分岐点
前回の続き。
沙織には膀胱炎以外の、それも複数の病名が告げられた。
「神経も影響しているので、率直なところ、いろいろ難しいです。
おしっこ自体はきれいになってますが。
精神安定剤も処方します」
沙織はかなりのショックを受けた。
治りにくいということは、日常生活をおくる上で、多大なダメージになる。
外出して、トイレのことだけで頭がいっぱいだと、落ち着いて買い物もできない。
まして、アイドルとしての活動は至難。
1人だけ紙パンツでダンスはできない。
「事務所を辞めようか」
女性のマネージャーに相談した。
「事務所に話して時間をもらえるように頼んでみる。
さおりんと事務所が直接話し合うのは待ってて。
グループのサイトには、さおりんの復帰を希望するメールがいっぱい届いてるの」
沙織は考えた。
「今すぐに辞める必要はないのかもしれないけど、
アイドルを引退せざるをえない」