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ゲームの国の異世界アリス〜異世界と日本を行き来してゲームを楽しみます  作者: バッド
ゲーム少女は異星人認定される

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55話 ゲーム少女はウサギを作る

 カチリカチリとマウスが動く音がパソコンが置かれている書斎に響いていた。パソコンのモニタ前にアリスは座りちっこいおててで色々な操作をしており物凄い集中をしている。


 少ししたあとに、モニターから目を外し満足そうに鏡へと顔を向けるアリス。ホクホク顔でパソコンへと指さして教えてあげる。


「これで200億円になりましたよ。凄いですね、この惑星。簡単に相場が操れるのに、誰も気づかないですし」


 そう言って得意げに指さすのは株と先物取引が終了して、資産が7倍程に膨れ上がった鏡の資産であった。この1週間で7倍にした恐ろしいゲーム少女である。


 はぁ~と感心しながら、鏡はゲーム少女の力に感心する。


「これが科学の差ってやつか………。ごく自然に株価とかが操作されているから、不自然に見えないし、アリスだけが儲かっているわけではないから、目立つこともないということか………」


 ふふんとドヤ顔で平坦なる胸をはり、アリスは胸を反らしすぎて、うわぁと椅子から転げ落ちる。


 だが、そんなことはいつものことなので、気にしないでアリスは服についた埃をパンパンとはたいて答える。


「とりあえずこの程度の資産があれば、問題ないですよね? ご飯を食べまくっても大丈夫ですよね? 至高のカレーとか1億ぐらいで食べられますか?」


「いやいや、どこのゆーざんが作ったカレーだよ! たしかに至高のカレーはそれぐらい高かったけどね、この惑星ではそんな金額の料理はないから。たぶん高くても数十万ぐらいかな?」


 その言葉に、ぴょんと飛び跳ねてアリスは喜んだ。この惑星について久しいですが、料理が安くてとても嬉しいのだ。ただ、ステータスアップの料理はない模様なので、あんまり戦闘には役に立たないかもしれないが。


 だが、すでにこの一週間で目的を忘れてしまった様子のアリスなので、鏡は呆れた表情で問いかける。


「なぁ、地球には砂糖や香辛料を買い付けに来たんだよな? 大丈夫か? 忘れていない?」


 ウッとその言葉に体をのけぞらせるアリス。お金を簡単に増やすことができて、それに夢中になって忘れていたので。


 最近はご飯を食べたらパソコンの前で先物やら、空売りやらを繰り返していたのだ。だって簡単にお金が増えるんだもんと、この地球では敵わないクラッキング能力を使えるアリスは唇を尖らせるのであった。そんな姿も美少女がすると様になり可愛らしい。


 だが、飄々と態度を変えて答える。


「もちろん、わかっています。忘れてなんていませんよ? とりあえず1兆ほどにお金を増やせるかなぁと思っていただけです」


「だめ! そんなに金を増やしたら確実に目立つからね! もうこれ以上はお金を増やすのは禁止でお願いします!」


 ちぇっと不満そうにするアリスであるが、たしかに鏡のいうとおりである。あちらの惑星の拠点をそんなに長くは放置はできない。


「では、砂糖を買い付けに行きましょうか。あれから魔の森のアストラル体を倒しまくってレベル42になりましたしね。学問や補正技術でステータスアップをするのも良いですが、術系も取りましょう。ということで幻術と幻惑効果上昇そしてアンロックされた幻術使いを取得しますね」


 ふむふむと頷く鏡、しかし疑問にも思う。何故ならばゲームの中では敵の攻撃命中率や攻撃力を下げたり、高レベルなら現実と同じダメージを与える事ができる幻術を使えるだけであったからだ。後は潜入時に姿を偽装する程度であった。幻術使いの技もしょぼくて永遠の幻影という見抜かれない限り、幻惑を見せる力であった。見抜かれない限りとあるが、レジストのタイミングは30秒に1回あるので、対して効果の高いものでもなかった。


 だが、現実ではまったく違う効果となるに違いないと小説をネタにして考えるおっさんフェアリーであった。たぶん本当に幻術が相手を騙すことができて、それをゲームの世界の住人であるアリスは理解しているのだ。


「後は付与術と加工技術、冶金学に科学、化学を取っておき、科学者の職業を取れば完璧ですね」


 ポンポンと取ろうとするアリスへと、まずいと考えておっさんフェアリーは叫んで口を挟む。


「ちょっと待った! まだ、化学と科学者は必要ないだろう? 人形作成と憑依を覚えてくれないか?」


 慌てる鏡を見ながら、コテンと首を傾げて疑問を返す。


「人形作成は別に良いですが、憑依? あれはネタスキルですよ。無機物に憑依できて戦えることができる素敵なスキルと最初は言われていましたが、憑依した機体のスキルのみで、自分自身の一切のスキルが使えないですし、精神術に極めて弱いのであっという間に廃れたスキルですが? それも憑依中は自分は行動できませんし、経験値も入らないですし」


「うんうん、たしかにそうだな。言う通りの内容だ。でもな、試してもらいたいことがあるんだよ、憑依は魂を無機物につけるだろう? 俺だけを無機物に憑依できるかなっと思ってな」


 おっさんフェアリーの言い分にふむふむと思考する。どうもこのおっさんフェアリーはアリスの魂についている感じなのだそうな。それならばアリスではなく、鏡だけを憑依させるということも可能なのだろうか? 


