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お人よしのオオカミさん  作者: ふちか
森の中の一騒動
7/25

旅立ち

今回で森から抜け出します


司狼君の口調が安定しないorz


早く固定せねば……


グルズを無事に3体倒し、アルセは約束どおり、この森から出ようと言った。

もちろん、俺は断る理由はない。

二つ返事でオーケーした。

そのために、グルズを倒したんだし、早くこの世界を見て周りたかった。

そして、もはや定番になったフェンの亡骸の前。

ここが一番安全で、俺達の寝床になっているからしょうがない。

うん、しょうがない。


「え~と、それじゃ持っていくものは……」

そう言って、リュックにいろいろな物を詰め込んでいく。

食料や硬貨、薬草など旅に必要そうなものを突っ込んでいく。

おいおい、そんなに入るのか?

すでにリュックはパンパンだ。

だが、アルセはかまわず突っ込んでいく。

ド○エモンの秘密道具?

まぁ、いいや。

突っ込まないでおこう。

「あ、そうだ!司狼!お父さんの爪を貰ってきて?」

「ハァ!?」

「いや、だって司狼は武器を持ってないでしょう?私達、天狼族は……特にお父さん”天狼王”だった、お父さんの素材は、切れ味や耐久力も最高級のかなり強い武器が作れるの」

「それで爪?」

「そうっ!」

そういって、胸を張る。

タユンと胸が揺れるから、目に悪いです、アルセ……。

俺はそんなアルセから、微妙に目をそらしながら、

「売ってる武器とかじゃぁ、ダメなのか?」

そうすれば、わざわざフェンを傷つけずに済む。

「そうでもいいんだけど……いいのも、そう簡単に売ってないし……」

「というと?」

「たま~に、ホントにたま~にだけど、魔族が呪いをかけてたり、誰かが死んだいわく付きの武器だったり。それに……」

「それに?」

「真面目な話、生半可な武器じゃ司狼の力に耐え切れないの。もう自分の力が常人からかけ離れてるのは分かるでしょう?」

こくんと頷いておく。

「だから、お父さんを使うの」

なるほど、ノコギリみたいなものか。

ノコギリも、コツを掴むとほとんど力を入れずに切る事が出来る。

だけど、なれない初心者はわからないから、力の限りやろうとする。

そうすると、刃こぼれも早い。

つまりはこういうことだ。

過ぎた力は、壊すだけ。

いや、ちょっと待てよ?

「アルセの武器は?」

「私?そんなの持ってないよ?」

「え!?なんで?」

以外だった。

武器は大切だ。

見たいのことを言ってるから自分も何か使っているのかと思ったのだが……。

「私には魔力があるからっ!」

「魔力?」

よく漫画の主人公とかが、使う便利な力か?

さすが、異世界。

そんなのもあるとは。

「魔力って言うのは、ようするに世界と干渉できる量みたいなものだよ?ようするに……」

……ふむ、アルセの話を聞いている限り。

この世界でいう”魔法”とは世界から力を借りているという感じらしい。

魔力が高いほど、世界との仲は良くなり様々な力を貸してくれるということだ。

要するに、フェンから魔力なしと言われた俺は世界とは仲良くなれない。

逆に魔力がある、アルセは世界と仲良し。

簡略すると、そんな感じらしい。

「要するに、魔法を使うから、武器は必要ないと?」

「そうそう、私の魔力って高めでね?この世界でも十の指に入るくらいなの。だから、大丈夫っ!」

自分には下手な武器より、強力なものがあるってことか。

まぁ、いまいち魔法とか実感がわかないが、本人が大丈夫と言ってるんだから大丈夫だろう。


「んじゃ、ちょっと貰ってくる」

「ん、もらってら」

……略語って異世界でも使うのな。

そして、準備を再開したアルセを背に、俺はフェンの近くに寄った。

独特の獣臭の中に、乾いた血の匂いが鼻を刺激する。

あれから、一ヶ月近く経ったが気高い狼は、そのままの威厳を残して、立ち続けていた。

俺は一言、

「ごめん……」

と、断りを入れると、自分の腕よりも大きく、太い鋭利な爪をフェンの体から、引きちぎった。

剥がす際にブチブチブチッと筋肉と繊維が、千切れる音がしたが、もともと猟師まがいのことをしていたため、あまり気にしない。

心が痛いことは変わらないが……。

続けて、二本目を掴み……千切る。

「貰っていくよ、フェン」

抜いてしまった2本の爪があった場所ーー今は肉がむき出しになっているーーを痛々しく思いながらも、御礼を言った。


2本の爪を両肩に背負うと、想う。

重い。

フェンの爪は重い。

重量的に重いのではなく、精神的に。

この爪で、いままで、どのくらいのものを壊したのだろうか。

今まで、どのくらいの種族を壊してきたのだろう。

この爪で、どれほどのことをしてきたのだろうか。

そして、この爪でどれほどの命を守ってきたのだろうか。

爪は、所々が欠けていたり、変色したりしていた。

それは、この人が世界を種族を守ってきた証。

この人に負けない強い男になろう、そう思った。

まだ見ぬ武器、これから共に戦場を駆ける相棒に思いを馳せて。


アルセの所に戻ると、もう荷造りは終わっていた。

ちらっ、とリュックを見る。

あれ程パンパンだったリュックは、スラットシテイタ……。

よし、ツッコムよ?

いい加減にツッコムよ?

「そのリュックは何なの?」

「へ?これ?これは、”バッキュ”っていう旅のお供だよっ!」

リュックをこっちに見せびらかすように、見せてくれる。

「これはね、中が異次元に繋がってるの。だ・か・ら、この通り。まったくふっくらとしないでしょ?」

「なるほど、納得」

まぁ、リュックは置いとく。

「とりあえず、2本持ってきたよ。これで大丈夫?」

「うん、十分だよ?……重いでしょ?」

最後は、聞こえづらかったがしっかり聞こえた。

「うん。重いよ……」

アルセもちゃんと、分かっているようだ。

それもそうか、父親だもんな。

「お父さんはね、自分の体一つで、これまで戦ってきたの。暴れる魔物を討伐したこともあるし、戦争に単身乗り込んで、終わらせたこともあった。そうやって、強引ながらもお父さんはいろいろなものを守ってきた。だからねーー」

そこで俺は遮った。

言おうとしてることは分かる。

「俺にもそうあって欲しい……だろ?」

小さく頷く。

「大丈夫。最初は小さなことしか出来ないかもしれない。いや、それしか出来ないと思う。だけど、俺はあきらめないよ?俺の血に、魂に、フェンが宿ってるんだから、そんな恥ずかしい真似できるわけないよ。俺は絶対に、フェンと肩を並べる。約束するよ」

フェンから貰ったこの力。

無駄には絶対にしない。

「なら……大丈夫だねっ!頼むよっ!!司狼!!」

そういうと、手の平をこちらに向け、上に上げた。

……そういうことか。

俺はニヤッとする顔を、こらえながら同じ風にする。

「いくよ!!」

「ああ!!」

ハイタッチ。

パチーンと心地よい音と共に手を合わせる。

こうして、俺の短くも、内容の詰まった一ヶ月は終わった。

人助けの旅。

楽しみだ。

まずは、ここまで読んでいただいてありがとうございます!


所々おかしいかもしれませんね


申し訳ありません


誤字・脱字などがあればよろしくお願いします


次の更新は……未定ですね




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