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崎裏町の怪異  作者: 齊藤
夜見坂トンネルの呪い
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夜見坂トンネルの呪いの証言

アユミの家へ着くとやたらと歓迎された。 私とアユミの家は親戚関係にあるらしく、昔から親しくしている。 どういう繋がりなのかよくわからない程度の遠い親戚なのだけど、交流が途絶えたことはない。 とは言うものの、私が泊まりに来るのはもう五年ぶりくらいになるので、アユミの祖父母は私を見て美人になっただの昔はヤンチャだっただのと話に華をさかせた。

私はその話を一方的に聞いていたが、三十分もして話すことが尽きてきたのを見計らって事故の件を尋ねた。

「あの、今日は爺ちゃんにちょっと尋きたいことがあるの。 トンネルのところで爺ちゃんが巻き込まれた事故のことで。 あそこは六月初旬に集中して事故が起こってるってことは知ってるよね?」

「このあたりじゃ有名な話だし、あの道は市道だから市役所でもちょくちょく話題になるからな」

アユミの祖父は市役所の職員なのだ。

私は、今日発見した太陽の位置関係を説明した。

「で、あの事故のときに爺ちゃんはそれらしい何かを見た覚えない? 何か変なところに光が反射したとか」

「そう言うてもな…。 (わし)にしてみれば、前から来た車が車線をはみ出してきたというだけなんでな」

「そもそも、その追突ってどうして起こったの? 交差点とかでもないし、あんなところで追突するような原因とか無さげだけど」

「おう。 現場検証の時の話じゃ急ブレーキ踏んで後続車両がぶつかったとは聞いた。 何でも、トンネルの前に急に人影が見えたんだと。 そんな人影があったかどうか尋かれたんだが、儂は特に何も見ておらんな。 警官が言うにはその前の事故のときも同じような状況だったとかで悪質な悪戯(いたずら)の可能性もあるとか言うとった。 その車は八十キロくらい出とったらしいんで、もし悪戯(いたずら)なら危いことするもんだ」

確かにそんなギリギリな状況で自動車の進路にあえて立つなんて危険すぎて悪戯(いたずら)の域を越えている。

考えを廻らせていると、蒼白になったアユミが発言した。

「その人影って幽霊じゃないかな。 やっぱり呪いなんだよ」

やれやれ。 折角落ち着いたと思ったのにまたこれか。 その後は寝るまで私から離れなくて困った。 トイレにまで付いてこいなんて幼児かっての。

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