序章 〜 一日の始まり 〜
夏の時期、蝉の鳴く音と風鈴の音が響く季節。暑さは風に揺られ、人に暑さを伝えさせる。雲が無い青空には太陽の光が眩しいぐらいに暑い。この暑さでも、元気が絶えない所があった、それは_。
村の奥にある一つの寺『幸屋寺』には、何故か巫女が居る。理由は未だに不明。分かることは、彼女が巫女をやる前から巫女をやってた者が居たらしい。
この寺は昔からあり、妖怪や魔物の退治や人々の依頼をこなす仕事をしてる。どんな魔物や妖怪でも、どんな依頼でもこなしてきた。
幸屋寺
賽銭をすれば幸運が来ると言われる寺『幸屋寺』。寺なのに参拝客や信仰者があまり居ない、来るとしたら此処に遊びに来る人が多い。
理由は二つ、一つは寺の者に妖怪の血を継ぐ者が居る。もう一つは、彼女が人外を嫌っていないからだ。信仰者や参拝客は減るいっぽうで遊びに来る人は増えていく、寺として大丈夫なのかと思うが、誰も気にしてはいなかった。
五月蝿い…。
寺の中でのんびりとお茶を飲んでいた女性が正座をしながら外の景色を見た。
長い黒髪を細長い帯で髪を結んでいた、服は白い服に赤い長スカート。見た感じ、二十歳ぐらいの巫女だろう。
彼女の青い瞳に映った景色は黒い帽子_と、いうより魔女帽子といった方がいいだろう。長い茶髪、黒と白ローブ、箒。どうみても、魔法使いだろう。
もう一人は金髪に紅いリボンで片方だけ結んでいた、黒を強調したゴスロリの服に背中に生えていた悪魔の翼。彼女は吸血鬼、緑の瞳を持つ吸血鬼だ。
昼から何故か、この二人が戦っていた。理由は分からない。どうせ、くだらない理由だろう。
昼から馬鹿と吸血鬼が戦ってたら静かにお茶が飲めないわ、かと言って止めるのも面倒だし。
思わず深い溜息をついた。
箒に乗りながら飛翔術を使い、空を飛んだ時、白い光で描かれた術式を描いた。
「デルタレイ!」
光で出来た光の弾が四つ出てきた時、光の弾が吸血鬼の少女へと向かってきた。
少女はナイフを持ちながら後ろへとバク転をしながら避けて行き、翼を大きく広げて斜めへと飛ぶ。
ナイフを両手で強く持ち大きく振り下げた時、白い光で描いた術壁を作った。突き刺すナイフが術壁に当たり、鉄の音が響く。
吸血鬼の少女は後ろに下がり無数の蝙蝠を呼び出し、少女に向かって来た。
少女は上へと逃げて行くと、蝙蝠が追いかけて来た。その時、箒から飛びおり、蝙蝠の群れを横ぎって行く。
手を伸ばし、白い光で描かれた術式が大きくでた。光の粒が術式へと集まり、光をました。
「喰らえ!スターダスト!!」
術式から放たれた光線は真下にいた吸血鬼の少女へと行くと、少女は無意識に翼で防ぐが、光線の威力が強すぎて地面に叩きつけられた。
少女は帽子を手で押さえながら箒に捕まり、下へと降りる。
「俺の勝利だぜ」
「…負けました」
その言葉を聞いた時、少女は服を払いながら「よしっ」と、呟いた。
その時_。
「あんた達…少しは静かにしなさい!」
「なんだよ、黒夢。お前も戦いたいのか?」
「やるわけないでしょ」
黒夢_それが彼女の名前、正式に言えば黒鐘黒夢になる。黒夢は呆れて溜息をついた。
その時、吸血鬼の少女が口を挟んできた。
「茄木砂が駄目なら貴方の血を貰うわ!」
「…あんた、馬鹿?簡単にあげる奴なんていないわよ」
茄木砂とは魔法使いな名前、正式に言えば霧崎茄木砂になる。
黒夢は冷静に答えると吸血鬼の少女がナイフを持って言ってきた。
「なに言ってるの?無理やりに決まってるじゃない」
「あ、そう」
