なにやってんだお前!!!!!!
2013年、言うまでも無いが北朝鮮は崩壊した。
火力支援船と言う名のドローン母艦から飛び立つ無数のドローン兵器、蘇った戦艦たちによる全てを吹き飛ばす圧倒的なレールガン砲撃、降り注ぐ巡航ミサイルと昼夜別なく爆撃してくる魔改造多目的機、そして世界が驚愕した全歩兵軽装甲エグゾスケルトン部隊。
勝てる筈が無かった。毛ほども無かった。北の軍隊は鴨緑江側と板門店側に分断され、一月絶たずピョンヤンに日章旗は掲げられた。そして独裁者一族は捕縛、新陸上自衛隊は鴨緑江手前で停止する。
泡を食ったのは中華人民共和国と大韓民国である。大韓民国は完全にとばっちりとしか言いようがない。可哀そうな事に、危機に陥った金一族がヤケクソ南進を指示した為、日本側の攻撃で阻止されなかった一部部隊が南進、ソウル始め、北の射程圏に入っていた地区は、チート製お薬により脳クチュされた首領様が降伏を発表するまで砲撃に晒される事になってしまったのだ。
当然ながら大韓民国は激怒した。彼らには何の相談も無く(相談があった所で突き返すが)北に攻め入り、自国民に多大な被害が出て居るのだ。中国も激怒したが。御返しは台湾との防衛協定締結と中華製品の締め出し、鴨緑江対岸に急ぎ展開した人民解放軍の目の前での度肝を抜く演習だった『日本側呼称 第二回関特演』
それは中韓のトラウマを嫌が応でもほじくり返す行いであった。中南海と青瓦台に座る者の目には忌まわしい記憶、散々に自分達をいたぶり回した末、どうにか墓場に送った大日本帝国がそこには居た。
その様な威嚇行為を行った日本国であるが、意外な事に大韓民国との交渉にはすんなりと応じた。応じたばかりではない。占領地の返還、朝鮮半島における正当な国家は大韓民国であるとの再確認、復興費用の負担を快く申しだしてきたのだ。
これには虎狼の口に飛び込む積りで交渉に臨んだ韓国政府代表の方が拍子抜けしてしまう程だった。それもその筈である。チート転生者は政治の素人ではあるが、これまでの行いから分かる通り、偏った思想の軍オタであるので2010年代辺りから主流になった「泥沼絶対に勘弁、大陸に関わる事は死」と言う思想の持主だったからだ。政治思想的見て彼は親米保守、経済左派位の位置、自認として彼は自らをリベラリストだとさえ思っていた。
だからと言って「はい有難うございます」と言えないのが辛い所の大韓民国政府代表であったが、日本側が「あ~難民一杯いるなぁ~。彼らの世話も大変だから同胞に面倒見て貰えっていおうかなぁ~」と難民爆弾の投下を示唆した所で折れた。
言葉は通じるとは言え百万単位の、思想も教育も生活水準も違う人間が雪崩れ込んで混んで来る等悪夢でしない。ましてがっり武装している可能性大なのだ。交渉の場に同席していた韓国軍関係者は首を横に千切れると思う程振っていた。
こうして半ば脅しつける形で日韓の交渉は終わった。自衛隊は韓国軍とバトンタッチする形で半島から撤退。勿論拉致被害者を伴ってである(金一族は縛り上げてソウルで引き渡した)
大韓民国の悪夢は此処から始まる。2600万になる元独裁国家の同胞、戦略目標は悉く破壊された焼け野原になった領土、鴨緑江の対岸で日本帝国の復活にお目目ガンギマリの人民解放軍との対峙である。
確かに日本は支援を約束しその履行は早かった。これをもし韓国経済に注入できれば相当な経済発展が見込める量だ。だがそれだけだった。武装解除は中途半端だし、治安維持にも協力しない。入ってくる日本資本も南に限っていた。
「金はやる、資源もやる、後宜しく」それが勝手に戦争おっ始めて焦土を寄越した国の答えだった。これで恨まない国は居ないだろう。金だけで解決しようとしているのだから。と言うか謝罪名目の資本は明らかに韓国経済を乗っ取り始めている。大韓民国国民は自分達は日清戦争以前の状態に置かれたと共通認識するしかなかった。
この様に中韓共に激怒し序で恐怖しているのであるが、一番に切れ散らかしているのは、今まで出番の無かった米国である。米国でも日本の急激な軍事化と経済発展は問題にされていたのだが、サブプライムローン破綻からの経済混乱により、対応が後手後手に回っていた。
そこに今回の飼い犬(日本)のスタンピートである。在日米軍からは日本が異常な勢いで軍需物資の備蓄を進めているとの警告はあったが、よもや間髪いれず北を叩きのめすとは思いもよらなかったのだ。
「「禁じられた戦争行為を行ってんじゃねえぞ!平和憲法はどうなってんだよ!平和憲法は!こんなに簡単に戦争に踏み切るならもっと早く協力しろよ!朝鮮とかベトナムとか!!クソ!!」」
だがどの様な制裁が米国に出来よう?要塞化された列島に空母を遊弋させるか?母港の一つなのに?経済制裁するか?折角中東に変わる産油国が出来て太平洋航路ウッハウハなのに?ゲロ吐きそうな経済状況のラストベルトに投資してくれているのに?
そうなのである。武力による現状改変と言う馬鹿しでかしたこの期に及んで、チート転生者は先にも言った通り親米保守であった。昭和、平成に教育を受け、日本軍好き?プギャー!と笑われる軍オタ青春を過ごした彼には日米が敵対する事など考えになかった。
むしろ「日本がアメリカを支える!太平洋は平和の海!日米友好!ワイたちは二度と戦ってはなりません……死ぬまで世界の警察してくれや!世界の裏側まで行くなんてごめんやからのう!ぶへへへへへへ」
と都合の良い事を考えていた。故にその意思に操られる日本政府のチグハグな対応。東アジアの覇権を再び取り戻さんとする行為と、今まで通り、経済では噛みつくが軍事では後方支援でアメリカ任せの在日米軍歓迎路線を堅持しアメリカ政府を困惑させていた。
殴ろうとしたらゴロにゃんされると人はそう簡単には殴れない物なのである。だがその米国をして危機バロメーターを上げる行為をチート転生者(以降呼称をバカに統一)してしまう。
「核って怖いなぁ。ワイも日本人!核兵器には複雑な気持ちがあるで。核の傘が日本の平和を守っているのは確かやが、それでもなぁ。自称平和運動家のゴミクソは死ねと思うし、もうお脳を平和にしてやったんやが、やっぱ被害者の気持ちを考えるとワイも冷笑する訳にもいかんし…せや!ええこと考えた!」
北朝鮮と言う緩衝地帯を失い。もし日本が何かしでかすなら核使用も辞さずの構えを見せる中国の態度に柄にもなくゾクッと来たバカはやらかしたのだ。
「しゃあ!!チート転生者流!弾道弾落とし!!」
核兵器の無効化である。成層圏プラットフォームと其処に配備されたゴン太レーザー(視認は当然できない)が高空、低空構わず核兵器を無効化してしまった。そして世界平和の為と称して日本政府はこれを販売すると宣言したのだ。
「え?当たり前やろ?持ってる国は核打ち放題になるやん。皆がが持つ!核使えない!世界平和!」
こいつはバカさは尋常ではない。
「「「その技はやめろーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」」」
「「「あざーっす!!!!」
核保有国の悲鳴、非核保有国と平和を愛する人々の感謝の声が世界に響き、国際情勢は混迷を極めていく事になっていく。