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第十九章、決心

この物語はフィクションで、登場する人物や建物は実際には、存在いたしません。

尚この技は架空であり、実際に物理的に出来る技では有りません。

ここはカナダのアルバータ州エドモントン。



ノース・サスカチュワン川の渓谷沿いに開けた近代都市。



川沿いに近代的な建物がある街で、



郊外には夏になると、美しい新緑が広がる街である。



無論スケートのメッカで、ショッピングモールの中に、



大きなスケートリンクなども完備されている程、



やはりカナダはアイススポーツが盛んであった。



竜彦と玲菜はこの地に降り立ち、



玲菜の故郷を満喫する事になった。



母静香は亡くなった夫との思い出が蘇るのを拒み、



改めて玲菜と竜彦が結婚後に、この地を訪れる事を決めた。



従い竜彦と玲菜は昔両親が営んでいた、



今は亡くなった玲菜の父の兄が経営する、不動産に足を運んだ。



その店舗に辿り着くと、親戚の兄が連絡を受けて待っていた。



久しぶりの弟の娘との再会に、篤い包容を交わし玲菜は片言の英語で、



フィアンセの竜彦を紹介すると。



伯父は竜彦を歓迎した。



伯父ロバート、「君が玲菜のフィアンセかい。



何だか亡くした弟を思わせる様な体格だね。



やはり母親同様昔はワルが、好きと見えるな玲菜も」と、笑った。



今は落ち着いた竜彦だったが、



ロバートは何気なくそう感じた様であった。



玲菜は幼い頃はカナダにいたので、差ほどでは無いが、



英語が理解出来ていた様で、「母によく言われます」と、



答えるとロバートは、「やはり辛い事が有ると、



慰めで玲菜もフィアンセに、



流した涙を飲んで貰うのかい」と、冗談を言ったつもりだが、



玲菜は俯き、「母も私と同じ事をされたのですね」と、はにかんだ。



ロバートは大笑いで、「それは君達親子の宿命だな。



昔弟も言っていたよ。



『泣いている静香を見ていると、溢れる涙を飲んで上げたく成る』と。



『そうすれば俺も静香の気持ちが、伝わると思ったから』とな」。



玲菜はその事を竜彦に伝えると、



竜彦は微笑み、「俺は一生 バイクに乗るのは止めるよ。



なるべく丈夫な四輪駆動車に乗る事に決めたよ」と、



語ると玲菜はその事をロバートに告げた。



ロバート、「その方が賢明だな。



弟のケントもそんな風に聞分けが良ければ、



今頃ここの椅子に座って居たのに」と、後悔していた。



玲菜はその事を、竜彦に伝えると竜彦は、「俺が聞分けが良くないと、



玲菜は更に困るだろ。



聞分けが無いのはあの女で十分だろ」と、裕子の事を批判した。



すると玲菜は、「聞分けが無いばかりに、



横浜中の人達を巻き込んで置いて、



それでも気づかないあの人は、もう手に負えないの」と、悩んだ。



竜彦、「お陰でカナダまで逃避行だな。



まあお陰で纏わり付くしつこい奴から、開放されたけど。



母親の身の安全は確保出来ているから、



少し二人で癒されるとしようぜ」と、慰めた。



玲菜はその時、少し笑みを浮かべたのであった。



しばらく竜彦と玲菜は、ここでお世話に成る様で、



不動産を経営しているロバートだけに、



一軒家を借りる事が出来た。



そこは昔玲菜が住んでいた自宅で、



まだそのままの形で残されていた。



十四年間まったく入居者も無く、



父親が羽振りの良い時に新築で立てた家は、



とても広く、その時の暮らしぶりを伺わせる様に、



居間には大きな暖炉そして、



キッチンは大型のオーブンが備え付けられていた。



親戚の娘がフィアンセを連れて、しばらく住むと言う連絡で、



伯父夫婦が生活質需品を、揃えてくれていた。



要約玲菜は怯える生活から開放されて、



竜彦との暮らしを、満喫する事が出来る様であった。



静かなカナダの郊外にある一軒家は、



車庫付きで、車庫の中には伯父の計らいで、



大型の車とその片隅には ハンドルがもげた一台の、



大型バイクが置かれていた。



それを見た竜彦は、徐にそのバイクに跨った。



その時、何気なく竜彦は、「玲菜、今お父さんの思いが今伝わったよ。



『この子を守って遣ってくれ、



俺みたいに愛する者を、路頭に迷わさないでくれ』とね」。



その時、玲菜はそんな竜彦に、



「聞こえたの、お父さんの声が」と、尋ねると竜彦は、



「ああ聞こえたよ、俺に玲菜を授けたと。



君なら玲菜に相応しい、俺は世界一 玲菜を守り貫ける男を選んだ。



俺の愛した静香を、そして掛け替えの無い娘玲菜を、



君が守って遣って欲しい」。



普段自意識過剰に成らない竜彦のその言葉に、



