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ゲームの国の異世界アリス〜異世界と日本を行き来してゲームを楽しみます  作者: バッド
ゲーム少女は太平洋連合軍を翻弄する

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80/199

80話 ゲーム少女は日本に舞い戻る

 瞬間移動にて鏡の自宅へと帰還したアリスたち。う~んと子犬が伸びをするように、両手を伸ばして凝ってもいない疲れをとるアリスである。


「ふ~。やはりクーラーの無いあの惑星は最低ですね。クーラーを自宅にはつけちゃいますけど」


 てってこと歩いて、冷蔵庫に向かいガチャンと開けてサイダーを取り出して、コップにいれてコクコクと飲む。


 炭酸がシュワシュワで、体がスッとして気持ちいいなぁと満足げな表情を浮かべて、居間に戻りソファに寝っ転がり、ぐでーんと体から力を抜く。そんな姿も美少女ならばお得感満載、きっとお金を支払い写真を買おうとする紳士もいそうである。なにしろスカートはめくれてパンツは丸見えだし、着崩しているので胸チラもできそうである。まぁ、貧乳なるアリスでは胸チラは無理かもしれないが。


 さりげなくパンツが見える場所へと変態おっさんフェアリーが移動して、アリスへと声をかける。


「で、日本では何をするんだ? また鉄くず集めか?」


 目を閉じて、うつらうつらしたアリスはぼんやりとした声音で面倒そうな感じで返事をしてくる。


「ん~………。もう鉄くず集めは終わりです………。眠いので明日からの行動にしますが、今回は関東近郊にある晶石鉱山を採掘したいと思います………。むにゃ~。おやすみなさ~い」


 そういってすやすやと寝息をたてるアリス。


 ふぅと息を吐いて、鏡は腕組みをして呟く。


「まぁ、あの鉄蛇は弱いように見えて、結構な強敵だったからな。ゆっくりと休むんだぞ、アリス」


 暖かい目でアリスを見て鏡はうんうんと見守る保護者のような立ち位置を演じるのであった。


「でも、アリスの身だしなみが直せないのが残念だなぁ、あぁ、本当に残念だ」


 わざとらしく鏡は呟いて、でへへと鼻の下を伸ばして、その後にアリスのパンツを眺めたり、胸チラを眺めようとふよふよとうろつくので、虫かごを作った方がアリスは良いかもしれなかった。




 次の日、ご飯もたくさん食べて、お風呂にも入って、いっぱい寝たアリスは充実した感じで朝から元気いっぱいであった。


 地下の秘密基地で、フンスと鼻息荒くアリスは両手に腰をあてて胸をはって発言する。


「では、次なる標的は大量の晶石です。これは鉱山でなければ採掘不可能です」


「は~い、先生。この間の公園で採取したの物も晶石だったとおもいま~す」


 手をビシッとあげて、帰宅したアリスを直感で気づいて訪問したカナタが疑問を口に出して聞く。


 手を挙げたカナタへと、アリスは先生のように指を向けて頷く。


「その通り、あれも晶石でした。ただ、あれは最低の晶石、すなわち屑晶石とよばれるものですね」


 屑晶石?と首を捻って疑問の表情を浮かべるカナタへとざっくりと説明しようとアリスは話す。


「簡単に言うと屑晶石とはレベル10までのアイテムを作成するのに必要な、反対にいうとどこでも手に入る屑扱いな素材です」


 ざっくりどころか、ゲーム的説明をするアリスがここにいた。


 そしてペカッと顔を輝かせて、カナタはポンと手をうつ。


「なるほど、凄いわかりやすいよ、ありがとう、アリスちゃん」


 にこにこと笑顔となり、カナタが頷いているのを微笑みで返して


「そのために、今度はレベル50までのアイテムを作成するのに必要な晶石を採掘に行きたいと思います。なに、話は簡単です。まだこのレベルならそこまで苦労はしないので」


 モニタをポチッと押下すると、地図が拡大されてある場所が表示されてきた。


 それを見て、カナタはあれぇ?と不思議がり、指で赤く丸がされている場所を指し示す。


「ねぇねぇ、アリスちゃん。私の目が間違っていなければ、この地図には富士演習場と書いてあるよ? それってあれだよね?」


「なにがあれだかわかりませんが、なにか地球性の機動兵器がうようよといる場所ですね。訓練場所な感じがします」


「いやいや、訓練所みたいな感じじゃなくて、そのまま訓練場だからね? あそこは太平洋連合軍の新型がちょうど訓練している場所だよ? 勢ぞろいで民間人に見せるための演習訓練をしているところだよ?」


 それを見て、黙って座っていた鏡が慌てたようにツッコミをいれるが、アリスは平然と答えた。


「なんと偶然ですね。でもギャラクシーライブラリーには国表記されていない開拓自由な土地とされています。未だに接続はできませんがローカルデータだけでも十分でしょう。残念ながら彼らの法的根拠は銀河では通じませんね。そして銀河で通じないということはハンターは気にしないということです」


「はぁ? ここじゃなくても、まだたくさん鉱山候補はあるだろう? なんで、よりによってここに………いやいや、まてよ、お前、わざとだろ! 地球の機動兵器を回収したいから偶然を装ってランダムバトルをするつもりだな? 鉱山を採掘しはじめたハンターへの攻撃は盗賊扱いされるからな!」


