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第38話 「魔法塔をぶっ壊せ」

 いったいどのようにして魔法塔を攻め落とすのか。

 作戦会議には俺も参加をした。


 イクリピアを三角形に閉じ込めた魔法塔を破壊するために、どうすればいいか。

 その結果、建てられたプランは次の通りだ。


1.まずは騎士たちが陽動のために正門から打って出る。目指すはブラックマリアの魔法塔だが、その手前で引き返す。


2.次にフィンを含めた俺たちがドクター・ゴグの塔に向かう。フィンはそのまま敵をなぎ倒しながら塔へ進み、魔法塔を破壊。その途中で俺たちが離脱する。


3.俺たちが、騎士団とフィンというふたつの陽動が機能している隙に、ビガデスの魔法塔にゆき、それを破壊する。


4.そして最後に、魔法塔を破壊したメンバーは騎士団のもとに戻り、全員でブラックマリアの塔を破壊する。


 という形である。


 2と3が終わった時点で、魔法騎士団はそれなりに魔法を使えるようになっているらしいので、4自体はそう難しいものではないだろう。


 問題はやはり3だと言わざるを得ない。

 俺たち四人+猫で魔法塔を破壊するのは、厳しい戦いになるだろう。


 ランスロットたちと軍議を続けた結果、それなりに対策も考えたのだが。

 結局、俺たちの作戦の成功率は、陽動が成功するかどうかだ。


 どの歯車が狂ってもいけない、精密な作戦。

 全員、やるべきことを行なわないとな。



 と、そんなことを思いながら、俺は準備を終えて城を出る。

 騎士団はすでに正門のほうに向かっているため、辺りにはあまり人気がなく、戦場を示すかのような乾いた風だけが吹き抜けていった。


 石造りの巨大な門の前には、二台の馬車が止まっていた。四頭立ての大きな馬車だ。俺たちはこの馬車に乗って裏門まで向かうのだ。


 ナルやキキレア、ジャックに猫ミエリはすでに到着していた。少し離れたところではフィンたちが固まって作戦会議をしているのが見える。俺は片手をあげた。


「よう、お前たち。きょうはちゃんと寝てきたか?」


 すると竜穿を背負ったナルは、満面の笑みで親指を立てた。


「ばっちりだよ! 元気溌剌! あたしはいつだってコンディション最高なんだから!」

「そ、そうか。兄貴との修業の成果はどうだ?」

「ふふふふふ」


 ナルは自信満々に胸を張る。

 素敵な笑顔だが、俺はそこに一抹の不安を感じてしまう。


「ま、成果は見てのお楽しみだね。マサムネくん、キミはきょう伝説を目撃するよ! そのときあたしとリューちゃんの虜と化すのだよー!」

「お、おう」


 そうだ、こいつはいつだって矢を放つときは、自信満々だった。

 己がぽんこつであることを、一ミリも理解していないのだ。

 その絶対的な自信がナルのダメなところであり、また強いところでもある。

 メンタルとしては申し分なさそうなので、俺は隣に視線をやった。


 キキレアである。先ほどから慈愛の表情を浮かべながら、俺たちのやり取りをニコニコと見守っている。

 聖母然としたその態度は、なによりも薄気味悪かった。


「悪いものでも食べたのか、キキレア」

「問題はないわ、マサムネ。確かに私の様子がいつもと違うことに対して、なんらかの違和感を抱くことは無理からぬ話よ。私は変わったわ。でもね、それは決して悪い変化ではないのよ」

「そ、そうか」


 十五分後には崩壊していそうな笑顔で優しく口元を緩ませたキキレア。


 まあフラメルの魔法を使うためには、心に愛の火を燃やしていないといけないようだし。キキレアはこうしてがんばって信仰心を高めているのだろう。

 ここで唾を飛ばしながら突っ込んで、キキレアの後頭部を叩き落とすこともできるのだが……。

 いや、それをしたところでなんになる?

 パーティーメンバーの士気のために。また、この作戦を成功に導くために、俺ひとりが我慢すればいいだけなのだ……。


「ともあれよろしくな、キキレア」

「ええ。愛の化身、ミラクルラブリー・キキレアにお任せあれ、よ」


 俺は必死に右腕を左手で押さえる。闇の力が漏れ出てしまいそうであった。


「すごい顔をしていますね、あなた」


 突っ込まれたのはむしろ俺だった。顔をあげると、パチェッタが困ったように眉をひそめながら微笑んでいる。


「大丈夫です、キキレア先輩はちゃんと強くなられましたよ。それは魔法の腕だけでなく、心もです。信じてあげてください」


 俺は小声で返した。


「心配するな。キキレアのクソ根性が、一週間足らずで前向きになるはずがないと、俺は信じている」

「え、えとそれは……」

「だから今度はともかく、今この戦いの間だけ持ってくれればそれでいい。あいつの性格がまともになるなんてことは、恒久平和や不老不死のように、人知の及ばぬ儚きと知っているさ」

