第九部 第十七章 種明かし
洞窟が破壊されて行く。
良く考えたら、今回はやば過ぎる話でイエスもすでに効果音をやるのを忘れて顔が引き攣っていた。
洞窟が崩落すると、中央に百メートルを超える巨大な巨大な土色のエンシャントドラゴンが現れた。
エンシャントドラゴンがノリノリで、その全長の倍近い羽根を拡げた。
それによって洞窟は激しい振動で破壊されていく。
俺達だけでなく、ジェシー達<チームチェイン>の面々も洞窟が吹き飛び、太陽の前に晒された。
洞窟は剥き出しになり、全てがエンシャントドラゴンの羽ばたきに粉砕されて行く。
「我が名は地を支配する神龍たるエンシャントドラゴンなり。契約により福音枢機卿の指示によって大地を破壊するものなり」
地の龍たるエンシャントドラゴンが重々しく話す。
「いやいや、俺はそんな指示は出してない! 」
俺が絶叫した。
「指示も出して無いのに、勝手に破壊するなんてありなのか? あんまりだ! 」
「主がここに来る自体が契約の成立なのですよ」
ハリーが笑った。
「何てこった。こいつ、騙しやがった」
俺が真っ暗になって呟く。
「ハリー、貴方は何でっ! 」
セシリアちゃんが叫んだ。
「ふははは、貴方の師匠の策略は無駄でしたね」
ハリーが嘲笑う。
「ど、どう言う事だっ! 男なら成立しないのでは無いのかっ! 」
突然、背後から初老の賢者の格好をした爺さんが叫んだ。
それはセシリアちゃんの師匠だった。
「女の子で無いと契約が成立しないと思いましたか? 残念でしたね。エンシャントドラゴンに人間の雄だの雌だのは些少の事なのです」
ハリーがこれでもかというように笑う。
「しかし、魔法少女では無いのに……」
セシリアちゃんの師匠が身を震わせて呟いた。
「は? 」
「え? 」
俺とイエスが前世でしか聞かないワードである魔法少女と言う言葉を聞いて唖然とした。
「はははは、祖師は魔法少女にこだわっておられましたが、エンシャントドラゴン達は契約の紋章しか見て無かったんですよ。祖師ほどは性別に、こだわって無かったと言う事ですね」
ハリーが種明かしをするように話す。
「馬鹿な。何の為に友の息子を犠牲にして、紋章をセシリアから移したのか分からないでは無いか」
セシリアちゃんの師匠が絶望的な顔をして跪いた。
「は? 」
「え? 」
俺とイエスがあまりの告白に呆然としてセシリアちゃんを見た。
「ええええええええええ? 」
セシリアちゃんも知らなかったようで絶叫してた。
「ど、どう言う事? 」
俺がハリーに動揺して聞いた。
「福音枢機卿が魔法少女で無くなれば、世界の破壊は起きないと、そこの馬鹿な師匠と主の父親は思って、セシリアの紋章を貴方に移したんですよ。馬鹿な話だと思いませんか」
ハリーが嘲笑う。
俺が呆然としていた。
いや、セシリアちゃんもイエスもアルバートもジェシー達も皆唖然としていた。