信憑性を感じた玲菜は、その言葉を篤く受け止めた。



そして竜彦はバイクから降りて玲菜に、



「お父さんは何時も、あの世で玲菜を見ている。



ずっと側に居るよ。



だから打ち勝って行こうぜあの女に」と、励ました。



そんな竜彦を頼もしく感じた玲菜は、



竜彦に寄り添い未来を夢見るのであった。



自宅に荷物を置いて、玲菜が幼い頃通っていた、



近くのスケートリンクを訪ねる事にした玲菜は、



リュックにユニフォームと、スケートシューズを入れて、



スケートリンクに竜彦と一緒に足を運んだ。



そこは横浜の大滝スケートリンクよりも、



五倍は広く明るく施設内も新しく環境も整っていた。



やはり当時と変わらぬ様子で、



幼い子供達がスケートの練習に励んでいた。



その指導に当たっていた女性に、玲菜が声を掛けると、



もう大人に成ってしまった玲菜に気づかなかった。



そして玲菜が自分の名を告げると、



驚いて篤い包容を受けたのであった。


そして玲菜は、幼い時に指導を受けた、



最初の女性コーチ、アレン・エドワーズに、



簡単にカナダに来た事情を説明すると、



アレンは驚いて即控え室に玲菜と竜彦を招いて、



詳しい事情を聞いてくれる事に成った。



そしてコーチは、「玲菜が日本に母親と帰国してから、



まだスケートを続けていてくれた事は嬉しいけど、



そんな酷い仕打ちに遭っていたなんてショックよ。



それにコーチと言う者は、



例えそのコーチが元日本代表選手であれ、



自分が選手よりも目立ちたいなんて、



思っているコーチは始めて聞きました。



過去に実績が有る偉大なコーチで有ったとしても、



その身を公から伏せているのが常識です。



増してや選手を使って自分が、



フィギュア界に君臨しようなんて、



聞いた事も有りません」と、



嘆くと竜彦、「アレンさんそのコーチのお陰で、



今横浜では大変な事になっていまして、



裕子コーチが玲菜を追い掛けた事で、



玲菜はその身を寂れたスケートリンクに隠し、



そこで玲菜が編み出した神業を、



僕の親友や知り合いがサポートする事で、



向上させた結果、巷では妖精と呼ばれる程、



神技が人々に感動を与え、それを画家で在る僕が、



描く事で日本中に玲菜の名が轟きつつ有るんです。



しかし裕子の悪評も巷では広がっているのですが、



そのまま放っておけば必ず、



裕子は玲菜の熱狂的ファンに、



暴行されると思われます」と、



懸念すると玲菜はその事を、アレンに通訳した。



アレンは親身に成って、その玲菜に置かれている現状に思案した。



アレン、「実は当時の冬季スイスオリンピックで、



金メダルを獲得したのはこの私なの」と、



告げると玲菜と竜彦は知らなかった様で驚いた。



アレン、「彼女は惜しくも四位の成績で終わったまでは解るけど、



昔、彼女と同じくして私はオリンピックに向けて、



この地元カナダで練習に励んでいたわ。



十七歳の時に、地元カナダの冬季オリンピックで、



カナダ代表選手として出場した私は、



五位の成績で終わり日本代表として、



日本から出場した彼女は六位と、



低クラスながらも、肩を並べていた存在だった。



それから彼女は、急にカナダに一人でスケートの練習と称して、



この地を訪れて、朝から晩まで練習し続けていた。



私は専属のコーチが付いて、



心と体のカウンセリングを受けながら、



本番でも体の力が抜ける練習と、自分の潜在的能力そして、



感性を磨いて行ったの。



私も彼女にカウンセリングを進めたけど、彼女は聞く耳を持たず、



自分だけを信じて練習に励んでいた。



二年三年と過酷な練習の末、彼女は足に激痛が走る様に成ると、



医師の忠告も無視して、痛み止めの注射浸けで練習を行っていたわ。



その結果オリンピックでは、本来の力が発揮出来ずそれでも何とか、



四位の成績を残したけど、まさかその事で、



私の教え子を苦しめる結果になるなんて」と、悲しんだ。



その事を玲菜が竜彦に通訳すると、



竜彦は、「現役時代の彼女の目的は、一生アイススケーターとして、



メディアに取上げられたいと言う願いでしたが、



その矢先に彼女は、医師から惨い宣告を受けてしまい、



自宅にて引きこもり何年も病んだ末に、



もう彼女の名は世間から、忘れ去られた結果に成りました。



そして知り合いから助け出された結果、



玲菜と知り合い彼女を代表選手に伸し上げ、今度は選手としてでは無く、



世界一のフィギュアスケートの、コーチの座を勝ち取りたい、



そして世界フィギュア連盟に、その名を轟かせたいと考えています」と、