「そ、そんなに……」


 身を引く彼女に、俺は笑った。


 人は一週間でそう簡単に変わるはずがない。ジャックだってそうだろう。どんなに外面を取り繕ったところで、すぐにぼろが出る。

 だが、『成長』することは、いつだってできるんだ。

 キキレアの本気、見せてもらおうじゃねえか。


 俺がきょうの段取りを確認していると、向こうで会議を終えたフィンが歩み寄ってきた。


「やあ、マサムネくん。きょうはよろしく頼むよ」

「ああ、こちらこそ頼りにしているぜ」


 フィンの向こうには彼のパーティーメンバーが並んでいる。

 アーチャーのギルノール、プリーストのパチェッタ、そして――さらに覇業使いのユズハがいた。

 そうか、補充のS級冒険者ってあいつのことだったのか。


 ……大丈夫なのか?

 まあひとりポンコツが混じっていても、残りのやつらがカバーするか。


 するとフィンはその燃えるような赤髪をかいて、それから俺の肩をぽんと叩いてきた。


「死なないでくれよ、僕は君のことが結構気に入っているんだ」

「大丈夫さ、頼まれなくても死にたくはねえよ」

「そりゃあそうだね」


 苦笑するフィンに、俺もまた。


「お前も生きて帰って来いよ」


 すると、フィンは目を丸くした。

 なんだ なにかおかしいことを言ったかね。


「いや、あんまり他人に心配されることに慣れていないんだ。君は……本当に不思議な人だね。まるで別の世界からやってきたみたいだ」

「はっはっは、なにを言っているんだフィン。そんなわけがあるはずないだろう」

「女神に選ばれた賢者がこの地に舞い降りるという伝説があるんだ」


 え? あるの?

 俺は足元をうろちょろしている猫ミエリを見下ろした。白猫はわれ関せずとばかりにぺろぺろと手を舐めている。ううむ。


「ま、今話すべきことではないね。すべてが終わったらそのときはまたゆっくりと、話をしよう。君の得意なパンでもかじりながらね」

「……俺は肉がいいけどな」


 フィンと握手を交わす。彼の手はそれほど大きくはない。なのに、これがたくさんの人々を救っていったS級冒険者の手なのだ。

 俺たちは互いに振り返り、そうして腕を掲げた。


「行こうか、みんな」

「行くぜ、お前たち」


 遠方から風にのって、男たちの鬨の声が轟いてきた。

 手順の1が始まった。

 すなわち、騎士団たちが正門から打って出たのだ。




 さて、馬車の中にいるのは俺たちだけではなかった。

 この街にいまだ残っていた冒険者さんたちが俺たちに力を貸してくれるのだ。

 ていうか俺が、俺たちだけでは心もとないとランスロットに頼み込んだのだ。


 俺は慎重だからな。六人も仲間を借りてしまった。


 と、B級やC級の冒険者たちは馬車の端っこでわいわいがやがやとしている。

 その中のひとりが俺を見て、やってきた。


「リーダー! きょうはよろしくお願いしやす!」

「あっ、リーダー! 俺っちもがんばります!」

「生きて帰りましょうね、リーダー!」

「イエス! リーダーキャン!」


 そいつらを見返し、俺は眉根を寄せた。


「なんでお前ら同じ格好をしているんだ……」


 揃いも揃って黒い鎧を身に着けている集団だ。頭にはバケツのような兜をかぶり、そうして一切肌を出していない。学校指定の制服のように、腰に提げた剣まで一緒だ。

 六つ子のような冒険者どもは、お互いを見合って笑った。


「はっはっは、まさか装備が揃うとはなあ」

「しょうがねえよなあ、これがイクリピアで一番の鎧だからなあ」

「そうだよなあ、町について金ためて一番いい装備買ったら、こうなっちまうもんなあ」

「Hahahaha!」


 そうか……。確かにそうだよな、RPGとかで一番いい装備を手に入れたら、お揃いになっちまうよな……。

 いつもは「個体識別番号ぐらいつけなさいよ、紛らわしいわ!」などと吐き捨てるキキレアだが、今はニコニコと微笑んでいた。

 ナルとふたりで「いい鎧だね!」「ええ、すてきね」と社交界のお嬢様みたいな言葉をつぶやいている。この戦いが終わったら取り壊しを予定されている建物に連れていって、思う存分手斧を振るわせてやろうと思った。


