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スリーパーソン


それからさらに何日かして、ようやくルナは昏睡状態から回復した。


「もう動いても大丈夫。心配をかけてすまない」


と、ルナは言うが、しばらくは安静にしてもらって、様子を見ながら兵力の回復作業を手伝ってもらった。


ルナの底知れぬ魔力量は、本当に頼りになるが、あまり頼り過ぎるのは危険だ。

あんな事をするのは、よほど追い込まれた時の最後の手段としてしか、やるべきじゃないな。


四頭の骨龍のうち、蒼龍にも背中に小屋を取り付け、専用の小型制御オーブも備え付けた。


テリーに何度か試乗してもらったが、やがてテリーは俺よりも上手く骨龍を乗り込なし始めた。


直接制御している俺と違って、オーブ越しなのによくあれだけ乗り込なせるな。

城でアンデッドを制御するのも中々の物だし、何かモンスターを従える天賦の才能でもあるのかもしれない。


今までミーアを連れて骨馬車で行っていた隣街への買い出しも、その内骨龍で行くようになった。


骨馬車に見慣れていた隣街の人も骨龍には面食らったらしい。

そりゃそうか。


ーー


城の修復は進み、堀も整い始めた。

チャイカ連邦が残していった物資も根こそぎ頂いたので、国庫もかつて無いほどに潤っている。


もし骨龍が本物のドラゴンなら、四頭の食費だけで上野動物園の年間予算を超えかねんが、アンデッドなので何の心配も無い。


一万を越えたスケルトン兵達も同様だ。

アンデッド万々歳だな。


ーー


ある日、ニャル導師に呼ばれて城の別棟にあるキューの研究所へ行った。

ニャル導師はキューと一緒に居ることが多いようだった。


「この黒玉石というのは便利じゃのう、わらわも持っておくことにするぞえ」


ニャル導師は、新規作成された黒玉石を嬉しそうに眺めている。


端から見ると、新しい玩具を買って貰った深紅のドレスを着た幼女にしか見え無いが、その中身はダークエルフの中でも最長老に属するお人らしい。うーむ。


「今日ここへ呼んだのは他でもない、今後の戦略について話したいからだ」


と、キュー。


普段、研究所に籠ってあまり口を出さないキューが言ってくるのは珍しい。


「導師様とも話し合ったが、ネファラム家とアザトース教団とは、今後より一層協力しあって宝珠の取得を目指して行こうと思う」


ええ、そうしないと、我々が生き残る事は出来無いでしょう。


「次の宝珠がこの世に出現するのは、まだいつかは分からぬが、そう遠くない未来である事は間違いない。今のうちに準備を進めておくべきだ」


前回のは極東のヒノモトに出現したんでしたっけ?

あんなに遠くだと、取りに行くまでネファラム城を長期間不在にしないと行けなくなりますね。


「ああ、となると城の防衛に不安が残るのだ……」


前回はそうでした。

今は骨龍四頭とニャル導師のガレー船艦隊があるから、さすがにチャイカ連邦も手を出して来ないかもしれない。


「連邦だけならもう攻めてこぬかも知れぬが、わらわがアザ教団の戦力を投入した様に、聖教会も戦力を投入してくる可能性があるのじゃ」


と、ニャル導師。


「神の使い、使徒という存在があるのじゃ」


マジですか。使徒襲来かよ……


まったく軍拡競争という奴は、どこまでも際限無く続いていくものだな。

しかも途中で競争から降りたりなんかしたら、相手に呑み潰されるだろうし……ぐぬぬ。


「向こうの宝珠はまだ一つだけ、そう多くの戦力は呼び出せぬじゃろうが、チャイカ連邦の軍隊と連携して攻め込んでこられたら厄介じゃ。早めにその芽を摘み取っておきたい」


どうするんです。聖教会の本拠地に攻め込みますか?


「さすがにそれは無理じゃ。聖教会の聖地は幾重もの結界に守られていて、わらわも手が出せぬ」


……と、なると攻撃するのはもう一方の方、チャイカ連邦ですね。


「うむ、奴らの西方への侵攻拠点、それを叩き潰しておけば当面はネファラム城へ手は出せなくなるだろう」


つまり……


「ケーニヒスグラード要塞を、攻略するのじゃ」


ーー


その日の夜。

今日もベッドでピアとのいちゃいちゃタイム。


その最中、ピアが人指し指を縦に唇に押し当て、静かに、のジェスチャー。


うん?なんだろう。


ピアはベッドから裸のままそっと抜け出し、足音を立てずにドアへ向かって歩いていく。


ドアをガチャリと開けると、


「あっ……」


と、言う可愛い声が聞こえた。


逃げ出そうとする小柄な身体を、ピアはそっと掴んで、部屋の中へと連れてきた。


「エイジ君、覗き見なんかしているような悪い娘には、ちょっとお仕置きが必要なのではないかな?」


ピアに捕まっているのはルナだった。


火照った顔を隠す様に目を逸らしながら、ばつが悪そうにもじもじと身体を震わせるルナ。

腿の内側に、這うように流れる一筋の液体が、妙に艶かしかった。


そうだね、二人でルナをお仕置きしようか。


「ふふ、そう来なくてはな」


ハッとした表情をするルナを、ピアはベッドに押し倒し……


ーー


ルナの身体はピアよりも更に小柄なので、二人がかりで優しくお仕置きした。


最初は戸惑っていたルナも、やがて俺とピアの前に全てをさらけ出し、甘い声を上げながら華奢な身体で快楽に打ち震えた。


ーー


「あ……あ……」


口をぱくぱくさせながら喘ぐルナの身体を、俺はそっと抱き締めた。


これで本当に良かったのかい?


「うん、いい……あたしはあなたの側にずっと居るって、決めたから……」


すがり付くような目で俺を見る、ルナ。


「あたしはピアの次でもいい……だから、側に居させて……」


「私の次、なんかではないぞ、ルナ」


ピアはそう言いながら、ルナの身体にそっと手を伸ばす。


「今日から私達はエイジ君の姉妹妻だ。どちらかが上、という事は無いんだ」


「うん……分かった」


ピアはルナの身体を引き寄せると、唇を重ね合わせた。

ルナはなされるがまま、ピアに身体を預けて行く。


あら~これは……キマシタワー


「……むう?エイジ君、また元気に成って来てないかい?」


え、ああ……あまりに尊くて……


「ふふ、ではまた三人で楽しもうか……」


ーー


それからピアは度々ルナを連れてきて、三人で寝室を共にすることが多くなった。


ルナもやがて自分から俺の部屋に来るようになり、ピアの都合が悪いときは、ルナと二人だけでベッドに入る日もあった。


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