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ゲームの国の異世界アリス〜異世界と日本を行き来してゲームを楽しみます  作者: バッド
ゲーム少女は拠点を作る

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46話 ゲーム少女はドラゴンと出会う

 数日間、ドカンドカンと上空からビームを撃ち放たれ、白き龍がブレスを吐き、魔物たちは突如として現れた龍から、そして常ならば獲物としている人間族を恐れて、魔の森を逃げ惑っていた。


 ぎゃあぎゃあとアストラル体の悲鳴が聞こえる中で、アリスは再度のリロードをするべく、エネルギーパックを亜空間ポーチから取り出して入れ替える。入れ替えながらステータスボードを開くとレベルが大幅に上がっていたので、桜咲くような笑顔を浮かべ喜びに口元を綻ばせて言う。


「鏡、鏡。なんとレベルが32になりました! ここは狩場として最高ですね」


 雑魚狩りのエリアだけど、数をこなせるので嬉しいですと目を輝かせてアリスが言うので、おっさんフェアリーも苦笑しながら答える。


「なんか酷い虐殺劇な感じもするけどな………。まぁ、人を襲う奴らが狩られる側になっただけ。もしもアリスが弱かったら襲われていたのこちらだし、弱肉強食ってやつか」


「この森を開拓するのですから、アストラル体が大量にいては困りますからね。どうせそこら中にいるんですし、リポップしないでも気にすることはありません」


 飄々と雑魚狩りを気にしないアリスなので、これ、小説の主人公とかが見たら、やめろーって叫んで止めてくるパターンだよねと苦笑しながら、そんで戦って負けてから主人公に頭を撫でられてあっさりと惚れてしまうまでがテンプレだなと鏡は想像した。


 まぁ、アリスだと反対に主人公を倒して第三部完!とか言いそうだけどと思っていたら、アリスはポチポチとスキルを取得してステータスを割り振っていた。


「んで? どんなステータスになったん?」


 鏡が興味深げに声をかけると、むふふと可愛らしく微笑んでアリスは胸をそらす。


「まず、ステータスはオール50になりました。そしてレベルが30を超えたので、ハンターの花形スタイルを充分活かすため、盾術、投擲術、運転、空中機動、立体機動、宇宙機動、地上戦学、回避、軽業、歩法、機動兵器戦学、白兵戦学、直感を取りました! そして解放された職業パイロットもですね」


「あぁ、レベル30を超えたから、機動兵器のスキル構成を取ったのね」


「はい! ようやくハンターの花形、機動兵器を操作することができますよ。今までのインスタントなパチモン機動兵器とは違いますよね」


 フンフンとアリスの言葉に納得する鏡。そして、フンフンと鼻息荒く興奮して頬を紅潮させる玩具を貰って嬉しがる子供にしか見えない愛らしいアリス。よほど嬉しいことがその態度でわかる。


「ハンターと名乗るには機動兵器が無いとですからね。既に亜空間召喚用指輪を装備しましたよ」


 見てみてと人差し指に着けた銀色の装飾も無い指輪を見せびらかすアリス。ハンターがレベル30を超えるとイベントで貰える譲渡不可で中型機体までは1機体だけいつでもどこでも特別な場所以外は召喚できる特別な指輪だ。


 既にアリスはいそいそと楽しげに、指輪に自分の機体を設定している。レベル制限があるし、まだ低レベルだして、最初に貰える機動兵器の1つを設定した。


「まぁ、滅多に使うことは無いと思いますが。なにしろ白兵戦より燃料代や弾薬代に修理代とびっくりする値段がかかりますからね」


 ふむと鏡はフヨフヨと浮きながら思案した。たしかにアリスの言うとおりだ、AHOでは白兵戦もあるが、機動兵器戦がかなりの人気であった。なにしろ白兵戦では勝てない敵も機動兵器ならあっさりと勝てる程に戦闘力は変わるからだった。だが、その分、よほど強い敵でないと大赤字になるので、結局強敵相手にしか使わなかったのだ。


 しかし気になることがあった。というか、アリスがそれを口にしたので、嫌そうに話しかける。


「……なぁ、今の言葉はたぶんフラグだぞ? アリスさんや、たぶんフラグをたてたと思うぞ?」


 鏡の言葉にピクリと身体を震わせて反応するアリス。ハンター内ではフラグをたてるという意味は有名すぎる程に有名であるからして。ボスを倒したときに、やったか?と叫んだハンターはボスがその後に復活したら袋叩きの刑であった。


 自分の言葉を顧みるとたしかにフラグめいた言葉を発したことに気づくが不敵に笑ってしまう。


「今の発言で発生するフラグは問題ないですね。なぜならば強敵は美味しい相手ですので」


「はぁ〜、たしかにアリスならそう考えるよな……。心配が」


 しゃぎょーんと、鏡が返事をする前に空気を震わして咆哮が遠くから聞こえてきた。


 ありゃりゃとキョトンとしたアリスはすぐに満面の笑みになり、楽しくなってきましたと咆哮のした方へ視線を向ける。


 白龍さん1号に向かっている黒竜が飛翔しているのを確認したアリス。西洋の竜っぽく、鋭いルビーのような赤い目をした、口内には牙がゾロリと生えており、四足で黒い艷やかな鱗をしている恐ろしげな30メートル程の竜だ。アリスの小柄な体躯などペロリと食べてしまいそうな竜であるが