 とまあ、そんな六つ子と俺たちを乗せて、馬車はがたんがたんと進んでゆく。

 窓の外を見ると、もう少しで裏門のようだ。イクリピアの住人たちには避難勧告が出されていて、近くの大規模施設に集まっていることだろう。

 こんな世界で暮らす住人たちだ。怯えていたらしいが、しかし皆、騎士団のことを信頼して迅速に行動したと聞く。ランスロットはいい王子だな。


「……」


 ジャックは遠い目をして、窓の外を眺めていた。自分がこれから守ろうとする街を焼きつけるかのように。

 パラディンとなったジャックは、通常攻撃の強化だけではなく、相当に防御が硬くなったようだ。まあそれでもナルほどではないと思うが、期待させてもらおうじゃねえか。


 フィンたちが乗った馬車は裏門の手前でいったん止まる。それから門番が門を開き、俺たちの馬車は順々に通過した。

 門の外は田園地帯となっている。今はほったらかしで、ほとんど荒れ地のようなものだ。見通しがいいため、敵にも監視されているだろう。


 できれば本格的な交戦に入る前に、距離を稼いでおきたい。俺たちはこのまま、分かれ道に入るまで走り続けた。


 三本の魔法塔は、ちょうど三角形を描くように配置されている。建物自体がドクターの創り出した魔法陣なのだろう。よって、場所の特定はすでに済んでいる。

 俺は馬車の隅っこにドンと置いてある木箱を見つめた。


 そこには兵器が詰め込まれている。

 魔法都市イクリピアが開発した爆弾。名を爆晶ルビーボムと言う。

 使い方については一度習ったので大丈夫だ。


 俺たちは魔法塔に近づき次第、あれを起爆させて、塔をぶち壊すという算段だ。

 七羅将と無理に戦う必要はない。まずは魔法の力を取り戻すのが先決だ。


 と、そのときだった。


「どうかしたのかい? マサムネ」


 俺は顔を険しくさせた。ナルを見ると、彼女もうなずく。

 馬車の振動に、車輪の回転によるものだけではない不穏な感触が混ざっている。


「たぶん、気づかれたんだね。軍がこっちに向かっているんだと思う。合流まであとわずかじゃないかな」


 俺は【ダイヤル】を起動した。


「ユズハ、聞こえるか?」

『ああ、聞こえるぞ。なかなか便利なカードだな、これは』

「言っている場合じゃねえぜ」

『わかっている。ケンタウロスの部隊がこちらに向かっているのだろうとギルノールが気づいた。私たちは進路を変更し、彼らに打って出る。お前たちはこのままビガデスの魔法塔へ向かえ』

「了解」


 短く切って、俺は顔をあげた。

 馬車を走らせているのは、魔法騎士団のひとりで、名をチャーリーと言う。三十代も半ばに差しかかった、渋みある騎士のオッサンだ。

 俺は席を移動し、御者席にかかった布を開いて彼に話しかけた。


「進路はこのままだ、チャーリーのオッサン。ただしフィンたちは抜ける。あいつらは陽動の任務に移る」

「承知した」


 寡黙なオッサンは一言だけつぶやいた。

 フィンたちの乗っていた馬車はグングンと速度をあげ、左に進路を変える。それを見送って、俺はため息をつきながら馬車内に戻った。


 このまま何事もなく進めばいいんだが。

 ……でもまあ、そんなわけないよな。


 少ししたところで、ふいにひとりの男が叫び声をあげた。

 同じ鎧を身にまとった六人のうちひとりだ。


「うわああああ、もうだめだああああああ!」


 なんだなんだ、いきなりどうした。

 頭を抱えながら、そいつは震えていた。


「だめだだめだだめだ、このまま魔族に四肢をばらばらにされて殺されるんだあ! 骨までしゃぶられるんだあ!」

「おい、大丈夫か!」

「しっかりしろ、アレクサンダー!」


 周りの男たちが彼に次々と声をかけてゆく。

 めっちゃ強そうな名前をした男の震えは、どんどんと強くなっていった。


「くそう、アレクサンダーのやつ、ここで持病が出やがったか……」

「あいつは大事な戦いの前になると、いっつもビビっちまうからな……」

「ああ、普段はいいやつなんだけどな」

「卵料理を作るのも巧いしな」


 なんでそんなやつを連れてきた!

 卵料理とか今関係ねえだろ! コックでもやってろ!


「ていうか、俺もブルッてきたかも……」

「七羅将に挑むなんて、命がいくつあっても足りねえよ……」

「こわいよな、人生って……。なにが起こるかわからねえし……」

「先行き不安だよ、冒険者なんて……。老後の蓄えもないし……」

「oh…my god…」


 六つ子たちは身を寄せ合いながら、羊のようにぷるぷると怯えていた。

 待て、待て。B級やC級の冒険者ってこんなんなのか!?

 お前たちは大事な戦力なんだ。逃げられたら困る!


