表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お人よしのオオカミさん  作者: ふちか
狼男”ライカン・スロープ”
9/25

人の階級 ~アルセ~

今回は初めて別のキャラからの視点で始めたいと思います


進むと思っていた方もうしわけありません


よろしくおねがいします

~人の階級 アルセ視点~


今、私の傍らには男の子がいる。

名前は司狼。

異世界からお父さんが、呼び寄せてお父さんの力を受け継いだ人。

前髪を隠すように、少し伸びた前髪。漆黒を思わせるような深く深遠の黒い髪。包み込まれるような漆黒の瞳。私よりも背が大きく、異世界で鍛えていたのであろう。やせ細っているように見えて、その下にある屈強な体はとても頼もしく思えた。

お父さんの力を受け継いだ司狼は、その力に溺れるでもなく、逆にその力を人助けに使ってくれるとも言ってくれた。

嬉しかった。

嬉しかったんだよ?

司狼。

お父さんの力は、強大。

一国を、半日で壊滅させられるほどに……。

それを、金目的や殺し目的で使わずに、「必要最低限……殺さない」と言ったのは、司狼が優しいからかな。

信じてるよ。

司狼。

……でも、その後に抱きしめられたのはさすがに恥ずかしかったかな……。

私だって女の子なんだよ。


司狼はこの世界のものが珍しいらしく、いろいろなことを質問してきた。

「あの街は何?」

「あの生き物は?」

「今どこら辺?」

などなど。

この世界に興味が尽きないらしい。

私はそんな司狼の質問に、この世界を好きになるように、丁寧に質問して言った。


竜車を操っている初老を迎えた老人が、

「それじゃぁ、ゆっくり行こうかね」

と聞くと、司狼は

「すみません、ありがとうございます!」

と元気な返事をした。

外の景色に夢中になっている司狼を、老人と一緒に温かい目で見守っていたのは司狼には秘密だ。



白銀の森を出て、竜車に揺られ、少しすると遠くから見てもさみしいと感じる町が見えてくる。

最低の階級を持つ人々が住む町”ポアー”。

いつ来てもこの町は好きになれない。

町には活気なんてものはなく、人々は食べ物にさえ飢え、壊れたもろもろのものは捨てられずにそのままになっている。

町に入ると、司狼は足元に転がっている木材に躓き、転びそうになっていた。

それを、不思議に思ったのか辺りを見回し、私に質問をした。

「アルセ、この村は?」

まぁ、当然の質問だろうね。

だから、私は胸が痛んだもののこの世界の階級について、話し始めた。

だけど、

「だから、何事にも劣っていると思われている人間は、結果的に最悪の階級になってしまうの……」

と私が話していると、周囲の空気に圧力が増してくる。

全身にかかる圧力は、私の行動を制限する。

痛いくらいの空気。

全身を殴られているような感じ。

その圧力を放っているのはもちろん。

司狼。

歯をギリッと噛み締め、拳は限界まで握り締める。

漆黒の髪は、ピンと逆立っている。

今までで、初めて感じる感情。


ーー恐怖。


目の前の男の子が怖い。

今すぐにここから離れたいぐらいの殺気。

これが……人間?

いや、司狼はもう既に人間ではない。

では、天狼族の力?

それでも、たった数ヶ月でここまでの怒気を出せるのか?

わからない、そもそも”継承の儀”自体私はよく知らない。

このことについては後から考えよう。

今の問題は目の前の司狼。

「大丈夫?」

となるべく刺激しないように優しく声をかける。

一瞬、驚いたような顔をしたが、

「ごめん、少し待って……」

といい、胸に手を当て深呼吸をし始めた。

二,三回吸って吐いてを繰り返し、落ち着いたのだろう。

一瞬、顔を歪めたが、どこか苦しいというわけでもないだろう。

瞼を開けるといつもの司狼の顔があった。

私を拘束していた圧力はすっかり消え去り、開放感を得た。

もう大丈夫だというので、

「本当に?」

と聞くと、

「大丈夫だって、さすがにショックだったけど、大丈夫」

と笑ってくれた。

だから、私も笑って見せた。

顔を真っ赤にさせてそっぽを向いているけど、私おかしな顔をした?

おかしな司狼。



「それにしても、この村には何しに来たの?」

「あれ?まだ言ってなかったけ?」

おや?

「言ってないよ……」

わざとらしくため息をつく。

「あれぇ?アハハ……。馬車の中でしゃべったと思うのにな」

と苦し紛れの言い訳。

本当は言っていない。

ごまかすように最後は小声で!

「お~ま~え~は~、また用件をっ!」

と俊敏な動きで私の体を拘束し、こめかみに拳を当てる。

司狼が密着してる~。

そう思ったが、襲ってくるのはこめかみに激しい痛み。

いたい!いたい!

なにこれ!?

「いたいっ、いたいっ、いたいっ」

なんとか、はがそうとするがそうも行かない。

司狼が人間なら楽勝なのだが、今はもう天狼族に近い。

男と女だ。

勝てない……。

少しショック。

だから、少し魔法を使おうとして……やめた。

大人気ないし、司狼とくっつけるのはいいし……。

痛いけど……。

「ちゃんと、用件を言ってから、行動してな」

そういうと離してくれた。

少し寂しいがそれよりもこめかみが痛い。

「あぅ~」

なみだ目になっているのが自分でも分かる。

「くすんっ。とりあえず、立ち話もなんだし宿に行こう?」

「それもそうだな」

特に反対するわけでもなく賛成してくれた。


所々人の気配がしたが、司狼が殺気を放ち始めた時点でくもの子を散らすように逃げていった。

司狼は気づいてないんだろうな……。

とりあえず、宿に行くことにした。

それにしても、

「あの力はいったい?」

少し調べて見よう。

そう思った。

割と早めの更新ですかな?


テスト期間中になにしてんだ(殴


まぁ、本格的に入る前に更新しておきたかっただけです!


今回は別視点からの、物語に挑戦してみました


どうでしたか?


お楽しみいただけたでしょうか?


少しでも楽しいと思っていただけたのなら幸いです


そして、毎回見てくださっている方々


お気に入りにいてくださっている方々


本当にありがとうございます


がんばって物語りを楽しくしていこうと思うのでよろしくおねがいします!


例のごとく、誤字脱字や感想などがあれば遠慮なく言ってください


次の更新は……未定ですw

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