言い終えるとそれを玲菜が通訳をして、自分の意見も述べた玲菜。



「でも、先程アレンさんもおっしゃった様に、



そんなコーチは世界中で、聞いた事が有りません」と、



言った所でアレンが口を挟んだ、「彼女は玲菜を使ってメダルを取らせる。



それも銀や銅メダルでは、その名を馳せる事が出来ない。



玲菜に取らせたいのはたった一つ金メダル。



彼女は先程言っていた玲菜が編み出した、



誰もまね出来ない玲菜の神技を見てから、



金メダルの可能性を心に秘めた。



そして昔自分が行っていた様に、玲菜に過酷な練習をさせて、



そのコーチとして名を馳せたいと願った」。



玲菜、「一度その技を見て欲しくて、ここを訪れました」と、



告げると玲菜は着替えて、早速三人はリンクに向かうのであった。



玲菜は竜彦と出会った時に身に着けていた、



ノーマルの青いユニフォームでリンクに登場した。



アレンはリンクで練習をしていた、子供達をリンクから上げて、



玲菜はリンクの中央に滑って行くと、ポーズをとって軽快に滑り出した。



リンクの周りを軽快に数周回ると、



いきなり軽くトリプルアクセルをこなした。



その軽快な身のこなしに、子供たちは驚いて声を上げた。



すると姿勢を低く保ちシットスピンを行なうと、



続けてキャメルスピンを行ない、レイバックスピンに繋げた。



そしてイーグルからバタフライをこなして トウループ。



続けて フリップ滑走してサルコウ、 トウループ。



まったくぐら付かず、まるで引力が掛かっていない様な、



その安定感に子供達とアレンコーチは、



度肝を抜かれた様子であった。



そして片足を大きく上げ、ブレードを両手で掴んでビールマンスピン。



繋げてその足を肩に乗せてドーナツスピン。



その足を下ろすとレイバックスピンを繰り出した。



そして大技のアクセルスクリューをこなす為に、



リンクの角から中央に向けて滑走すると、



今度はバックモーションで ”ツー カン” と、



歯切れの良い金属音と共に、体が真横になり宙を舞った。



真横でスクリューの様に高回転で回った瞬間、



その人間技を超越した演技に、



子供達もアレンコーチも言葉を失ってしまった。



その調子でアクセルスクリューを三回こなすと、



リンクは静まり返っていた。



アレンコーチも目を丸くして、両手を口に押さえていた。



そして滑り終わるとアレンコーチの元へと、



滑って行った玲菜であった。



その人間技を超越した事に、見ていた子供達から、



「人間では無い」と、囁かれそして妖精だと、



口を揃えて叫ばれてしまったのであった。



一部始終玲菜の横浜での噂を、耳にしたアレンコーチは、



玲菜のその技を見て一言、「エルフィン、まさしく氷の上のやんちゃな妖精。



アイスエルフィンと呼ばれても、過言では無いわね」と、納得していた。



この時、幼い子供達からは、本当の妖精と信じ込まれた様である。



そしてもう一度、アレンと一緒に控え室に戻った、



竜彦と玲菜であったが、あまりのその華麗な演技に心引かれ、



アレンが指導している幼い子供達も、



控え室に全員付いて来てしまった。



子供達は皆不思議そうに玲菜を見詰めていた。



玲菜がソファーに座っていても、



先程の技を目の当たりにした子供達は、



本物の妖精だと思い込んでいる様で、



一人の 幼い女の子が、玲菜の所に恐る恐る近づき、



人差し指でそっと玲菜の頬を押した。



するとその女の子は驚いて、「おー」と、声を出して、



「柔らかい人間じゃないよ、



本当に妖精って居たんだ」と、感動していた。



すると幼いスケーター達が、



順番に玲菜の頬を人差し指で押して行くと、



皆同じ様に、「おー」と、声を出して、



「こんなに頬が柔らかい人間はいない」と、先入観に囚われた。



すると玲菜は微笑み、「サンキュー」と、感謝した。



だがアレンコーチはだけは、重苦しい顔をしていたが、



急に、「玲菜、しばらく私の側にいなさい。



いずれにしても今あなたは、即日本に帰れば裕子にとっても、



玲菜にとっても最悪な事態を招いてしまうはず。



あの子は昔から自意識過剰で独り善がりな性格。



それと当時から精神安定剤を服用してたわ。



多分今でも服用していると思うから、



今は強い薬ではないと、利かなくなっているはず。



つまり長年の服用の薬害で、平常心を失っていると思うから、



理に適わない事を、願う様に成ってしまったと思うの」と、



忠告すると竜彦は、



「実はその事で我々仲間も、同じ忠告を玲菜にしていまして、



もう彼女は正常な思考には、戻ることは無いと断言しています。



その代わり新しく玲菜のコーチを担当している、



