」
俺の疑問にイエスが答えた。
じゃあ、一体何だというんだ。
俺の目眩が止まらなかった。




