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STEP3 Starless 52

 警察もマスコミも、押さえられているので、事件としては公にはなっていなかった。

 その癖、噂は異常なほど、あちらこちらに飛び火している。


 巴の場合は、SGAに関する噂が広まらないようにするのが役目だが、噂が広がるような仕掛けが施されているようだ。


 そうでなければ、こうも広がる筈がない。


 噂というのが素晴らしい効力を発揮することも、その出所が決して特定できないことも、愛美は長門と組んだ殺人ウィルス事件の時に実際目にすることになった。


 それと同じことを、巴がインターネットを使って、愛美達の知らないところで全て整えているのだ。

 巴の情報網ではどうにもならないことが分かる前に、愛美は愛美で独自の調査を展開した。


 結局、巴では駄目だということが分かった時、愛美のやり方は非常に効果的であることが分かった。

しかし、それがもたらした解答は、満足の行くものでは到底なかったが。


 北稜は桜台から近いこともあって、愛美が自分の足で噂の内容を確かめにいったが、聞く人間によって話は若干どころか、かなりの食い違いがあった。


 事件そのものも、尾ひれがついたものか、どんどんその様相を変えていく。


 意図した嘘ならば見抜けもするが、噂話というのは意図せずとも誇大化し、えてして本人はその虚実性を含めて事実として語るので始末に終えない。


 全員の話に共通していたのは、それが女であること。そして、セントガーディアン闇を狩る者という言葉を残すこと。

 それに髪型が、ポニーテールであることの三つだった。


 肝心の容貌は、美少女である場合もあれば、女版ターザンであるとか、全く普通の子だとか、まちまちで手がかりにはならない。


「巴の情報ガードは、鉄壁やもんな。真似されたら手も足も出んか」


 SGAの情報機密の保全は、完璧だと自負していた巴だったが、その完璧さが今度の件では落とし穴になってしまったのだった。

 皮肉な話である。


「噂の方でサイトを調べてみると、結構セントガーディアンの話は流れてるみたい」

 

 愛美は、手元の紙に書き込みを続けながらも、必要なことを 東大寺に話すのは忘れなかった。


「それから、パソコン関連機器のカスタマイズしたものとか、グレードアップしたものとか、セントガーディアンの名前で売ってて、結構売れてるみたいよ。あくまでも違法だから、買ったっていう人間が名乗りをあげることはないけど」


 東大寺は手持ち無沙汰なのか、いたずらにお絞りを畳んだり広げたりしている。それでも、考え込んでいる顔付きは、愛美と代わりなかった。

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