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それでも僕は蚊を潰す。

作者: A.M

蚊取り線香って喉乾きますよねぇ

体が飲むプリンになるほどに暑い夏。


家に帰ると、いつもの様に蚊取り線香の匂いが僕の喉を焦がした。



昨日母親に、


『蚊取り線香を嗅ぐと喉渇くんだよねぇ〜…?』


と間接的にやめる様言ったのだが、


『もしかして蚊人間なんじゃないのあんた』


と言われてだけで、蚊取り線香を消してもらえなかった。



昨日は急だったからなだけで、今日は蚊取り線香ではないものを代用してくれるのではないかと少し期待していたのだが……


まぁ案の定といった感じだ。



とりあえず喉が渇いた僕は、この世で1番好きな飲み物の緑茶を飲みにキッチンまで行った。




……。


キンキンに冷えた緑茶を音も無くコップ一杯に注ぐ。


はよ飲みたい!


まもなく僕は緑茶を一気に喉に流し込んだ。

蚊取り線香で渇いた喉が急速に潤っていく。



「かはぁ」



僕は10秒も掛からずに緑茶を飲み終えた。


やっぱり緑茶しか勝たん。


そんなことを思いつつ、ふと机の上に乗せている自分の左腕を見た。



するとそこには僕の血を吸っている蚊が一匹いた。



「君も大変なんだね」



その一生懸命に血を吸う姿は、蚊取り線香のせいで喉が渇いて緑茶を一気飲みしている僕とすごく似ている気がしして…


僕は思わず蚊に同調してしまった。




ま、潰すんだけどなっ!



バチィン



物凄い音とともに蚊は潰れ、おそらく僕のものであろう血が手と腕についた。



「緑茶にしなかった君がいけないんだよ」



今は亡き蚊にそう吐き捨てると、僕は手を洗いに洗面所へと向かった。

お読み下さりありがとうございます。


いくら可愛そうだと思っても、邪魔だから潰しちゃいますよね。わかりますその気持ち。


責めて、誤ってから潰しましょう。

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