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birth_birth_birth___  作者: 七架瀬 ツバサ
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任務にはたこ焼きを

 総合転移陣で件の任務の先にある支部へと向かった。


「やあ、オレがここ、ローゼリアの支部長をしている緑野壮士だ。お前たちが本部からの5=6か?」


「ああ、そうだ」


 吾郎が答える。ここが、この支部の司令室だろう。


 ふと、窓の外を見ると、ローゼリアの街が街灯の光によって埋め尽くされていた。空には小さくこの街と同じように街灯に照らされた街が見える。ということはここは南の大空洞の中心部なのだろう。天がここと同じような街だから、南の大空洞の中に日が出る時間は一日の四分の一もない。


「こちらとしても急いでいるから、冗長な挨拶は省略させて貰おう。まあ、こちらの状況は知っているだろうから、早速行動に移ってもらう。良いな?」


 支部長は相当急いでいるようだ。

 俺を含めた四人が頷く。


「そうか。じゃあ、現地までは送るから、その後のことは、頼んだぞ」





「さて、着いたは良いが、どうしたものか」


「んーと、彼らのナワバリに近づいたら出迎えてくれるらしいから、それまで砂漠観光かな」


 暗い砂漠の中、静寂が俺達を包む。夜の砂漠は案外涼しい。時には動物が突進してきたりして、気分はナイトサファリだ。


 その後、歩く事数十分。周りにいた動物達が散らばって逃げ出した。魔力感知で、害獣の接近を確認する。


「こりゃ、手厚い歓迎だな」


 砂嵐のような音が鳴り響く。何かが崩れるような音と共に、巨大サソリモドキたちが俺達を囲うように躍り出た。


「けっ、パーティの始まりってか。熱い夜になりそうだ」


 陸がそうこぼす。準A級とは言え、束になられれば面倒くさい事この上ない。ざっと数えただけでも二十、いや、三十以上いるかもしれない。


 この場にいる全員が得物を構える。吾郎は格闘家(インファイター)、陸は魔術師(メイジ)のようだ。ちなみに俺は銃手(ガンナー)で、綾は戦闘士(ウォリアー)で剣と弓を使う。


 一斉に攻撃しようとしたその時、しかしそんな俺たちを阻むように轟音が響いた。俺たちは揃ってそちらを向く。

 暗くて目視ではよく見えないが、ソイツは砂漠に鎮座していた。

 魔力感知によって、その丸い、十メートルはある巨体の表面を見た。そこには、


 "029 機天使レリエル・プロトエル"


 と書かれていた。


「おいおい、随分とゴテゴテしたたこ焼きだな」


 たこ焼き……いや、レリエルはその大きな体にガトリング砲やらカノン砲、その他十種類以上の砲を持っていた。


「選り取り見取りだな。どれにやられたものか」


 そう呟いたら、ご挨拶とばかりに二十七ミリ重戦車砲とカノン砲を撃ってくる。縮地で避けると、幾らかの害獣が巻き込まれた。


「どうするんだ、これ。こんなデブッチョは聞いてない」


 陸が愚痴る。そんな陸に綾が言った。


「さあ、上手く立ち回って流れ弾を害獣に当てて、その隙にたこ焼きに攻撃する?」


「そんなに上手く出来るものか?」


 陸がそう言う。出来なくはないが、あの物量で三分後にはカップ麺みたくバラバラにされている事だろう。


「まあ、無理じゃないけどな……」


「やってみるしかないだろう」


 物は試し。逃げようにも逃げさせてはくれないだろうし、やるしか無い。勝利かヴァルハラかだ。

 そういうわけで、たこ焼きの砲撃を受け流しつつ、攻撃する。


「おい、たこ焼きの背後に回れ!背中は砲台が少ない!」


「むむ……硬いね、コイツ」


 綾がそう嘆く。その特殊合金でできた体は俺達の攻撃を一つとして通さない。となると、頼りになるのは陸の魔法ぐらいだ。


「陸、雷属性!」


「分かってる!」


 ガトリング砲と迫撃砲による弾丸の雨が降り注ぐ。

 俺は銃の弾を引き延ばし、即席の使い捨ての盾として全員の上に撃って、弾を相殺させた。


 陸が全員に雷属性を付与する。言わずもがなかも知れないが、機械は電気に……特に複雑なヤツほど弱い。


 俺達はまた攻撃を再開する。思った以上に面倒くさいことになりそうだ。

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最近嬉しかったこと:スプラトゥーン3が発売されたこと

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