僕の長年の女性の親友が、



玲菜を短期間でここまで技を磨かせました。



彼女は人材育成に対しては優秀で、



美容師でありながら、玲菜のカウンセリングを行い、



褒めながら彼女を支え、そしてここまで成長させました。



彼女は玲菜を心から愛し、素直に従う玲菜も彼女を愛し、



そのコンビネーションが功を奏して、



今の玲菜が立ち直り神技を、繰り出す事が出来ています」。



それを玲菜が通訳し、自分の意見も交えながら、「その事で、



周りにも多大な迷惑を掛けてしまっています」と、



悩むとアレンは優しく微笑んで、「玲菜、それは違うわ。



迷惑を掛けているのでは無く、皆あなたを愛しているの。



なので皆この柵を解いて上げたくて、あなたをサポートしているのよ。



最終的にはあなたの決心が必要なの。



でも優しい玲菜はまだ裕子を心の奥底では、



庇いたい思いが有ると思うの」と、



察知すると玲菜はその事を竜彦に伝えた。



竜彦、「その通りです。



玲菜は六歳で日本に帰国してから、



しばらくして裕子と知り合い、半分親代わりでした。



ですがその裕子は変貌を遂げてしまい、



玲菜の首にナイフを突きつけました。



普通ならばその時点で、裕子を玲菜が捨てるべきですが、



僕は玲菜の思いを尊重しています。



それは今まで僕に無かった、



耐えると言う事を彼女から学びました。



僕は彼女と知り合い変わりました。



それは力では解決しない事も有ると言う事です。



僕は彼女とは正反対に自分に降り懸かる柵を、



力で捻じ伏せ解決して来ましたが、



必ず誰かに恨まれ、更なる力で襲い掛かって来ます。



なので力で捻じ伏せる遣り方は、利巧では無いと気づきました。



それは彼女と知り合ってから学んだ事です。



なので彼女の思いを尊重し、僕と玲菜そして裕子と、



フェアーな立場で解決しようと思い、裕子と話し合いましたが、



裕子は玲菜を奪う事しか頭に有りません。



誰が怪我をしても玲菜の心が傷むだけです。



なのに裕子は玲菜を、奪う事ならば手段を選びません。



そんな彼女が悔しくて溜まりません。



玲菜は裕子を慕い二人三脚で、生徒をコーチして来た裕子に取って、



その恩を踏み躙る裕子を、言い聞かせる事が出来ず、



裕子自身もこれから最悪な事態を、



迎え様とする事を、気づかせ様にも気づかない。



俺も玲菜の裕子に対する愛情を、伝え様と努力しているのですが、



現役時代同様に自分本位な考えしか出来ない裕子が、



悔しくて溜まりません」と、胸の内を明かすと、



その辛い気持ちを抑えつつ、玲菜はアレンにその事を通訳をした。



するとアレンは、急に態度を改め切実な態度で、



「解りました。



でも今は私の支持に従って、しばらくはここで私と一緒に、



この子供達の指導に当たって下さい。



彼女を奈落の底に落とします。



二歳の頃から六歳に成るまで素直で、私の指導を忠実に聞いて、



基本を教え込んだ私の初めての可愛い生徒に、



そんな仕打ちをするなんて、最も許し難い行為です。



その子がこんなにスケートが上手くなるなんて、



私にとってもとても喜ばしい事。



それ故に裕子の失態が目に余ります。



どんな精神状態であれ未遂に終わったとしても、



彼女の犯した罪は殺人です。



それも交えて私が所属する、国際スケート連盟と協議して、



必ず彼女の悪戯を暴きます」と、強い決意で臨む覚悟を決めた。



だが玲菜は裕子との思い出が拭い切れず、寂しさを感じたが、



もう自分ではどうする事も、出来なく成ってしまった事態に、



戸惑いを隠せない様子であった。


あれから一週間が経ち、



この幼少期の思い出の地にやって来た玲菜は、



幼いスケーターと馴染みコーチをしていた。



昔帰国してから、幼いチームメイトにスケートの基本を、



学ばせた遣り方と同じ手で、



リンクの上で鬼ごっこをしていた。



玲菜が鬼になり子供達を追いかけると、



子供達ははしゃいで、リンクの上を自由に滑り回っていた。



すると熟成されたスケートで軽快に滑る玲菜は、



一瞬で複数滑る幼い子供達を、全て捕まえてしまった。



すると子供達は玲菜を批判した。



一人の女の子が、「ずるいよ、お姉ちゃんは妖精だから、



動きが早くて逃げられない」と、



文句を言うと玲菜は、微笑んで首を傾げてウインクをした。



急にその場で楽しそうに、くるくる回り出す玲菜。



すると子供達も同調して、リンクの上でくるくる回り出した。



そして玲菜は急に滑り出すとやはりそれに連られて、



玲菜に合わせて滑り出す子供達。



その時玲菜は、「私の足を見ていてね」と、



子供達に向かってウインクをすると、