吸血鬼の少女が素早く黒夢に近づき首元を噛もうとした時、黒夢が持ってた鞘に入った刀を吸血鬼の少女の腹部に当てる。さらに、黒夢が吸血鬼の少女を蹴り飛ばす。
「私を狙うなんて百億年早い!」
「手加減…して…よ」
吸血鬼の少女はクラクラしながら言うが、黒夢は腕を組みながら首を横に振る。
はっきり言えば吸血鬼の少女が先に襲わなければ、鞘で殴られる事や蹴り飛ばす事もしなかった。
茄木砂は呆れながら溜息をついた。
「大丈夫かよ、エルシー?」
「だ、大丈夫わよ」
「(絶対、大丈夫じゃないだろ…)」
エルシーとは吸血鬼の少女の名前だ。
茄木砂はエルシーに手を貸そうとした時、エルシーが手を払った。
「こうなったら、無理にでも吸ってやる…!」
「やれるものならやってみなさい!」
黒夢が鞘に入った刀と桜が描かれた鞘に入った妖刀を出した。
妖刀・緋桜とは、龍を斬ったと伝わる妖刀の事。
黒夢が妖刀をエルシーに向けるとエルシーがナイフを持ちながら走り出す。ナイフは黒夢の首元に刺そうと突き刺すが、黒夢は二本の刀で防ぐ。
黒夢が防いでる時、エルシーが一後ろへと下がった。
「飛燕翔!」
エルシーが高くジャンプすると、斜めに翔けるように行きナイフを切り払う。黒夢は横に避けて行き一本の刀を鞘にしまい、妖刀を弓に変えた。
_換装術。武器を違う武器に変える魔法の事、彼女の場合は弓や槍、太刀に変える事が出来る。
黒夢は一本の矢を放った時、矢が光に変わる。光の矢は四に分かれ、左右斜に飛んできた。
エルシーは蝙蝠を呼び出し、蝙蝠で光の矢を防ぐ。その隙に黒夢に近づき、ナイフを持って突き刺そうとしたその時、黒夢はギリギリの距離で避け、左手に持っていた矢をエルシーの首元に突き付ける。
「勝負あり、ね」
「……」
エルシーがナイフをしまった時、黒夢は矢をしまい、弓から妖刀に変えて鞘にしまった。
「流石だな黒夢」
「そうでもないわ、あの距離じゃナイフで斬り下げられ可能性が高かった」
「そうなのか?」
先が読まれてる。
あの時、黒夢が矢を持ってなければナイフで斬り下げるチャンスだった。
エルシーが悔しそうに手を強く握る。
その時、一人の少女が通った時、時間が止まった。少女が術式を描くと、上から赤いハンマーが大量に出てきた。時間を動かした時、ハンマーが落ちてきた。
「ピコレイン!」
「「え⁉︎」」
黒夢とエルシーに大量のハンマーが当たり、ハンマーに埋れてしまった。
状況が分からない。分かるとしたら、ツインテールをした少女が急に居た事だけだ。
茄木砂は目を丸くしながら驚いた。
「喧嘩をしないって、あれほど言ったでしょ」
「いつから居たんだよ、シオン」
シオンという少女は後ろを振り向き、茄木砂の方を見る。
「今来たけど?」
「マジかよ」
「マジです」
シオンはニッコリしながら答える。
「あんた…私が何かしたって言うの…!」
「喧嘩したじゃない」
「彼奴が喧嘩を売ってきたのよ、私は悪くないわ」
どうみても黒夢も悪いだろ。
茄木砂は心内で突っ込みをした。
「疲れた!お茶でも飲む」
「俺にもお茶をくれ」
「私にも」
「白黒、私にもお茶を出しなさい」
「俺にも」
一瞬、沈黙をしたが、茄木砂が誰だか察したのか驚かなかった。
「何でレイガが居るをだよ」
「仕事帰りの寄り道にな」
「あ、そう」
レイガ_それが彼の名前だろう。
黒夢は深い溜息を尽きながらお茶を作った。
何もない平凡な一日、何も変わらない平和。彼女達は知らなかった、歯車が狂い始め、大きな事がおこる事など…。
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