 絶対そうだと、鏡がアリスを睨みつけるとアリスは心外ですというショックを受けた表情で答える。


「そんなことはちっとも考えていませんよ。でも、そういう状態になったら仕方ありませんね。ギャラクシーライブラリーに訴えても私が勝てるでしょうから、戦闘になるでしょう。そして偶然にも地球の機動兵器を回収しちゃうかもしれません」


「この間までは特に興味を示していなかったじゃないか? なんで急に興味を………いや、答えなくていい。余裕ができてきたからコレクター魂に火がついたんだな?」


 自分の思考をトレースすれば、なぜ急にこんなことを始めたのか容易に思いつく。鏡なら同じことをするだろうからだ。無論ゲームの中ではだが。


「そ、そんなことはありませんよ? オリハルハに帰ったらレアアイテムとして高くうれるかもぉ〜とか、辺境の原始的武器として博物館が買ってくれるかもぉ〜とか、ちっとも思っていません、単なる偶然です」


 目の中の魚がバッシャバッシャとクロール泳ぎをしているように見えるアリス。せっかくの辺境惑星だからと最近ハメを外し始めたゲーム少女である。


「えっと、意図的に戦うとすると軍人さんは哀れなことになるのかな?」


 コテンと首を傾げてカナタが尋ねてくるというか、確認してくる。たしかに敵の機動兵器を奪取するとなれば、中のパイロットには可哀想な目にあってもらうことになるとアリスは頷く。


「たしかに哀れなことになってもらいますが、さすがの私もちょっとだけ罪悪感が沸きますので殺しはしませんよ? でも機動兵器を貰っても良いと思うんです。なにしろ最初に喧嘩を売ってきたのはあちらですからね」


 ふむふむと平然とした表情で話を聞いているカナタを見て、鏡はこいつ本当に地球人?と疑いを持ってしまう。


 憐れな事=殺すという話になっても平然とした表情で彼女は頷きそうに見えたから。まぁ、実際に殺すと言われたら動揺するだろう。するはずだ、して欲しい、きっとしてくれるはずだよねと祈るおっさんウサギであった。


「圧倒的な力で戦うの? 新しい機動兵器が用意されたりしてるのかな?」


 わくわくとした表情へと変えてカナタが聞いてくるので、モニタをタッチして、空中に映る内容を切り替えていくアリス。


 ヒュインと切り替わり、巨大な機動兵器が映る。


「今回はこの機動兵器を使用します。レベル50相当の晶石を採掘するのはいつものクロウラーさんに任せるとしまして、この新型は敵を無効化することを主眼に作られています」


 むふふと笑顔でちっこい指先を機動兵器へと指さして得意げな表情でアリスは伝える。


「対機動兵器用機動兵器アシナガンビーです。戦闘力は300。ですが機動兵器を無効化にする翅からのジャマーを繰り出し、口からの高熱ビームで敵の装甲を精密に切り裂きます。そして尻尾からはパラライズビームでパイロットは麻痺させて、外にポイです」


 アシナガンビー、鉄色をしている8メートル程度の大きさのアシナガバチのロボットだ。低レベル時に、敵の機動兵器を奪取することを目的に開発された空飛ぶロボットである。


 カナタにはドヤ顔で教えているアリスへと冷たい視線でツッコミを入れる鏡。


「役立たずのアシナガン。ビームの一撃で落ちる役立たずだ。ジャマーなんて相手に効いたところ見たことないぞ」


 相手の機動兵器を奪取というと凄い魅力的だが弱過ぎた機体だ。ゲームの中でもそんな都合の良い活躍をできるロボットではなかった。弱くて、ペチペチとマシンガンでも撃ち落とされた雑魚なので、誰もすぐに使わなくなったAHO初期に実装された機動兵器である。


 アリスもムキにならずに頷いて、返答する。


「そのとおりです。誰も使わない機体。それは弱すぎたからです。作るだけ無駄ですぐに撃ち落とされる空飛ぶ雑魚ですね。おっさんフェアリーと同じく」


「常に語尾にディスることを入れないと気がすまないのかお前は?」   


 ふふふと怖さを感じる笑顔で鏡はむにーんとアリスの餅のような柔らかい頬を伸ばしてお仕置きをする。


「仕方ないんです。もはや鏡をからかうことは私の趣味になりましたので」


 ムニムニと頬を引っ張られながらもアリスはやめる気はないと宣言するのであった。ちょっと悪い遊びを覚えたなと鏡は嘆息してしまう。


「えっと? 弱いって宇宙での話だよね? 地球ではどうなのかな?」


 カナタが遊んでいる二人へと声をかけてくるので、アリスは掴まれている頬から鑑の手をはねのけて答える。


「鏡のように薄い装甲。いえ、紙のように薄い装甲、撃たれたらすぐにバランスを崩す酷い機体性能、武器は短距離ビームと使いどころがないアシナガンビーですが………。地球での力はどうなるのかを確かめましょう」


 フフッと花が咲くような可愛らしい笑顔を浮かべてアリスはアシナガンビーの映ったモニターを見つめる。そして、後ろからさり気なくまたディスったなと鏡が頬を掴もうとしてくるのをかわしながら。


「きっと素晴らしい戦果を上げるはずです。マテリアルの含有量が機動兵器の能力の決定的な差になると教えてあげましょう」


 そう言って、頬を鏡に伸ばされながらアリスは不敵に笑うのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まるで大航海時代のヨーロピアンのような傲慢さを見せるアリスの無慈悲な機動兵器狩りの提案(´Д` )そこに痺れる憧れる!何より彼女は戦力差を知り敢えて無傷で敵兵をポイする点が最高ッス(^ ^…
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