精霊の森の異変⑬
時は戻り現在
ーギルド図書室ー
「…どこの世界に山菜を取りに行ってエルフとの友好条約を持って帰ってくる人がいますか?」
「いやここに「うるさい」…ハイ」
「確かに、あれからエルフさんとの交流が始まり街には様々な変化がありました。それについては私も良い事だと思います」
「街中でエルフの料理を出す店やエルフ達の劇団とかを見るようになりましたよね」
「そうですね、私もエルフさん達から仕入れられてる「ハーブティー」や「薬草入浴剤」とかは愛用しています。美味しいし肌にも良いですからね」
「あぁ、だからシシリアさん春先辺りから肌が綺麗になって良い香りがするんですね。元々美人だったけど更に綺麗になったというか」
「な…///そんな風に思ってたんですか?」
「そりゃずっと俺の担当してくれてるんですから、変化ぐらい気付きますよ」
「……一番重要な事は気付かないクセに」ボソッ
「なにか言いましたか?」
「いーえ、なんでも!」
「?」
「あとはアリスさんの事ですけど、仮にも女王様なのにランドさんにちょくちょく会いに来てますね」
「そうですね、存外女王って暇なんでしょうかね「恩返しが…」ってなんかハァハァ言いながらギルドに来ては付き添いのサトラさんに連行されていきますし。エルフなりの交流作法なんでしょうかね?」
「……鈍感にも程がありますね」
「なんのことです?」
「いえ、あと気になってたんですがアリスさんには言葉遣い気を使ってないですよね、何故なんです?」
「最初に会ったときに女王だと知らないで普通に口きいちゃったんですよ。知ってからは敬語にしようとしたんですけど本人から「そのままで良い」と言われて」
「しかし、国交を結んでるとはいえ万一に公的な場所とかで話すときにそれだと不味いのでは?」
「俺もそう言ったんですが、「わ、私の事が嫌いになったんですか?そんな他人行儀にランドさんにされるのは嫌です」ってすごく泣きそうな顔するんですよ」
「あーそれは…」
「て言うか、シシリアさんもアリスの事はアリスさんって言ってますよね?陛下とかつけなくて良いんですか?」
「彼女、何度かギルドにも顔を出してるんですよ。その時にお話させていただいて流石に呼び捨てには出来ませんが本人から「そんなに畏まらなくて良いですよ」と言ってくれたので」
「へー、ギルドになんの用があるんでしょうね?」
「さぁ?(ランドさんを探してるだけなんでしょうけどね…)」
「そうだ、言葉遣いと言えばですねランドさん」
「はい?」
「なんで私にはまだ敬語なんですか?」
「いや、担当してもらってるのに馴れ馴れしいかなと…」
「そんなの気にしなくて良いですよ、もう何年も担当してるのになんか壁を感じます。これからは敬語をやめてくれませんか?」
「そうですか?」
「構いませんよ、その方がこっちも接しやすいです」
「わかった、改めてこれからもよろしくシシリア」
「はいよろしくお願いします(これでアリスさんとの差は埋まったかな?)」
「そうだエルフとの国交と言えばシシリア、話は変わるけどさ」
「なんです?」
「あのとき捕まった死霊術師はどうなったんだ?」
「あぁ、彼ならあの後裁判にかけられて鉱山奴隷になりましたよ」
「え、大丈夫なのか?鉱山でまたなんかの動物の死体とかからアンデッド作ったりとかしないか?」
「それなら心配要りません。ランドさんも見たことあると思いますが、エルフとの技術交換などで彼を捕まえたときにエルフが使用した「魔力封じ」の「手枷」や同様の効果を持つ「首輪」の量産が可能になり「魔法使い系」の犯罪者にはそれが付けられて魔法を使えなくしてあります」
「それなら大丈夫か」
「はい、しかもですねこれは本当に偶然なんですが」
「まだなにか?」
「その鉱山奴隷達を監視する衛兵部隊の隊長がその死霊術師の学生時代の同級生だったらしく、彼に気づいて彼の学生時代を踏まえて衛兵達に話をしたもんですから今回の犯行と合わさって今彼は衛兵達にも同じ鉱山奴隷達にまで「ネクラマンサー」とか言われて弄られてるそうです」
「それはまた自業自得とはいえ不憫な…」
「私からも質問いいですか?」
「なんです?」
「国王陛下がエルフの国との国交を発表したときにその前段の話し合いでランドさんとアリスさん、あとギルマスで陛下に謁見したんですよね?」
「そうだけど?」
「発表のときに国王陛下の顔が腫れてた気がしたんですがなにかあったんですか?」
「あー、あれはね…」
次回、国王との謁見の様子に続きます




