第36話 「イクリピアでビッグになろう」
「よし、じゃあさっそくデュエルをするか」
「誰がするか!」
俺とユズハは訓練場で向かい合っていた。
「て、お前が俺を強くしてくれるんだろ?」
「そのつもりだが、デュエルはやらん。あんな目に遭うのはもうこりごりだ……」
光を失った瞳で腹をさするユズハに、俺は首を傾げた。
「俺を強くしてくれるということは、つまりお前が俺のために取得したカードを貢いでくれるというわけでは……?」
「きょとんとしているんじゃない! ンなわけがあるか! 意外そうな顔をするな!」
唾を飛ばすユズハは、半眼になった。
「だいたい、お前は私の大切なキーカードである【ディベスト】を奪っていったじゃないか……。あれだけでも私には大損害だったというのに……」
「ディベスト……」
そういえばそんなカードもあったな……。
ユズハからいただいて、それ以降一度も……。
「……まさかお前、その存在を忘れていたわけではないだろうな。私の大切なものを奪っておいて……」
「いやあ、デッキはなんでも相性ってものだろ? 使う機会がなくってさあ」
「お、お前……! だったら返せ、さあ返せ! 今すぐ吐き出せ!」
「ばか、やめろ! 一度いただいたカードは俺のモンに決まってんだろ!」
「もともとは私のカードだー!」
取っ組み合いのケンカを始める、俺とユズハ。
その様子を眺めていたフィンが、他人事のようにつぶやいた。
「なんだか、君たちちょっと似ているね……」
『どこがだ!?』
その日は解散となり、訓練は翌日に持ち越された。
俺は改めてジャージのような訓練着に着替え、ユズハのもとに向かう。
訓練場は昨日と違い、人の姿がない。フィンなどは己の修業へと戻ったのだろう。
が、俺とユズハの間には、先日とは異なる小さな闖入者がいた。
「にゃあにゃあ」
猫ミエリだ。
暇なんだなお前。
「な、なんだこの猫は……」
「気にするな。ただの暇猫だ」
「にゃあ!」
不満そうに一鳴きするミエリ。
そんな白猫のもとにひざまずき、ユズハは目を輝かせた。
「か、かわいい! かわいいじゃないか! 圧巻のかわいさだ! ほ、ほら、こっちにおいで! 撫でさせてくれ! ねこ、ねこ! ねこ~!」
「お、おう」
ユズハが発狂している。
なんか急に口元が緩んでいるし……。
猫におそるおそる手を伸ばすユズハ。
ミエリはまるで貫禄を見せつけるように「おさわりしたいんか? ええで」とばかりのドヤ顔で、ユズハに背を撫でさせていた。
って、そういえば。
俺はとろけきった笑顔のユズハに尋ねる。
「ふぁぁぁ……柔らかい……、もふ、もふもふ、もふもふもふもふもふ……、ねこかわいい、ねこかわいい、ああかわいい、ねこかわいい……」
「お前、フラメルはどうしたんだ? 一緒じゃないのか?」
「ねこかぁいい……かぁいいよぉ、ねこぉ、ねこぉ……」
「だめだこいつ」
もう猫以外のなにも目に入っていないようだ。
放っておくとそのまま何時間でも何年でもミエリをモフモフしていそうなので、ミエリをつまみあげる。
「ああっ、ねこぉ!」
「わかったわかった。あとでいくらでも触らせてやるから。まずは俺の話を聞け」
「……うむ、久々の猫成分を吸収できた。本当にありがとう、マサムネ。だからあとでまた撫でさせてくれな」
「お、おう」
こいつにこんな素直にお礼を言われる日が来るとは。猫おそるべし。
ナルばりに輝かしい笑顔を浮かべていたユズハは、こほんと咳払いをする。
「フラメルさまはこの街に不穏な気配を感じたため、私だけがここにやってきたのだ。闇の力に包まれているところに女神が近づくと、人間の姿を保てなくなるそうだからな。ま、あくまでもそんな事態は万が一。よっぽどうかつなポンコツ女神でもない限り、そのような罠には引っかからないだろうと言っていたが……って、痛い、痛いぞ! どうして急に爪を立てるんだ、猫ちゃん!」
「気持ちはわかるが落ち着け、ニャン太郎」
フーッと威嚇するミエリ。ユズハはひっかかれた場所を見下ろして、しかしやはりにへらと口元を緩めた。ひっかかれたことすら嬉しいのだろう。ダメだなこいつ……。
「いいから始めようぜ、ユズハ」
こうしている間にも、ナルは兄のギルノールと。キキレアはパチェッタと。そしてジャックはハンニバルと修業を続けている。
張り合うつもりはないが、あいつらが俺より先をゆくのは許せない。
いい顔なんてさせてたまるか……!
