模擬戦。
「よっしゃー、勝った方が帰りジュースなー?」
「えぇ~....まあ、いいけど...」
さてあれから色々あって、涼香は生徒会役員共に引きづられて何処かに連れていかれ、俺とライは今から模擬戦と言う訳だ。
ちなみに、審判は須加センセーが代行する事になった。
「おい!!あれ見ろあれ!!栄斗とライが試合すんぞ!!」
「え!?マジ!?」
「見に行こ見に行こ!!」
「わあああああああ」と観客席に押し寄せて来るバトミントン部共。この野郎...そんなに俺が惨敗する姿を見たいってのか...
「ライーーーーー!!!....ゼッッッッッッタイ負けねぇ」
「え、あ...うん、僕も負けないよ!!!」
この観衆どもに俺の強さを見せてやる。
弱点は全部分かってんだ、悪いが負けてもらうぜ、ライ。
「おっらぁ!」
力一杯サーブを打つ。
「....っ!」
俺の全力のサーブを軽く返して来るライ。
これは長い戦いになりそうだぜ...
*****
「マジか...栄斗先輩って強かったんだな...」
「お前知らないの?あの人神奈部先輩とおんなじ位強いぜ?」
「神奈部先輩って関東一位でしょ?......やべー」
「そりゃ先生が引き込みたくなる訳だよ...うわ、あれ取るか」
「でも結局どっちが強いの?」
「....見てりゃ分かるだろ」
*****
「ッッッッックソ!」
ヤバイ、ヤバイ。
息が持たん....疲れて来た....
「はぁ、はぁ...ふっ!」
ライはまだ余裕ありそうだしよ....ヤベェ、このままじゃ...
「おい!お前ら!全然点入らないから一点先取で勝ちな!!」
「いきなりだな!?...ハァ」
ここで突然のルール変更、だが好都合だ。
残りの体力を全てこの一点に注ぎ込める。
俺は飛んで来たシャトルを睨みつけ、大きくラケットを振りかぶった。
「これで...決めるッッッッ!!!」