子供達は玲菜の足を見詰めた。



その瞬間ポンとジャンプして、トリプルアクセルを決めると、



同調して子供達全員が同じ事をする。



転ばずに回転は少ないが、アクセルが出来てしまった。



その次、ツイストをしながらルッツをこなすと、



子供達も同じ様に飛び上がりルッツをこなした。



玲菜は最初は子供達と遊んで上げながら、



子供たちの体の力を解いて上げると、



自然に子供達が玲菜と、同じ事を出来る勇気が沸いて来る。



無意識の内に玲菜と同じ事が出来てしまう、



まさに妖精だけが出来るマジックであった。



すると玲菜は楽しそうにリンクを一人で滑り、



子供達の周りをぐるぐる回り、レイバックスピンを行なった。



それを見た子供達は、その楽しそうに滑る玲菜に連れられて、



同じ動作を行なうと自然とスピードは遅くとも、



レイバックスピンを、こなしてしまうのであった。



それを見ていたアレンは驚いた。



想像も付かない教え方で、子供達はたどたどしくも、



技の型が出来てしまう事に玲菜を篤く称えて、



大きな拍手でその感動を伝えた。



その拍手に気づいて玲菜と子供達は、アレンの所に滑って行った。



するとアレンは、「本当に私は裕子を恨みます。



実は玲菜率いるチームだったのでしょう。



今の教え方を見て、はっきりそう断言出来るわ。



それを恰も裕子自身がチームを、



一から指導したかの様な態度でいた」と、確信を得ると。



玲菜は俯いて、「そうです。



当初私の所属していたチームは、



子供達を 指導していたのは私でした。



裕子が実際に教えていたのは、その時点では私一人だった。



スケート教室の時間外に私は、裕子に個人レッスンを受けていました。



最初は優しくて親身に成って、私の事を可愛がっていてくれたのに、



私が今の様に指導した子供達の技が冴えて来ると、



裕子は自らチーム全体の指導を、担当する様に成りました。



挙句の果ては強制的に練習をさせられ、



チームメイトは裕子を敬遠しました」と、



語るとアレンは、「チームメイトの技が安定した所から、



裕子が急に態度が変わり、必死にその技を向上させようと、



チームメイトにムチを打つ様になったのね」と、



具体的に表現すると、玲菜は辛い過去だけに言葉を失った。



それを見たアレンは、「裕子は態度を裏返して、



自分の悲願達成の為にチームメイトを強制的に、



技を磨かせそれに挫折した者は排除した結果、



誰も付いて来なくなり仕方なく、



馴染み深い玲菜を追う形となり今に至る」と、



悟ると玲菜は涙ぐんだ。



それを見たアレンは玲菜を抱き締めた。



そしてアレンは、「辛かったでしょう、悔しかったでしょう。



自分が育てたチームメイトを、裕子が強制的に練習をさせて、



裕子が 一人のチームメイトを、殺してしまった形となった。



それも玲菜が主力選手から、外されてから起きた事故で、



玲菜がその場に居ればそんな危険な技を、



行わせなかったはずなのに」と、



慰めると玲菜はアレンの胸で泣きながら、「そうです。



その事を恨んでいるのに、



裕子を捨て切れない私がもどかしいのです。



ずっとその事で悩んで来ました。



それを解ってくれたのは、竜彦君と今の私のコーチだけでした。



竜彦君はそれを信頼が置ける、



私の最愛のコーチ真理さんに伝えてくれました。



その思いを裕子にも伝えてくれましたが、



彼女は自分に罪意識が有りませんでした。



ただひたすら名コーチと言う形でフィギュア界に、



君臨出来る事しか頭に有りません。



そして愛する竜彦君をナイフで刺しました。



幸い竜彦君はその事を予測して、



防弾チョッキを着ていてくれて、難を逃れましたが、



決して竜彦君は裕子を、その場で殴る事をせずに、



私の気持ちを汲んでくれて、刺した証拠だけを得て、



その悔しさを伏せました。



再び刃を向けて来たのは、私が可愛がる近所の女の子弘美ちゃん。



その子まで手を掛け様としました。



それも幸い近所のその女の子のお爺ちゃんが、



見張っていてくれて阻止してくれました。



それでも私はあの人の事を、



拭い切れないでいる事がもどかしい」と、



その悔しさをアレンに伝えると、



アレンは優しく、「それで良いのよ玲菜。



その優しさに竜彦君は心引かれたの。



その優しさが伝わるから、周りの仲間達が玲菜を補うの。



でもね玲菜もうこの問題は玲菜一人では、



解決出来無くなってしまったの。



玲菜はもう決断の時が迫って来たのよ。



竜彦君はね、自らその解決方法を言わないの。



玲菜の心に秘めている今の裕子の思いを無くし、