俺の目を見て、ユズハはうなずいた。
「ああ、わかった。どうやら本気でこの街を救おうとしているらしいな。それでこそ私を破った男だ。手を貸そうではないか」
なにか大幅に勘違いしているようだが……、まあいいか。
ユズハは己の手にバインダを呼び出した。
「いいか? 私たちが使っている覇業カードの種類は、スペルカード、クリーチャーカード、トラップカードの三種類だ」
まずは覇業の説明か。
「そうだな、カードの属性の物質や変質などは、カードの性質を現すものだしな」
「お前のカードを見せてみろ」
「ん、いいだろう」
俺はバインダを開く。
こうしてみると、結構な数を集めたもんだな。
種類別にまとめてみよう。
・スペルカード
パン
ホール
マサムネ
ピッカラ
タンポポ
レイズアップ
オイル
マシェーラ
ダイヤル
ダブル
ロックオン
トランス
スマイル
ディベスト
エナジーボルト
ホバー
クロワ
バゲット
・クリーチャーカード
インプ、
ゴーレム
・ブレイブカード
ラッセル
「ほぼすべてがスペルカードだな……」
「まあなー」
集めに集めたもんだぜ、クソカードばっかり。
デッキバランスとしては最悪だな。
っていうか、スマイルってなんだ……。手に入れたのもすっかりと忘れていたぜ……。
クリーチャーカードも、ユズハから強奪したふたつだけだしなあ。
「ん……? このブレイブカードっていうのは、なんだ?」
「ああそれは」
説明しかけて、俺はとまる。
「ユズハ、知らないのか?」
「いや、見たことはないな」
「お前、この世界に来て人の死に立ち会ったことはないのか?」
「最前線で魔族の連中とやりあっていたんだぞ。ないわけがないだろうが」
「ふむ……」
俺は口元に手を当てた。
「じゃあ俺だけが使える特別な覇業なのかもしれないな」
俺がそうつぶやくと、ユズハは余裕気な笑みを浮かべた。
「いや、まだ私が見つけ出していないだけだろう。お前だって私に会うまでクリーチャーカードすら見たことがなかったんだからな」
「まあ、そうかもな」
俺は曖昧にうなずく。そうして尋ねた。
「だったら、お前はトラップカードなんて持っているのか?」
「ああ、あるぞ。こういうものだな。……オンリーカード・オープン、【ピット】!」
すると、ユズハの持っていたカードが地面に吸い込まれてゆく。
ほほう。
うっすらと地面が歪んでゆくのが見えた。魔力が渦巻いているのがわかる。
「面白いな、踏むとどうなるんだ?」
「身をもって味わうか? 大丈夫だ、死にはしない」
「そうだな、やってみよう」
「なにっ?」
と言いつつも、俺は慎重な男マサムネ。そのような愚行を犯すはずがない。
なので、代わりに近くで日向ぼっこをしていた野獣、ミエリを投げ込むことにした。
「そーれ」
「に゛ゃっ!?」
「!? お猫様を! 危ない!」
ずざぁぁぁという勢いで、ユズハはヘッドダイビングをかました。
頭からすべって――そして【ピット】のワナに引っかかる。
直後、そこにぽこりと穴が空いた。
「きゃー!」
やけに女の子らしい悲鳴をあげながら落ちてゆくユズハ。一方、ミエリは自分の足で地面に着地していた。落とし穴の前にとことこと歩いていって、心配そうに「にゃ、にゃー……?」という声をあげる。
「なるほどな、立ち入ると落とし穴を作り出すトラップカードか。確かに持っていたら便利そうだな。俺には【ホール】もあるが、それとは違う使い方もできそうだ」
落ち損のユズハはなんとか這い上がりながらも、うめく。
「そ、そうだ。【ダブル】と組み合わせることによって、さまざまな効果を持たせることも可能だ。戦術の幅が広がるだろう」
「間違いないな」
俺は顎をさする。
スペルカード、トラップカード、クリーチャーカード。
