あすか、料理教室に通う! 5章続き②
次の週も木曜日の夕方に、この間のあすかの会社の近くのカフェであすかと松田の2人は待ち合わせをした。今度はあすかの方が早く着いた。
老紳士風の男性が1人でしているカフェとのことだった。
また、ホットコーヒーを注文した。今度は淡い黄色の花柄のコーヒーカップとお皿で出してくれた。
老紳士風の男性とはなぜか話が合った。2人の共通の話は、秋のためサンマとか炊き込みご飯とか栗ご飯とか、またしてもあすかの好きな、ご飯の話題だった。
あすかも、サンマと大根おろしにおしょうゆをかける派であるなど、なかなか乙なものである。
40分ほど話しこんだ頃であろうか、松田があわててカフェに入ってきた。
バタン、ガララランゴロン。
あすかが先に入っているのを見て、謝る。
「あすかちゃん、ごめん!どうしても仕事が切り上げれなかって。」
いやなに、全然。こっちはこっちで盛り上がっていて、松田のことなどとうに忘れていた。
とは言えない。
「ううん、全然。ほとんど待ってないよー。マスターともお話できましたし。」
カフェのマスターとあすかはにっこりする。
結局カフェのマスターを囲んで、あすかと松田は話しこむ。
秋のご飯の話、日本酒の話など、ほぼほぼ食べものネタであったが、大いに盛り上がった。
また2時間ほど、コーヒー1杯でお邪魔してしまった。
今回の松田のコーヒーカップとお皿は黒と白のストライプのおしゃれなものだった。
そしてまたなぜか夕食を一緒にすることなく分かれた。
次の週も木曜日の夕方に魅力的なマスターのカフェで待ち合わせようかと話したが、結局翌日の金曜日に料理教室で一緒だと解り、その週はカフェにはお邪魔しないことにした。
さすがに、コーヒー1杯でマスターを借りきるのは失礼であった・・・。