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第九部 第十二章 侵入

「では、ジェシー達に二百メートルほど先行させて、その後に俺達がアイシクルケイブに突入するか判断するという事で」


 俺が皆に目配せした。


「しょうがないよな。あの人達はスピードが速すぎて追いつけないし」


 イエスも白々しく頷いた。


「まあ、今から追っかけても、向こうのが先に突入するだろうしな」


「それは、しょうがないわね」


 アルバートとダリアも白々しく同意した。


「あーあーあーあー、どうしょうもないな」


 セシリアちゃんが俺達を見て呆れ果てた顔をしている。


「でも、先行して動いてもらった方が、こっちもやりやすいし」


「何が起きるのか言えないんだろ? 」


 イエスがハリーに聞いた。


「ええ、今の段階では言えません。この事が人類に及ぼす影響も読めませんから」


 ハリーがそう話す。


「じ、人類と来ましたか……」


「もう、露骨にやったら駄目って感じだよな」


 俺とイエスの顔が暗くなる。


「引き返すか? 」


 アルバートが凄いぶっちゃけた。


「そんな事許されるわけないでしょうがぁぁぁ! 」


 セシリアちゃんが一括した。


「昔な。どっかで言ったかもしれんけど、テレビでB級の映画やってて題名は忘れたんだけど、ドラキュラに町が乗っ取られて、クライマックスで主人公とヒロインが昼のドラキュラが寝てるうちに相手を倒しに屋敷に乗り込むんだよ。そしたら、ドラキュラが寝てなくて起きて待ち伏せされて、ヒロインが攫われてしまう。しかも、放送時間が後五分しかないんだ。どうすんだ? ここから先は? と興味深く見てて、当然に主人公だからヒロインを助けに行くかと思ったら、主人公がすまないすまないって言いながら屋敷に大量に爆弾仕掛けて、ヒロインごと爆発させてジエンドだった」


 俺が昔見た深夜のアメリカのB級映画を思い出して呟いた。


「つまり、何が言いたいのかな? 」


 イエスがそう聞いてきた。


「いや、いよいよなったら、ジェシー達が洞窟に入ったと同時に、入口塞いで逃げるってのもありかなと」


「ある訳ないだろうがぁぁぁぁ! 」


 セシリアちゃんが切れた。


 俺の話でアルバートやダリアやウェーズリーも承諾したように頷いたので余計にキレたみたい。


 あまりにセシリアちゃんが怖いので仕方なく、俺達はジェシー達を追いかけた。


「これが前門の虎 後門の狼だな」


 イエスが呟いたら、さすがに背中からセシリアちゃんに首を片手で掴まれてブルンブルンされた。


 馬鹿だなぁ。


 どう考えても後門のがやばいのに。


 そう思いつつ、アイシクルケイブの入り口に向かうと、ジェシー達が斬り捨てたと思われるワームとかが殺されている。


 別の種類のカエルのモンスターもいて、数もバラバラだ。


 やはり、何かを恐れて逃げているのか。


 セシリアちゃんが怖いので、仕方なしで俺達が久々のアルバートが中心のフォーメーションでアイシクルケイブに入った。


 戦闘羊達も後ろに続いた。


 実際、俺の嫌な予感は洞窟に入った途端に、さっきより酷くなった。


 困ったな。


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