その中で今、一番必要がないのは、間違いなくクリーチャーカードだ。
七羅将に通用するだけのファッティなクリーチャーカードは、当然すさまじいコストを消費するだろう。
だが、俺の魔力容量は恐らくそれほど大きくない。レイズアップのゴーレムでたやすく尽きかけてしまうほどだ。
一度クリーチャーをぶつけて、それで倒せなければそのまま敗北するだなんて、そんなイチかバチかの戦い方は好きではない。
だったら、俺はもっと小回りの利くカードがほしい。
そう言うと、ユズハは驚いたようだ。
「クリーチャーカードは、すべてのカードゲームの基本だろう? それがないのに、どうやって相手に勝とうっていうんだ」
「ん、まあ」
俺は言葉を濁した。
いぶかしげなユズハから顔を逸らし、どう言おうかと迷う。もちろん言う必要はないのだが、しかししらばっくれるのもなんとなく違うだろうと思い。
結局俺は皮肉げに、そしてぶっきらぼうに告げた。
「俺には自分で勝手に強くなってくれるクリーチャーカードが三枚あるんでな。だから、もう事足りているんだよ」
「ほう」
ユズハはその言葉の意味を真正面から受け止めた。
「いいカードだな。大切にしてやるといい」
「お前に言われるまでもねえよ」
「ふふっ、そうだな」
笑いながらユズハは、俺に手を差し出す。
「だったら渡した二枚のクリーチャーカードを」
「ん」
「返してほしいのだが」
「さ、修業の始まりだな! やったるでー!」
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
カードのドロップには法則性があるのだと、ユズハは語った。
俺は城の廊下を歩きながら、うなる。
「そりゃそうだろうけどよ……」
より強い生物から得られるカードのほうが、よりコストが高い。
ギルドラドンなんて、三枚ドロップしてくれたからな。
また、本人の成長によって目覚めるカードは、本人のレベルに依存するため、自分が強くならない限り一向に得するカードは得られない。
「だからクロワッサンとかフランスパンばっかり生み出されるのか……」
俺のレベル、どんだけ低いんだ。
すなわち、俺が新たなる『使える』カードを手にするためには、より強い人間からカードをせしめないといけない。
幸いにも、このイクリピアは困っている人間だらけだ。
俺は心当たりのある場所へと向かっている。
S級冒険者の槍使い。ランクスのいる場所へ。
というわけで、城の医務室だ。
そこでは多くの女性たちが、せわしなく走り回っていた。
さながら戦場のようだ。
「はー、もう忙しい忙しい!」
「ほとんど魔法が使えないから手当も大変ねえ!」
ううむ、大変そうだ。
ちらりと中を覗いて帰ろうかな。
部屋には、騎士たちがたくさん詰め込まれている。みんな怪我人だ。どこかで大きな戦いでも起きたのかもしれない。
ま、国が魔族に取り囲まれている状況だからな。
現状、イクリピアの主力の魔法騎士団はこの国にとどまっている限り、魔法が使えない。
だったら打って出るしかないのだが、魔族たちは次から次へと散発的な攻撃を仕掛けてくる。
というわけで、魔法騎士は慣れない武器や弓を使って、応戦しているという状況だ。
大変だよな、魔法使いの通常攻撃ってめっちゃ弱いもんな。
「あんまりムリはしないでくださいね、ランクスさん」
「ああ、わかってるっつーの」
おっと。
話し声だ。
ひとつはランクスのものだろう。
そのベッドの近くに、赤髪の剣士の背中が見えた。
フィンか、見舞いに来ていたんだな。
「きょう、補充のS級冒険者の方が来ました。だから、しばらく休んでいてもらって、そうして傷を癒してください。よくないんでしょう? その腕」
「……なんでもお見通しだな、お前さんには」
えっ?