心を鬼にしなければ、裕子はもっと玲菜を今後苦しめるわ。



玲菜が庇いたいと思う、裕子の思いを完全に取り除いて、



玲菜にけじめを付けさせる為に、態と距離を置いたと思うの。



決して裕子から逃がした訳では無く、



玲菜の決断を図ろうとする為に、



玲菜の思い出の地に連れて来たのだと思うわ。



竜彦君は無情な裕子の事を、



玲菜がまだ慕っている事に腹を立てない。



むしろこのまま裕子が何処かで気づいてくれて、



裕子が更生してくれる事を願っていると思う。



でも一向にその気配を見せない裕子は、



時間の問題で玲菜のファンに暴行を、受けるだけに過ぎない。



玲菜を守りたくて、カナダに連れて来たのでは無く、



裕子の安否を気遣って、玲菜をカナダに連れて来たの。



玲菜は寂れた横浜のスケートリンクで舞わなければ、



裕子もファンの前に顔を見せない従い、



ファンから暴行される心配も薄れる。



時間はまだたっぷり有るわ。



もう後は玲菜次第だから」と、告げると玲菜は裕子に下す審判を、



決断しなくては解決出来ない思いが、頭を過ぎるのであった。



このカナダに来てから、半月が過ぎた。



北米に位置するカナダは、暖かくなったとは言え、



遥かに日本の春とは違い気温が低く、寒さに体を震わす程、



気温が低かった。



伯父から借りた昔の玲菜の自宅では、暖炉に火が灯されていた。



夜は深々と冷え玲菜は、居間のソファーで暖炉を見詰めながら、



竜彦に寄り添っていた。



そんな玲菜は徐に母の事を思い出す。



そして玲菜は、「ねえ、こうして竜彦君に寄り添っていると、



お母さんの気持ちが伝わるの」と、



呟くと竜彦は玲菜の肩に腕を回して肩を握り、



玲菜は竜彦の肩に頬を寄せていた。



竜彦はそんな玲菜の頭をなでながら、



玲菜の裕子に対する思いを、癒している様であった。



玲菜、「私馬鹿よね。



裕子にあんな仕打ちに遭わされて置きながら、



まだ裕子を庇う気持ちが有るなんて」と、



自分を責めると竜彦は、「その事を言わせる為に、



ここに連れて来たんだ。



日本に居ては俺にその思いを伝えられない。



何故なら」と、言った所で玲菜が、「何故なら私が裕子に追い込まれ、



皆んなに保護されているのに、



今更裕子を私が庇っているなんて、言えないもんね」と、己に呆れた。



竜彦は微笑み、「玲菜が言わなくても、



周りは玲菜の気持ちを察知しているよ。



そんな優しい玲菜が皆んな好きだから、



玲菜を庇って上げているのさ」と、慰めた。



玲菜はその時物思いに更けて、「可哀想な人なの、



今更あんな事されて、言える立場では無いけど」と、



裕子を庇うと竜彦は、「ああ可哀想だな。



でもそれは昔の俺も言えた事だ。



何でも力で噛ませば何とか成ると思っていた。



時に人を傷つけ俺も傷つけられ、



聞分けの無い俺は向かって来る者に対して、力で捻じ伏せた。



力で噛ませば何とか成ると思っていた。



そして玲菜と知り合い、素直な玲菜は人々をその優しさと、



絶え間ない愛情で癒して行った。



一番その恩恵を受けたのは弘美だ。



弘美から俺を奪ってしまった罪を、



弘美に繕う事で弘美は玲菜を愛して行った。



今は俺よりも遥かに玲菜に懐いている。



俺はその時、玲菜を見て自分を改めた。



力よりも愛情が人の心を動かすと」。



その時、玲菜の頬から涙が伝った。



それが暖炉の灯りに照らされて、金色に輝いていた。



その涙にそっと口を付ける竜彦は、



玲菜の気持ちが伝るのである。



そんな玲菜は、「お母さんもこうしてこのソファーで、



お父さんに涙を飲んで貰って、



お互い自分の気持ちを確かめ合ったのね。



私は竜彦君の愛情が伝わるわ。



だから強くならないとね」と、



自分に言い聞かせると竜彦はそんな玲菜に、



「俺も玲菜の今置かれている立場を見て学んだ事それは、



我を振り返らんとする物、地獄から這い上がれず、



さ迷うばかりである事。



時として我が行いを振り返り、自省する事も必要である。



これは俺事だった。



だがそれが出来ぬ者は、我が身に明るい日差しが射しこむ事は無い。



それに値する者に頼り肖ろうとするが、それは人の宝。



人の宝に我値打を及ぼさんとする。



その宝の値打ちは宝を築き上げた者でしか、その価値を得ない。



我が思いを改めない者に対しては、天からの手は差し伸べられない。



これは裕子の事を示す」と、



哲理を説くと玲菜は、「そう、私がいくら手を差し伸べても、



彼女が自分を改め直さない限り、誰も彼女を助けられない。



でももう彼女は自分を振り返る事は出来ない。



それはもう現役時代から、