「やりました! ドラゴンアストラルが釣れちゃいましたよ!」


 むふーむふーと興奮して叫び、ボードの上でやったぁとジャンプするアリス。ドラゴンアストラルはマテリアルが倒した際に通常よりもかなり多く貰えて、なおかつその死体は素材として余すところがないのだ。強力な力を持つがハンターは好んで狩りをしたものである。


 最強のドラゴンアストラルならば大勢のハンターが必要かもしれないが、こんな辺境ならば弱いドラゴンに決まっていますとアリスは微笑んで、解析を行う。


『戦闘力1224』


 出てきた結果はこの惑星でずば抜けた戦闘力ではあるが、アリスはコテンと首を傾けて不思議に思いおっさんフェアリーへと問いかける。


「あのドラゴンはアホなのでしょうか? 自信満々に白龍さん1号に突撃していきますけど、彼我の戦闘力の差がわからないのでしょうか? もしかしたらドラゴンモドキなトカゲさんですかね」


 不思議過ぎて、ドラゴンではなく、もっとアホなトカゲかもと思うアリス。白龍さん1号の戦闘力は2000だ。装備もしているように見えないドラゴンなので、素のステータスで戦いを挑むつもりなのだろうが、無謀過ぎる。


 ドラゴンの様子を見て、鏡は呆れた表情をして肩をすくめた。


「たぶん彼我の戦闘力の差がわからないんだろう。ガタイも違うのになんであのドラゴンは自信満々かわからないな」


「トカゲかもしれませんね。まぁ、白龍さん1号に戦わせると素材も経験値もマテリアルも手に入りませんから、急いで武力介入しましょう!」


 平和を求めての武力介入ではなく、自身の欲望のために武力介入するハンターなアリスはちっこい身体を伸ばすように空中で手を突き出して叫ぶ。


「カモン! ヒナワン!」


 指輪から亜空間へとアクセスがなされて、雷光と共に青い全長10メートルはある巨大なロボットが空間から現れた。1メートルはある分厚い重装甲に左手にカイトシールド、右手に長大な砲身のロングビームライフル、両肩には巨大な大口径ビームカノンが搭載されており、背中にはランドセルを大きくしたようなバーニアが取り付けてあった。腰にはビームチャクラムを数基備え付けてあり、数回の噴射と共に、地面へとズシンと大きな音と砂煙を発生させて降り立つ。


「おぉっ! 実際に現実で見るとかっこいいな! 名前はあれだけど! なんで火縄とか思うけど!」


 名前が不満だが、現実になるとかっこいいと小踊りをするおっさんフェアリー。これが美少女なフェアリーなら可愛らしい絵面だったのが、残念無念、おっさんであった。


「ハンターならば機動兵器を使うのは当り前です。これは初期型の一人前になったハンターに贈られる機体、その中でも各パーツをカスタマイズした重装甲にして高火力、そして凄い燃料や修理代がかかるので全然使わずに次世代機に移行してしまったヒナワンです!」


 えっへんと胸をはり自慢げに伝えるアリスだが、この機体はチュートリアルでしか使わなかったりする。すぐにレベルが上がりお蔵入りになったというよくある悲しい機体であった。


ヒナワン種子島1式


耐久力850

防御力300

機動力300

スキル︰鈍重(小回りが利きにくいため回避率ダウン)

種子島1式ビームカノン:400

種子島1式ロングビームライフル︰200

種子島1式ビームチャクラム:100


戦闘力1300


 低レベルの機動兵器は乗り手のステータスは反映せずに、スキルによる動きだけを主として戦う。もちろんこの機体もそうであるし、そんなに強くはない。

 

 ただし、それはAHOの世界内での話だ。全体的な戦闘力は武器を抜くと、かなり弱いともいえるが、アリスはそんなことは気にしなかった。


 目の前にレアな敵がいて、自分には機動兵器があるのならば、戦闘一択であるし、常にそうしてきたのだから。


 パイロットスーツ変更マクロを頭に浮かべると、レオタードのようなちょっとエッチな肌にぴったりと貼り付いた服へと変更される。もちろん雰囲気作りではなく、直接乗る時は10%のボーナスステータスが機動兵器につくからである。


 サークレットのような頭飾りを触ると、シュインとガラスみたいな透明な覆いが頭につけられて、準備完了なゲーム少女。


「キャノピーオープン!」


 声と共に空中へとフライボードから飛び出し叫ぶと、コックピットのハッチが開くので、素早く片手でハッチを掴み、ヒョイッと宙返りしながらコックピットへと入り込む。


 パイロットが入り込んだと認識したハッチは閉まり、前面と両脇にモニターが設置されているのがわかる。そのモニターは命が吹き込まれたように外の様子を映し出し、モニター脇にあるスイッチやゲージが輝きだし、戦闘準備完了!と表示がされるのであった。


 レバーにペダル、そしてキーボードと脳波感知システムにより、その重厚な体躯に似合わない滑らかな動きをヒナワンは見せる。


「狙いは明瞭、あのオオトカゲです! 絶対に黒字は確実ですね」


 落ち着いた表情になり、アリスはモニターに映る空中を飛翔して白龍さん1号に近づく黒竜へと先制攻撃を開始するべく、異世界初の戦闘を開始したのであった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] まごう事なき異世界の強者の登場と、瞬で黒竜が出落ちとわかるアリスまわりの凶悪な戦闘力(´Д` )これ鏡が主人公だったら出てきたのも知られずに白竜さん1号に蹂躙され肉骨粉になったでしょうねぇ…
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