俺はとっさにカーテンの影に隠れてしまった。
ふたりの声が聞こえてくる。
「ビガデスの力は本物だ。俺の盾でも防ぎ切れなかった。油断するなって、あのボウズたちに言ってやってくれ」
「わかりました。くれぐれもお大事に、ランクスさん。腕が治ったら、また一緒に冒険しましょうね」
「そうだな、そんな日が来るといいな」
やばい、フィンがこっちに来る。
俺は慌てて身を隠そうとしたが、しかし遅かった。
「……マサムネさん?」
「悪いな」
俺は頭をかく。
ふたりで廊下に出ると、フィンが苦笑した。
「なんだか君は不思議な男だね」
「どういう意味だよ、それ」
「ちょっと言葉にするのが難しいな。とらえどころがないというか、そうだね、君はすごく自由に見える」
「お前だってS級冒険者さまだろ? 好きなことをやっているんじゃねえのか」
「こう見えてもしがらみが多いんだよ。人類の希望も背負っちゃっているからね」
「はあ」
フィンの横顔はどこか哀愁を帯びているように見えた。
年は俺と同じぐらいのはずだが、よくわかんねえな。
「それより、ランクスはどうしたんだ? 腕、ひどいって言っていたが」
「……かと思えば、人の心配をしてわざわざここまで来たりする。本当に不思議な人だね、君は」
「いやまあ。お前たちが来てくれなかったら、俺たちは死んでいたわけだしな」
ふふっ、とフィンが笑った。
まるで仲の良い転校生を見送るような、その瞳には惜別の色が浮かんでいた。
「ランクスは自分の使命を果たしたんだ。仲間を守るという使命をね。彼の想いは僕に引き継がれた。これがまたひとつ、しがらみが増えるということさ」
「……どういうことだよ」
「作戦決行まであと四日。お互い、がんばろうね」
フィンが俺の肩をぽんぽんと叩いた。
そうして廊下を歩き去ってゆく。
俺はその背中を見送った。
マントに覆われたフィンの背中は、なぜだかとても大きなものに見えた。
「お、ボウズじゃねえか」
「どうも」
ベッドに寝転んでいた大柄な男に、俺は頭を下げた。
ま、ここまで来て帰るのもシャクだったからな
「ほら、見舞いのだ」
「おう、わざわざ悪いな。ええと、これはパンに、これもパンか。で、これも……パンなのか」
バスケットに入ったコッペパンとクロワッサンとフランスパンを見下ろして、ランクスはわずかに眉をひそめた。
が、すぐに男臭い笑みを浮かべる。
「ベッドに寝てばっかりっつーのは暇で暇で仕方ねえ。来てくれて助かったぜ」
「なあ、オッサン、体つらいのか?」
「ああ? 俺様を誰だと思ってんだよ。俺様は『堅城のランクス』。ギガントドラゴンの突進だって止めてみせるぜ」
「そりゃ大したもんだ」
ランクスは己の胸を強調するようにどんと叩く。
「任せな。で、特訓は進んでいるのか?」
「まだほとんど成果はないな」
「あのギルドラドンを倒したんだろ? お前には期待してっからよ」
「よく知っているな」
「ああ、昨日はパチェッタの嬢ちゃんが。きょうはギルとフィンが来やがったよ。城のみんなもお前さんたちには期待しているらしいじゃねえか」
「正直に言えば、荷が重いね」
「んだよ、今からそんな態度でどうすんだ」
そう言われてもな。
だがそのとき、ランクスの顔から表情が抜け落ちた。
