精霊の森の異変④
エルフ視点からの遡り③
戦いがはじまって数時間が経った頃、アリス達は少しずつ追い詰められていた。
アンデッドということもあり、フォレストウルフは通常より高いタフネスを誇り、討伐にかなりの手間を取ることとなっている。
幸いにも死者こそ出ていなかったが、フォレストウルフを討伐した頃には騎士団も半数以上が負傷し今や防戦が精一杯であった。
「どうした?ウルフごとき雑魚アンデッドにそこまで消耗するようでは俺の自信作のこのドラゴンゾンビを倒すなどまるで叶わんぞ」
男は勝ち誇ったかのように笑い、ドラゴンゾンビの背中から騎士団を見下ろす。
アリスと騎士団は状況に焦りを感じていた。
フォレストウルフのゾンビは、耐久こそ上がっていたが体がさほど大きくなかったので、兵士が複数で囲み交代しながら攻撃したことで消耗戦ながらも倒すことができた。
しかし、ドラゴンゾンビはその巨大さからウルフとは比べ物にならないタフネスを有し更に時間が経つと再生してしまうのだ。いくつかの矢や魔法による攻撃が当たっているのだが「魔素」が薄くなっているためか魔法の威力が下がり再生速度を越えることができず決定打にならない。
「ハハハ、そんな攻撃でドラゴンゾンビがダメージを受けるものか」
「陛下、ここは我等が時間を稼ぎます。どうかお逃げ下さい!」
騎士団員がアリスの前に固まり盾を構えたまま告げた。
「馬鹿なことを!例え私が逃げたところであの者を倒さねばいずれこの森は浸食され滅びてしまう。私は一時の延命のために臣下を見捨てるような暗君ではない!私を大切と思うならその私が愛する臣下の命もまた同じ価値がある。無駄にせぬよう心がけよ!」
「陛下…」
騎士達は自らが仕える主君の慈愛に感激した。この主のためならば命などいくらでも投げ捨てよう。そしてその心に応えるためにも決して諦めないと決意を胸に目の前の邪悪と対峙した。
「泣けることだな、その慈愛と忠誠心に敬意を払って一人残らず纏めて葬ってやろう!」
男がそう言うとドラゴンゾンビの口の辺りに瘴気が集まっていく気配がする、ブレスを放つ気だ。
「これで終わりだ!光栄に思うがいい、俺の手駒となり世界を制するための歯車となれることをな!」
ドラゴンゾンビがブレスを放とうとしたその時だった。
「ここか、さっきから異臭が出ているのは。臭いの原因はなんだ?」
対峙する双方の脇の茂みからひょっこりと一人の男が出てきた。
まさかのPV1000回越え!
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