異世界の言語体系
どうしてこうなった...。
確か起きて、飯食って、今日は休みだからと言われてクラウスが「せっかくだから街でも見てこい。細かく見た事はないだろ。」と言ってちょうど暇そうにしてたレーアを案内につけてくれた...。待ってくれ生前(今も生きてるけど)人とほぼ会わなかったからこういう時どういう話すればいいんだ?さっきからここは何でここは何って感じの淡々とした説明聞いてるだけだぞ...。気まずいぞかなり...。レーアは...レーアは...何か聞いた話あったっけ...。あっそうだ!冒険者だって言ってたじゃん!
「そ、そう言えばレーアは冒険者なんだよな?」
「まっそうだけど?」
「冒険者ってさ何すんの?実際。」
「え?そんなことも...あぁそう言えばパパが由希記憶喪失って言ってたっけ。」
まて軽く馬鹿にしようとしたように聞こえたぞ。これ昨日記憶喪失って言ってなかったら確実に軽く馬鹿にされたよな。グッジョブ昨日の俺。
「まぁ冒険者って言っても基本は魔物の討伐や依頼の報酬で生計を立てるものよ。実際色んなところにいって色んなものを探索する人はそこまで多くはないわ。私も今はこの辺りの魔物討伐してるだけだしね。」
「へぇ今はってことはいつか冒険に出たいのか?」
「出来ればね。私は誰も見たことも無い場所にいつかたどりつくのが夢なの。」
夢の話をする人の目はいつも輝いているな。まぁ生前の俺はそんな目をしてたのかと考えるとそうは思えないが。
「なるほど。俺の夢と似ているな。」
「由希にも夢が?似てるってどういう?」
「俺の夢はな宇宙へ行くことなんだ。」
「うちゅう?」
「あぁ宇宙だ。」
「何それ?聞いたことないんだけど。」
なるほど...この世界では聞いてた限りまだ地上でも未踏破の場所がある。だからこそまだ宇宙まで目を向けられてないんだな。....だよな?違う言葉があるとかじゃないよな?検索。
【該当なし】
やっぱりな。そういうことなんだろう。さてなんと説明したものか。
「宇宙って言うのはな、空よりもさらに高いところにあるんだ。夜空のように真っ黒な空間でそこには未踏破の土地が地上なんて目じゃないほど沢山広がっているんだ。」
「そんな場所があるのね。どうやって行くの?」
「...残念ながら今のところ行き方は少なくとも俺には分からない。これから調べていくしかないんだ。」
「なるほど。良い夢ね。私と違って目指す場所は分かってる。1歩先に行かれてる感じね。」
「そうだな。行き方には難アリだがその点に関しては俺の方が1歩先に出ているな。目星はついてないんだろう?」
「まぁね。というか先に世界を回るパーティーメンバー見つけなきゃよ普通は。」
「あぁ確かにな。1人で未踏破の場所を探索するのは厳しいもんな。それに............一人旅は寂しいもんな。」
「ちょっそんな理由じゃな........。」
「...ん?どうした?俺の顔が何か?」
「...なんでもないわよ。」
???
俺の顔を見たと思ったら一瞬固まって一体どうしたんだ???その後さっさと歩き始めてしまったが。
「なんて顔するのよ...。」
「ん?なにか?」
「だからなんでもないってば。」
ぼそっとなにか呟いたようだがレーアが俺より前を歩いてたのもありちょっと聞き取れなかった。ほんとに何だったんだよ...。
せっかく始まった会話もさっきので途切れ、また長い間無言が続くことになった。待ってくれよ。もう振る話題ないぞ。
「そう言えばパパが力持ちって言ってたけどそんな体でほんとに力なんてあるの?宇宙?に行くなんて言ってもそんな体で行けるの?」
まさかレーアのほうから振ってくれるとは。あっちも気まずかったのかな?
