精霊の森の異変⑦
「さて…これでお前ご自慢のドラゴンゾンビとやらはいなくなったわけだがどうする?素直に謝っとくか?」
ランドが少し殺気を出しながら問いかけると術師は半狂乱になって叫ぶ。
「な、なにをした?貴様今一体何をしたんだ!」
「なにをしたって、お前が今バラバラにしたら討伐出来るって言うからバラバラにしただけだが?しかしバラバラになっても匂いはそのままか…後で消臭ポーションでも撒いとくか」
あっけらかんと答えるランドにエルフ達はあんぐり口を開けて固まり術師はもはや冷静に対応は出来なかった。
「バラバラにしたって…ドラゴンゾンビだぞ!?攻撃されても即座に再生していくんだぞ!なぜそんなことができるんだ!」
「はぁ?そんなの再生するよりも破壊する方を早く多く叩き込めばいいだけじゃないか。なにいってんだ?」
「お前がなにいってんだ!」
(それには同意する)
術師の叫びにエルフ達も心の中で同調した。
「……は!好機だ今のうちに術師を取り押さえろ!」
目の前で起こった一瞬の出来事に少し固まっていたアリスが我に帰って兵士へ指示を出す。
その声に兵士達も我に帰って術師を取り囲んだ。
「くっ!」
兵士に囲まれた男の顔に焦りの色が見えた。アリスがそこから一歩踏み出して術師に声をかける。
「ドラゴンゾンビが倒れフォレストウルフゾンビも失った。もはやお前が抵抗する術はない、観念するがいい」
アリスの言葉に術師は諦めたかのように両手をあげると言葉を発した。
「あぁ確かに、ドラゴンゾンビもフォレストウルフゾンビも俺は失った。だがなぁ…」
術師がそう言って笑みを浮かべた瞬間、術師のローブの中から小型のフォレストウルフゾンビが飛び出した。
「なにっ!」
突然のことで反応が遅れたアリスはウルフに押し倒されてその首に牙を充てられた。
「アリス様!」
兵士達に動揺が走る。
「フヒヒ馬鹿が!俺はこれだけしかいないがとは言ったが一言もウルフゾンビが5体とは言ってないぞ。おっと動くなよ、下手な真似をしたらその女の喉笛を噛みきるぞ!」
「ぐっ」
兵士達は下手に動くことができない。
「この卑怯者め!」
アリスが術師を軽蔑の眼差しで睨み付ける。
「なんとでも言え、どんな手を使っても勝てばいいんだよ!それにお前のその目付きは気に入らん!学生の頃に俺を見下すような目で見てた奴等と同じ様な目で見やがって!逃亡の人質にと思ったが気が変わった。やれウルフゾンビ!」
ウルフゾンビが喉笛を噛みきろうと力を入れた瞬間アリスは死の恐怖から思わず目を閉じた。
しかし、何故かなかなか自分の首に衝撃がやって来ない。
恐る恐るアリスが目を開けると目の前にはとある男の横顔があった。
どうやらあの一瞬でランドはドラゴンゾンビの時にしたようにウルフを切り捨ててアリスを抱き抱えて移動したようだった。
「な、貴様また俺の邪魔をーー!」
ランドはアリスを抱えたまま術師に視線を向けて呟いた。
「流石に引くぞこれは、ためらいなく女性を人質にするとか従えてる魔物もだけど当人の性根も腐ってるな、これは友達できないわ。きっと学生時代もこんな感じで現実から逃げてたんだろうな。あ、それで友達出来なかったから自分の思い通りに死体を動かせる死霊術にはまったのか?て言うかそんな寂しい人生を生きてて楽しいか?死霊術使いだけあって自分の人生も死んでる感じか?」
もう言いたい放題である。
その間にアリスの無事を確認した兵士達が術師を今度こそ取り押さえた。念には念をなのか「魔力封じ」の手枷をはめて簀巻きにしている。
「くそぉーー!計画の失敗よりもトラウマ掘り返された方が精神にくるなんて悲しすぎるーー!」
術師の絶叫が虚しく森に響いた。
ランドさんにディスられたら作者も泣きそう
誤字報告ありがとうございます、修正しました。これで大丈夫なはず。
作者の頭の悪さが露呈してしまった…( ´-ω-)