 今まで試したこと無いしなぁと思いながらも、レベルを44に上げておく。決めたスキルを取ることは決定しているのであるからして。あの惑星で手に入れたマテリアルを使用したのである。


 ポンポンとスキルを取得して、ステータスをオール60にしておく。残りスキルポイントは綺麗に0になったが、どうせすぐに上がるので気にしない。


 科学者の職業も取ったので、これで拠点で研究ができますねと、ふふふと微笑みながらアリスは椅子から立ちあがった。拠点での研究はどう考えてもあの辺境惑星では研究員なんかいなさそうだから、自分がやることにしたのだ。


 とはいって、何をするわけでもなく、アイテム合成を繰り返していけば研究ポイントがたまり、新しいアイテムが拠点で量産できるという簡単仕様であるが。まぁ、コールドスリープさせている自分の部下を復活させても良いけど、給料が高いのでまだいらないとも考えていた。


 そして、人形作成を取得して、ネタスキルである憑依スキルを渋々とったアリス。マインドショックで憑依が解けるほどの役に立たないスキルであるのに、おっさんフェアリーは仕方ないなぁと思いながらも、結構世話になっているし、まぁ、いっかと気楽に考えたのだ。


 おっさんフェアリーは興奮した表情で、アリスの眼前にくるのでぺちりとはたきおとすという、いつもの二人であったが、今日は鏡の気合の入れようが違った。


 ふんふんと鼻息荒く、ソワソワと早く早くとアピールするので、はぁ~と軽くため息をついてアリスは人形作成を使うことにした。


 なににしようか迷うが、安いので良いでしょうと決めて、ぽちりと目当ての人形を探し当ててぽちりとボタンをタッチした。


 素材とマテリアルをいくつか使い、ゴゴゴと空中で光の粒子が集まり始めて何がが模られて生まれてくる。


 ピカッと一際明るく輝き、人形が生まれるのであった。


「おぉっ! これが俺の乗騎か! すばら………なにこれ?」

 

 目の前に生み出された人形を信じられないように疑問の表情で首を傾げるおっさんフェアリー。


「なにこれではなく、鏡が憑依できるかもしれない人形ですよ?」


 そこには時計を持ったタキシード姿のウサギがいた。2メートルぐらいのウサギであり、デフォルメされているのなら可愛らしいかもしれなかったが、リアルな描写の2本足のウサギであった。ちょっとリアルだとあんまり可愛くないかもしれないと思うぐらいにリアルである。


「これが安かったのですから仕方ないですよね? では、憑依!」


 まじですかというおっさんフェアリーの信じがたい表情を尻目に、アリスは憑依スキルを発動させる。


 が、いつもと違うコマンドがモニターに映し出されて、少し驚き瞠目する。


 そこに表記されていたのは


「アリスが憑依しますか? おっさんフェアリーが憑依しますか?」


 と表記されていた。このパターンは初めてですと思いながらもおっさんフェアリーが憑依しますを選ぶアリス。どうやらおっさんフェアリーという表記は変わらない模様。


 その途端にヒュインとおっさんフェアリーがウサギに吸い込まれていくのであった。


 そうして、少ししたらもぞもぞとウサギが動きはじめた。見た目は縫いぐるみだが、中身は格安ロボットであり音声機能もつけている。


 なので、少し怒った様子でウサギロボットと化した鏡は抗議をしてきた。


「ねぇねぇ、ちょっと酷くない? もう少し人間よりにしてくれても良いよね? 次の時は人間タイプを作ってね? お願いします」


 抗議してくるのか、お願いをしてくるのかわからない鏡であった。


「その人形の憑依時間は6時間です。胸にぶら下がる時計が鳴るときがおっさんフェアリーの最後ですね。宇宙葬で良いですか?」


「いやいや、憑依は解けるだけで、俺は死なないからね? さりげなく宇宙葬にするのは禁止だからね!」


 ありゃ、そうでしたか、残念ですと悪戯そうに笑いアリスは憑依が成功したことを喜んだ。これなら結構使い道がありそうである。今度は小型ロボットにでも憑依させようかなぁと考えていた。アホなAIの戦闘用ロボットが多いので、鏡を乗せればそれなりに闘えそうであるからして。


 ふーむと、手をグーパーしたり、ぴょんぴょんとと飛び跳ねるおっさんウサギ。色々と自分の体を確認したのだろう、アリスへと視線を向ける。


「これはユニークロボットの導きのウサギだっけか? 戦闘力はどれぐらいだっけ?」


「その通りです。イベントでギャラクシーライブラリーから配られた自動修復がお金がかからずに24時間後にできるという素敵な仕様のウサギ型ロボットですね。戦闘力は500 ウサギクローとウサギ噛みつき、ウサギイヤーからの音波攻撃です。それと申し訳程度に体術、銃術、機械操作、運転、電子操作がスキルレベル50でついていますね」


 地味にアリスより素は強いウサギである。イベントで配られたが、自動修復以外は弱すぎて使用できずに、そのまま倉庫の置物と化していたウサギだ。肩掛けバッグを装備しており、なんだかコミカルな感じだが、それならば顔をリアルにするなよとハンターが抗議をした曰く品である。


「ふむふむ、隠蔽系、偽装系の装備をすればなんとかなるかな? 6時間遊べるか? アリス、次作るときは料理も味わえるバイオ系ドローンでよろしく」


「はいはい、記憶にとどめて、なるべく善処して考えておきますね」


 適当極まる返答をするが、その日が来ることは少ないかもしれない。だってバイオドローンを作るのならスキル持ちの頭の良いAIをのせるからである。おっさんフェアリーでは力不足であると考えていた非道なアリスであった。


 まぁ、なんにせよ、次の行動を取ろうかなとアリスも偽装を行い別人へと変身して外へと出るのであった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 株価のチャートなんかが音ゲーのグラフのように見え楽しかったために1週間ほど世界経済や先物取引に重大な混乱を巻き起こしたであろうアリスの異能マジ恐ろしス! そして鏡にニューボディが実装!……
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