自からブレーキを掛けられなくて暴走するばかり。



誰も止める事は出来ない裕子」。



竜彦、「彼女は自分以外でも、その強引な練習方法を押し付けてしまう」。



玲菜、「そう、それが悲劇を招き、そして事態を荒立て罪意識が無い故に、



私が審判を下さなければならないのね」と、辛く語った。



すると竜彦は玲菜の唇にキスをすると、



玲菜を見詰めて切ない眼差しで竜彦は、



「もう裕子自身が、取り返しの付かない事態を招き、



それでも気が付かない裕子は、その責任を取って貰うしかない。



玲菜が責任を負えない事態を招いたのは、裕子自身なんだ。



裕子が玲菜に甘えるのも、最後にさせなければならない」と、



忠告すると玲菜も切なさを隠しきれず、「母親代わりだった。



思春期だった私の良き理解者でいてくれた。



生理の悩みまであの人に相談をして、



良きアドバイスをしてくれた。



中学時代は好きな男の子との、



コミュニケーションの仕方まで、アドバイスをしてくれた。



スケートの練習の成果が出ないと、



優しく抱き締め励ましてくれた。



母親と喧嘩をした時は、



私の味方になって親身になって 一緒に考えてくれた。



その人があんなに変わってしまうなんて。



たった一つの 神技を編み出しただけで、



全ての私に関わる人々を巻き込み、あの人は気が狂ってしまった。



生徒を練習中の事故で無くし、尚且つ私を引き戻そうと、



私の愛する者全てを傷つけ様とする。



もう私はどうする事も出来ない、もどかしさが頭を過ぎると。



こうして竜彦君に支えられる私がいたの」。



竜彦、「だが玲菜は裕子に追い詰められた事が、



新たな人生の幕開けだった。



寂れた大滝スケート場で俺と出会い、



俺の仲間と交流を持つと、



玲菜だけでは達成出来ない神技が、完璧にこなせる様に成った。



その時から玲菜が望んでいた以上に、人々に喜ばれ愛された。



それも裕子のお陰であると感謝したい気持ちが、



裕子に受け入れられないもどかしさに、



戸惑う玲菜がここにいる。



決心しなければもう、裕子はファンから惨い仕打ちに遭ってしまう。



俺は玲菜に指示はしない、決心は自分で付けるんだ」と、



忠告すると玲菜は追い込まれ深く悩んだ。



だが決心が付かない玲菜は、まだ戸惑いを露に竜彦に、



縋り付くしか手立てが無かったのである。


その数日後、竜彦と玲菜は借りた車で、



二人でドライブに出かけた。



カナダの山岳地帯はまだ雪が溶けておらず、



山には雪が被っていた。



そんな雪景色を見ながら山奥へと入って行った。



カナダの山岳地帯は寒暖の差が激しく、



街と山では二十度近く温度差があった為に、



道路は凍り付き、新しいスタッドレスタイヤで走行しないと、



車で山に入るのは困難な程であった。



そんな道路を走行中に、凍った湖に辿り着いた二人であった。



そこの畔に車を止めて車から降りると、



二人は防寒衣を着ていた。



二人はその氷付いた湖に足を踏み入れた。



そこはまさに自然が作り出した、スケートリンクであった。



二人の目的は、ここで二人きりでスケートを滑る事にあった。



玲菜は車に戻り後部座席から、スケートシューズを二足出すと、



竜彦も車に戻り、二人は車内でスケートシューズに履き替えた。



ここは玲菜と竜彦の、プライベートリンクと化していた。



誰も居ないこの自然のリンクは、



人工のスケートリンクよりも滑らかな氷で、



層も厚く氷もしっかり出来ていた為に、とても滑り易かった。



玲菜と竜彦はスケートシューズに履き替えると、



氷の上に降り立った。



気温はマイナス二十度以下と、



防寒衣が無ければ、立っていられない程寒かった。



厚手の手袋をして、吐く息は忽ち白く凍り付く程であった。



竜彦は玲菜と手を繋ぐと、



一緒に滑り天然のスケートリンクを満喫していた。



すると玲菜は竜彦と繋いでいた手を自から解き、



一人で氷の上を滑走すると、 フリップを一つ舞った。



そして着ていた防寒衣を脱ぐと、真っ白いユニホームを着ていた。



脱いだ防寒衣を滑りながら、竜彦に渡すとサルコウを舞い、



大きく足を上げ、スケートシューズのブレードを両手で持つと、



ビールマンスピンを舞った。



それはまるで氷の上で白鳥が舞う様な、可憐な姿を演出していた。



玲菜は微笑み竜彦の元に戻ると、自から竜彦とキスをして、



また滑り出しトリプルアクセルを行った。



竜彦の周りを滑りながら、竜彦にウインクをすると嬉しそうに、



シットスピンをこなした。



スピンしながら姿勢を上げて行くと、



続けてキャメルスピンをこなす。



手を真横に広げて嬉しそうに滑ると、