「こんな体じゃ無理だな。しばらくは体を鍛えなきゃだ。まぁ力の方はなんと言ったらいいか重いものを持つことに関してはあると言えるが何かを壊したりするのは難しいかなぁ。」
「ふぅん。瞬間的な力より持久的な力の方があるって事ね。それでもパパに力持ちって言わせるほどだから瞬間的な力も時給的な力に及ばなくとも結構ありそうに感じるけど?」
「あぁ~...なんと言ったらいいか...瞬間的な力は見た目通りだと思ってもらっていいと思う。スピード自体はあるからある程度の力は出ると思うけど...まぁ例えば岩を拳で破壊しろとか言われたら無理だな。握りつぶす握力なんて全くないし殴りつけたら壊せるかもしれないけど俺の体の方もボロボロになっちまうからなぁ。」
「...えぇと?もうよく分からないのだけれど?」
「正直俺もよく分からない。」
権能のおかげですっての省いたらそりゃこうなるよなぁ。俺も聞かされたらわからない自信しかないもん。
「う~ん...まぁ...そういう...人種もいる...のかな?未知のものが多いからありえない話ではないんでしょうね。」
「そう思うしかないよなぁ。」
ナイス異世界。世界のほとんどが未知だからで片付くのは非常にありがたい。元の世界だったら面倒なことになりかねない。研究されたり研究されたり...。
「そうなると偶然言語はあってるの不思議ね。見たことも聞いたことも無いような服装、身体構造をしてるのに言語は一緒。確実に遠いところかまたは秘境にあるところの出身であるはずなのに。」
「確かにな。それは考えたこと無かった。」
偶然の一致ですませてもいいが世界のほとんどが探索し尽くされた元の世界ですら数え切れない数の言語が存在していた。偶然一致するにはあまりに都合が良すぎる。神がそう計らってくれたって説も無くはないが...どうなんだろうな。検者に何か情報あるかな?検の情報も持ってたしな。
【異世界の常識に異世界におけるあらゆる言語が含まれるため、検者によって自動変換されています。】
わぁおなんとご都合能力。異世界の常識の範囲広くない?一応確認してみるか。
「1つ聞きたいんだけどいいか?」
「何よ?」
「ここら辺の人ってみんな今使ってる言語以外もたくさん言語知ってたりする?」
「冒険者ならいろんな所から来た人がいるから色んな言語をしゃべれる人はいるだろうけど流石にここら辺の人みんなが複数言語を知っているって言うのは無茶な話ね。」
「だよなぁ。」
うん。やっぱり常識じゃないよな。となると...常識って言っても実際の常識ではなく...神が『これくらい知ってるっしょ』って適当に選んだ知識の可能性あるな...。それくらい適当な感じするもんなあいつ...。
「なんでそんなこと聞くのよ何か思い出したことでも?」
「いやまぁ忘れてたけど俺かなりの数の言語を習得してたみたいなんだよな。今言語の話をしてて思い出した。」
適当に誤魔化せばバレないでしょ大丈夫大丈夫。まぁ『すごい!すごい!翻訳して!』ってなる可能性もあるがそうならないように上手く誤魔化す手段なんて思いつかないしな。そうなったらなったで何か上手く利用する手段でも考えよっと。
「へぇ。ということはパパに亀蛇語で話しかけられたから無意識のうち返したのかもね。」
「かもなぁ。って待て亀蛇語って言うのかこれ?」
「そうよ?亀蛇王国の公用語、亀蛇語よ?」
「まてまてこの街ってテゴドールだよな?国名と街の名前付け方違いすぎじゃないか?」
「そりゃ国とただの街が同じ名前の付け方するわけないじゃない?」
「そんなもんなのか。」
「そんなもんよ。」
あぁなるほどこれが文化の違いってもんなのか...それともただ日本語にしてるからおかしく聞こえるのかもな。いやでも付け方違うの当たり前だって言ってるし多分異文化ってことなんだろうなぁ。
正直街のことを知るよりこの言語の問題の方が今日は重要な話だったなぁとあとあと思い返してそう俺が考えたのは言うまでもないだろう。
あっちなみにあのあとは世間話をしたというかしてもらって会話は弾んだので昨日に比べてだいぶレーアとは仲良くなれたと思う。ちょっとだけどレーアの笑顔を拝むことも叶ったしな。
どうも!クロウです( 'ω')今回もご覧いただきありがとうございます。今回は由希とレーアの回でした。これまで由希と男どもって言うむさ苦しいペアしかいなかったのでレーアのおかげで少しだけ華やかになったかなぁと思います。まぁレーア女の子らしいこと特にしたわけじゃないですけどね。




