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STEP3 Starless 93

 あの二人に対しては、愛美はかなり好意的と言うか、肯定的な発言をしていた。


 二人とも今までのことは完全に清算して、次の一歩を踏み出す決意を新たにしたようだ。


 あの二人なら、心配はないだろう。


 あの二人が問題を起こすとは思えないし、SGAの者達も、わざわざ牽制しに行ったりはしない筈である。


 SGAの五人は――いや、メンバーの幾人かは――そう言うところが妙に優しかったりするのだ。


 しかし、裏腹な危険な部分を持っている。


 その危険な匂いを、この松野と小島は何一つ感じなかったのだ。


 あの彼らの一種異様な雰囲気に、気付かない人間というのも珍しいだろう。


 それと同じぐらい、正義感の強かったあの男も、珍しいと言えた。


「今時、珍しい奴らなだけさ」

 お前らと違った意味でなと、心の中で呟く。


 彼女も、最近の若い女の子のような派手さのない子だった。


 愛美も今時の高校生とは全く違うが、別の派手さが愛美にはあったものだ。


 彼女は、とある会社の事務をしていて、全く目立つところのない子だった。


 私には、そこが新鮮に映ったものだ。


 それが愛美と同じ格好をして、同じようなはきはきとした喋り方をして、表情も真似てみたりすると、何か不自然な感じがしてならなかった。


 彼女にそれは似合わなかった。


 彼女は変わりたいと言ったが、変わってしまったら、彼女のよさがなくなってしまう。


 しかし愛美は変われるよと、励ますような言葉を彼女にかけた。


 たぶん愛美が言うのなら、彼女はいいふうに変われるのではないか。

 そうなれば、愛美という赤の他人を演じるより、よほど彼女のよさが出てくるだろう。


「言っておくが、奴らは正義の味方なんかじゃない。人だって殺すんだからな。殺されるだけで済めば、まだましかも知れないぜ」


 私はそう言いつつも、小島と松野の二人がどうにかなってしまうことを願っていた。


 勧善懲悪、判官贔屓と言われても仕方がないだろうが、やはり悪い行いには報いがあると思いたい。


 そうすると私も、いつかどこかでこんなことに関わった報いがくるのかも知れない。

 それはそれでもいいが、出来ればSGAの人間とは関わりのないところで報いを受けたいものだ。


「へい、へい」

 小島はそう言ったが、何かやってやろうと考えていることは明らかだ。


 もう行くわと小島は言って、私と別な道を歩き始める。


 松野は、私に挨拶もせずにファストフード店に入っていった。


 私はようやく、一人になる。


「馬鹿め。自分が手駒の一つに過ぎないことも分からないんだから。さっさと連絡をとって、こっちもおさらばしないと」

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