体を後ろに仰け反らすとレイバックスピン。



アクセルを一つこなしてフリップ。



続けてサルコウ、トウループを繰り広げた。



玲菜はこの時、竜彦だけに喜ばれ様と、湖で舞う妖精に変わっていた。



それは御伽噺を演じるかの様に、妖精が天使と恋に落ちた瞬間を、



演出している様子を見せた。



玲菜は妖精と言わんばかりに、竜彦の周りで舞っていた。



そして竜彦から遠く放れると、竜彦に向かって滑走して来た。



するとエッジをもう片方の足のエッジに引っ掛け、



つんのめった瞬間大きく飛んで、



体を捻るとスクリューの様に真横に高回転で回り、



キャメルスピンを行う様に体をT字にした体制で、



片足だけを着氷させた。



神技アクセルスクリューである。



すると急に滑るのを止めて、その場に佇んでしまった。



そして何かを考えていた。



竜彦はそれを見て玲菜の所に滑って行き、



脱いだ玲菜の防寒衣を玲菜の背後から着せた。



思いに更ける玲菜は突然竜彦に、



「私、オリンピックに出場する」と、



告げると竜彦は何も言わず、玲菜を見詰めていた。



玲菜は何か決心が付いた様で、「それしか無いの」と、語った。



竜彦はその時、「玲菜その言葉を待ち侘びていたよ。



結局それしか無いんだ、裕子を追い詰める方法は。



玲菜が裕子よりも、有利に立つ条件を作らなければ、



裕子を追い詰める事が出来ない。



確かに玲菜は今までオリンピックを拒否して来たが、



それは当時の玲菜はアイスショーや、



ホームスケーター止まりで満足なのでは無く、



自分を皮切りにこれ以上チームメイトには、



裕子の陰謀を肩代わりさせたくは無かったからだ。



玲菜はオリンピックでもし金メダルを獲得すれば、



裕子の強化練習は更にきつくなり、玲菜が育てたチームメイトにも、



金メダルを取らせたくて、過酷な練習をさせればチームメイト全員が、



足を壊してそれが一生負担になる。



それを恐れて全国大会では、玲菜は態と高成績を収めなかった。



だが今玲菜が思い付いた、裕子を追い詰める策略を実行しない限り、



裕子は玲菜の前から去らない」と、



忠告すると玲菜は何かに気が付いて、「それを私に実行させる為に、



竜彦君は裕子に仕掛けたのね」と、



悟ると竜彦は、「俺の口から告げられなかった。



何故なら」と、言った所で玲菜が口を挟み、「何故なら竜彦君は、



決して今私が思い付いた策略を、



竜彦君自ら私に指示したくは無かったから。



竜彦君の策略を私に指示してしまうと、



私は竜彦君の下部に成ってしまう事を恐れた。



そう竜彦君は私が今思い付いた策略を、私に指示してしまうと、



結局竜彦君は裕子に成り済ましただけで、



裕子と肩を並べる自分が許せなかった。



私を竜彦君がコントロールしない様心掛けた。



それは竜彦君の私に対する愛なのね」と、



悟ると竜彦は、「俺は裕子から、玲菜を奪い取った訳では無い。



俺が今玲菜が思い付いた策略を指示してしまうと、



俺が裕子から玲菜を奪い取った形になる。



これは裕子と玲菜の問題なんだ。



最終的には玲菜が決心をして裕子をどうするか、



決めなければならない事。



それは俺が口を出す権利は無い。



何故なら俺が玲菜に命令してしまうと、



必ず後から玲菜は後悔する事になる。



俺が命令したから裕子は地獄に落ちたと。



後から裕子に未練が出てしまい、結局元の木阿弥だ」と、



忠告すると玲菜は、「私、決心したわ。



もうあの女に未練を無くす決意よ。



それは自分の為に心を鬼にする事。



過去の裕子の義理なんてもう忘れるわ。



忘れなければ私の愛する者全てを傷付ける。



あの人はもう悪魔だと言う事を、私は認識してなかった。



そう、認識する勇気が無かったの。



今気づいたわ。



彼女を地獄に落さないと、私の本当の幸せが来ない事を。



私の不幸は皆んなの不幸である事。



私が齎したのよね皆んなの幸せを。



だから私が幸せに成らなければ、皆んなの幸せも失われてしまう」と、



今までの裕子の思いを覆すと、



竜彦は玲菜を抱き締めて、「これで本当に玲菜が栄冠を、



掴める事が出来るんだ。



玲菜だけが栄冠に輝ける。



それを玲菜のファンと、俺達仲間は願っているんだ」と、



篤く語ると玲菜は、強い決意で裕子に望む覚悟が、心に芽生えたのであった。



オリジナル:http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/folder/1536491.html

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