「……俺様が守ってやれりゃあ、よかったんだけどよ」
先ほどからランクスの左腕はぴくりとも動いていない。
俺は目を逸らさず、ランクスを見つめた。
「なあオッサン。心配すんなよ」
「……ああ?」
「オッサンは万が一俺たちが負けたときのために、このイクリピアでゆっくりと傷を癒しておいてくれ。あんたがここで元気にしていりゃ、寝込んでいる騎士たちも少しは安心だろうよ」
そうだ、何事にも保険は必要だ。
ランクスは壁に立てかけてある巨大な槍を見やった。
病室に似合わないそれは、オッサンの得物だろう。
鋭く尖っていて、スピアというよりは、馬上騎士が扱うランスのようだ。
ナルの矢にも匹敵するほどの重量感である。
「……だが、俺様の左腕はもう動かねえんだよな」
「それがどうしたっていうんだよ」
「ど、どうしたって、ボウズ、お前」
ランクスは目を丸くした。
俺は両手を広げて、告げる。
「左手がだめなら、右手で槍を振るえばいいじゃねえか、オッサン」
「だがそれでは、七羅将を倒すほどのことは!」
「それは俺たちがやる。代わりにあんたは、俺たちにできないことができるだろ。ここにケンタウロスの軍団が攻めてきたら、そいつを蹴散らしてくれよ。だったらたくさんの人を助けることはできるだろ?」
「お前……」
ランクスはぽかんと口を開いていた。
HPが削られてしまって傷ついたクリーチャーカードだって、役目は必ずある。
弱体化されて、コスト本来の攻撃力を発揮できなくなったカードもそうだ。
人類と魔族という大きなカードゲームの中で、一線を退いたとは言え、ランクスの仕事がなくなったわけでは絶対にないのだ。
「なあ、ランクス。お前がここで休んでいることだって、七羅将と魔王を倒すためには必要なことだ。そうは思えないか?」
「……こいつは、驚いたな」
ランクスはぽりぽりと頭をかいた。
「ただのボウズかと思っていたら、ずいぶんと大層なことを言うやつだったんだな」
「気を悪くしちまったんだったら、すまないな」
「いいや、逆さ。驚いたぜ。お前はずいぶんと大局を見据えているんだな。まるで――賢者みたいさ」
「そうかね?」
そう言われると、むずがゆいな。
俺はただカードゲームになぞらえただけだってのに。
次の瞬間。
俺の視界の端に、きらりと光るものが見えた。
……あれは。
「なあ、ボウズ。無事この作戦が終わったら、戻って来いよ。そうしたら酒でも一緒に飲もうぜ」
「そうだな、ランクス」
俺は槍に近づく。
そこに突き刺さっている一枚のカードがある。
「いい槍だろう。そいつは『オルトロス』。夜明けを意味する名さ」
「なるほどな、いい槍だ。少し借りるぜ、ランクス」
「あ? 持っていくのか? お前さんが振るうには、ちょいと大変なもんだと思うが」
「いや」
引き抜いたカードを見やる。
そこには【オルトロス】の名。
光が俺の手に絡みつき、そしてこの腕の中に収まってゆく。
口を開いたままその光景を見つめていたランクスに、俺は告げた。
「借りるのは、この槍の魂さ」
ナルやキキレア。それにジャックもおのおのがレベルアップする。
そして三日が経過した。
いよいよイクリピアを救うための、作戦決行の前夜がやってきたのである――。




