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落日の国 鋼鉄の子宮

 始めに


 これまで私、ぼんじゃーの駄文にお付き合い下さり誠にありがとうございます。さて、悲しいかな私も初老に入り家族の介護もあり、火葬戦記の長期連載は辛くなってまいりました、


 ですがまだ書きたいネタは多く、日々妄想の方は滾らせております。ですので今後はシリーズを立ち上げるのではなく、ここに小ネタとして簡単な短編を不定期に書いて行きたいと思います。


 真に勝手かと思いますが力の許す限り今後も執筆(駄文ですが)を続けて行きたいと思っておりますので宜しくお願いいたします。

 国民の皆さん、その肺に空気を送り込んで下さい、その匂いを覚えて下さい、目を開いて下さい、そこに写る物を忘れないで下さい、最初の一歩を踏み出してください。貴方の立つその場所をしっかりと踏みしめて下さい


 焼け焦げた国土の香りを、広がる廃墟を、爛れた大地を感じて下さい。それが彼らの答えです、それが彼らの我が国の献身への報いです。

 

 我々はもう一度炉に火をいれます。我々は坩堝に身を投じます。崩壊の中にあって我々にそれ以外の選択の何があったと言うのでしょうか。


 国民の皆さん、日本国民の皆さん、貴方は打ち出された歯車の一つです。貴方は絞り出された油の一滴です。


 日本国民の皆さん、貴方は消費される為に生まれました。我々が貴方の死に報いる事はありません、貴方の死に名誉はありません。


 日本国民の皆さん、我々は貴方に忠誠を要求します、我々は貴方に犠牲のみを求めます、我々はそう望んで貴方を収穫したのです。


 貴方は罪人です、貴方は決して許されません。


 世界の全てが我々に、貴方に罪を償えと、此処に追いやりました。


 日本国民の皆さん、貴方はこの呪いを断ち切らねばなりません。


 果て無き損耗と痛みを通じ、貴方と彼らの流れる血でそれを洗い流すのです。


 世界は病んでいます。あなたは炎を持ってそれを清めなければいけません。


 我々はあなたに愛を与えられません、義務だけを課します。


 我々はあなたに優しさを教えられません、むしろ慈悲を取り上げます。


 繰り返していいます。あなたは罪びとです。世界がそう望んでいます。


 国民へいしの皆さん、鋼鉄の子宮から取り上げられた我々の子供達よ。


 我々は石になります。積み上げられ育ち続けるさざれ石の一つに加わります


 国民の皆さん、其処に続いて下さい、降り注ぐ砲弾、核の炎、むせ返るガス、それは貴方が歩を止める理由ではありません


 死です、死こそが我々が休む場所であり、貴方の最初で最後の安らぎの時です


 貴方に戦いの焼き印を押す我々が貴方に送る言葉は一つだけです。


 日本国民の皆さん、この世全てを軍靴の元に踏みしだいて下さい。


 それを彼らが望んでいるのです。それだけが真実です。


 太陽は黄昏を迎えました。だからこそ何人も逃げ果せる事は許されません


 例外を我々は許容しません、報復は成されなけばいけません、貴方を裏切った者たちは我々と同じく滅びるべきなのです


 彼らは我々と共に黄昏に果てなければいけません、新たな朝を迎える事等あってはならないのです。

 

 古く穢れた世界を燃やし尽くして下さい。


 その時こそ貴方は凱歌を上げるでしょう、貴方の贖罪は完遂され、太陽はもう一度燦然と輝く時が訪れます。


 天皇陛下の為に、帝国の為に、


 大深度地下子宮工場の自動音声「日本国最後の首相による訓示」


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