「ここは私に任せて、マサムネ」

「キキレア……」

「……そんな死ぬほど不安そうな顔をしなくても大丈夫よ。私は愛の使徒、プレシャスラブリー・キキレア。愛さえあれば、この世界はいつだって光り輝くわ」


 前に言った名前を忘れているキキレアは、胸に手を当てながらアレキサンダーの前に立つ。


「ねえ、あなた。なにを怖がっているの? 心配しないで、この作戦はきっとうまくいくわ。大丈夫、私たちがついているじゃない!」


 誇らしげに胸を張ると、しかしアレキサンダーは黙り込んだまま。

 ちら、とナルのほうに一瞬首を動かして、そしてまたうめく。


「うう、こわいよお、こわいよお、死んじゃうのはやだよお」


 キキレアのこめかみに怒筋が浮いた。


「ちょっと待って、あんた今ナルのほうを見たわよね? なにそれ、私じゃ不服だっていうの? ねえ、愛よ、愛。私の愛が信じられないっての?」

「やめとけ、キキレア。宗教の押し売りみたいになっているぞ」

「ええ!? 人が下手したてに出てあげたら調子に乗って! なんなの! 信じる者は救われる! 信じない者は指の骨を一本ずつ折って地獄に叩き落としてやるんだからね!」

「やめろ! やめとけ! お前には無理だったんだキキレア!」

「放しなさいよマサムネ! 放せー!」


 羽交い絞めにしたキキレアが、鬼女のように怒り狂っている。

 そのさまを、六つ子たちはまるで七羅将を見るような目で見つめていた。


「私はフラメルさまの信徒なのよ! それなのに、あんたたちなんか地獄の炎で燃やし尽くしてやるんだからねー!」


 一週間の修業とはいったいなんだったのか。

 ボロが出るまで十五分程度であった。


 ちなみに六つ子たちのメンタルは、ナルが順番に「よしよし、大丈夫だよー、あぶぶー」と頭(ていうか兜)を撫でて回ったら、みるみるうちに快癒したのであった。


 もうこれ、ナルが炎魔法覚えたらいいんじゃないかな。



 そして馬車で走ること一時間近く。

 俺たちは早くも、ビガデスの魔法塔の前までたどり着いたのであった――。




 まさかこんなにうまくいくとは思っていなかったな。

 いや、それだけ魔法騎士とフィンたちが相手を引っ張ってくれたってことなんだろう。


 辺りにはいつしか、分厚い雲が立ち込めていた。昼間だというのに、まるで陽が落ちたように暗い。道はすでにとぎれとぎれ荒野になっていて、その先を見通すのも難しかった。


 だが、夜目に優れたエルフ族のナルと御者席に座るチャーリーは確かに、薄闇の先に巨大な塔が建っているのを確認したようだ。

 よしよし、あとは爆弾を設置して塔を破壊すればいいだけだ。


 護衛の兵士たちはすでに、フィンが攻めたドクター・ゴグの塔に向かって出払っているようだ。

 迅速な行動で素晴らしいぞ、ビガデス軍。さすが七羅将の中でももっとも速いとされる獣族の軍団だ。


 さ、それじゃあ塔をぶっ壊させてもらおうかね。


 そのとき、ズシンという巨大な音が地面から響いてきた。

 馬がいななき、急停止する。慣性の力が働き、俺たちは馬車の中で思いっきり前方に身を投げ出された。


「うおう!」

「ま、マサムネくん!」


 ナルが座席に手をつきながら俺の体を引っ張る。おかげでなんとか事故は免れたが。

 ジャックは壁に足を付き、キキレアもまたなんとか椅子にしがみついていた。六つ子はみんな外にぶちまけられていた。重いしなあいつら。


 しかし、いったいなにが――。


 窓の外に顔を出す。俺とナル、そしてジャックとキキレアが反対側から顔を出してみると、そこには。


「何者、お前。ここ、俺、守る」


 真っ赤に目を輝かせた巨大なイェティのようなモンスターが両腕を振り上げて、威嚇するように歯を剥き出していた。

 鍛えられた戦馬をビビらせたのは、こいつだ。


 七羅将がひとり、獣の王、『巨氷のビガデス』――。


 出てきちまったか……。

 俺たちのステージのボス。


 巨大な咆哮が轟くとともに、馬たちは倒れていった。気を失ったのだ。

 馬車から飛び出した俺たちを睨みつけ、ビガデスはこちらに向かって一歩を踏み出してきた。


「お前たち、皆殺し。俺、容赦、しない――!」


 ま、問題はない。

 こいつが現れるであろうことは、予測済みだ。


 俺は腕を振り、叫び返す。


「かかったな、ビガデス! 七羅将など恐るるに足りず! 雑魚めが! ここがお前の墓場になるだろう!」

「なんだと――」


 威圧的な吐息をまき散らすビガデスに、ささやくように。


「って、あいつらが言ってました」

『えーーーー!?』


 六つ子を指して、そう告げたのであった。


 頼んだぞ――おとり


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