訓練の始まり
「お前は、魔力弾の威力調整が出来てない」
まだ暗い草原の中、俺は霞に言う。
「え、そんなことできるんですか?」
「はあ、そこからかよ……」
目を細め、霞を見る。
「いいか、大事なことだが一回しか言わない。まず、俺やお前が使う魔力弾と呼ばれるモノは、魔法弾の様に魔法式を放つことは出来ないが、その代わり色々な調整ができる様になっている。一発に込める魔力によって威力を決めたり、その魔力を射程、威力、弾速など重視に割り振ることが出来る」
「へえ、そんなことが出来るんですね……。世の中、知らないことだらけです」
芝居じみた声で彼女が言う。嘆息し、彼女の手にある銃を取り、一発放つ。
「それだけじゃない。一発だけに魔力を込めることもできるし、連射で手数を稼ぐこともできる。逆に、それを駆使出来なければいつまで経っても魔力銃の腕は上がらない。下手すればそこらの下級魔法よりも弱い。が、使えれば一人でも戦術級……戦略級の軍隊魔法にも匹敵することがある。まあ、そんなことは数々の幸運が重なってできる偶然だが」
「はえー、勉強になりましたぁ」
そう、間抜けた声で言ったので、彼女の頭を叩いて言った。
「何言ってるんだ。今からお前がやるんだ」
「え、そんなことできるんですか?」
「阿呆、そんなしょうもない嘘はつかねぇよ。いいから、とっととやれ。ちょっと念じるだけですぐできる」
草むらに刺さった的に向かって霞は銃口を合わせる。
「まず、射程の先端で撃ち抜ける様になれ。ここから的までは三十メートルぐらいだから、射程に四十%、威力と弾速に三十%くらい魔力を使うつもりで撃て」
「は、はい。こうですか?」
「ああ、そんな感じだ。後は自動で的を動かすから、自分で考えてやってみろ」
霞が的を撃つの傍目に、家に戻って銃の改造を続ける。
不意に、ユウに教えを乞うていたーーーー乞わさせられたというのが正しいのだがーーーー時の事を思い出した。あの動く的は三年程前にユウに買わされたモノだ。あの的でよく偏差撃ちーーーー移動先を読んで撃つテクニックを練習させられた。
気がつけば、日が昇っていた。家の窓が東に付いているものだから眩しいったらありやしない。
外では未だに霞が練習していた。外に出ると、霞が文句を言ってきた。
「酷いですよ、先輩。あの的、当てようとしたら逃げるんですぅ......」
「そりゃ、生きてるモノは避けようとするだろ」
そう返しながら、時計を見る。
「お楽しみのところ悪いが、もう六時四十分を過ぎてる。そろそろ出るぞ」
「え、もうそんな時間なんですか?ここから軍までどのくらいなんですか?」
振り返りながら「三十キロだ」と答えると、霞が急に焦り出した。
「え、あと二十分で三十キロ!?もう間に合わないじゃないですか!」
「阿呆な事言ってないでとっとと準備しろ」
その後準備もせずわめく霞を見兼ね、溜息をつく。埒が明かなさそうだったので、乱雑に彼女を持ち上げ走り出す。
「え、ちょ、お姫様抱っこ?!あ、じゅ、準備がぁぁ......」
〜親愛なる読者の方々へ〜
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追記:何がとは言わないけれど私は8月31日派