表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/399

STEP2 皆殺しのJungle 54

 巴は普通の子供らしく微笑んで、愛美に駆け寄ると、自分から彼女の手を握った。


「いえ。三人とも驚かせてやりましょう。僕とお姉さんと、東大寺さんとで」


 愛美も嬉しそうにうんと頷いて、今度は『赤鼻のトナカイ』をハミングする。


 先ほど綾瀬と話をしていた時は、愛美はこれほどまで機嫌はよくなかった。

 その時は、破壊テロの件で、綾瀬に喰ってかかっていたぐらいだ。


 依頼を受けた長門だけでなく、愛美も現場に居合わせたらしい。


 午後八時神田駅発の電車が、仕掛けられた爆弾で電車が横転し、負傷者合わせて五十名を越す大惨事となった。


 爆弾処理の依頼は、警察内部からあったものだ。


 新聞社、テレビ局、幾つかの雑誌社、そして桜田門。他にも医療機関や弁護士と、SGAの掴んでいるコネは様々な職種に及んでいる。

 依頼を受けた関係などから、後々も便宜を図ってもらったりしている。


 長門によって未然に防がれた神田駅爆破以外の件は、警察内の揉み消しにあい、破壊テロは一ケ所だけだということにされた。

 警察の枯券に関わるという訳だ。


 それだけではない。

 内部の権力争いから、神田駅の爆弾処理に、長門が関わることができなくなったのだ。


 もちろん長門は、勝手に動いた。


 爆弾が仕掛けられているのは電車だと言ったのも、長門だ。

 長門の意見を入れていれば、十分事件は回避できたに違いない。


 避難させていれば、二人の死亡者も出さずに済んだだろう。

 神田駅爆破事件は、警察によって引き起こされたものだ。


 しかし長門は……。


「長門さんは悪くないわ」


 愛美は、拗ねた子供のように唇を尖らせる。


 長門は、SGAにくるまでずっとBJ〈Bloody Jack〉という殺し屋の組織の構成員だった。

 物心ついてずっと、人の死と隣り合わせに生きてきたのだ。


 長門は個人的に、BJに関係があると見られる事件の情報を、周期的に巴から引き出していく。

 巴はその為に、インターネットでアメリカの事件の情報にも目を光らせていなくてはならなかった。


 もちろん、長門から報酬は受けている。


 長門の過去に何があったのかは分からないが、組織を抜けてもなお、BJの動向には気をつけていた。

 もしかしたら追われているのか、それとも対抗するつもりかのどちらかなのかもしれない。


 今度の爆破事件は、BJのメンバーが誰かに依頼されてやったもののようだ。

 長門は二ケ所までは爆弾を始末したものの、警察に阻まれて、電車に仕掛けられた爆弾を処理することは適わなかった。


 それは当然、長門の所為ではない。誰も、長門が悪いとは思わないだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