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お人よしのオオカミさん  作者: ふちか
狼男”ライカン・スロープ”
22/25

異変

なんか……今までにないアクセス数で驚愕しました……

「どうした?」

「落ち着いてる場合じゃないのっ」

ぐいぐいと俺の腕を引っ張ってくる。

何時も大抵のことには落ち着いているアルセにしては珍しい行動だ。

だから俺は落ち着いて、

「何があった?まずは落ち着こう」

「う、うん、ごめんね?それでねまだ、大変な事にはなってないんだけど……ちょっと可笑しい状況になってるの」

「というと?」

「さっきのミノタウルスが攻めて来た」

「!?それ大変な事じゃないのか!?グラシオさん、行きましょうっ」

グラシオさんに言っても動いてくれる気配がしなかった。

目をつぶって何事か考えている。

そして、目を開いた。

「あなたも落ち着きましょう、司狼様」

「え?あぁ、はいすみません……」

しまった、何か争いごとかと思って焦ってしまった。

アルセに落ち着けって言ったばかりなのに情けない。

「それで?アルセ様、何が大変なのですか?」

「それがね?ノソノソと歩いてきて、広場の中心に仁王立ちで立ち尽くしてるの」

「……え?それだけ?」

「うん、それだけ。今のところは」

「んじゃ急ぐ必要もないかな?」

「ちがうの、そいつ何かがおかしいの」

「何が?」

「あのね?ハーデさんが近づいていって確かめたんだけど、ハーデさんにも反応無し。何故か目も虚ろだし、よだれ何か垂れまくり。拭おうともしないの。おまけに始終周りを見渡していて、まるで誰かを探しているみたい……」

……なにがしたいのか?

最初に吹っ飛ばした時にはあいつはハーデさんに夢中だった。

あれだけ下卑た性格だったら、ハーデさんが近づいたらまた捕まえようとするはずだ。

だけどしなかった。

それは何故か?

単純だ。

それを忘れさせるほど他に目的があるからだ。

想像はつく。

まぁ嫌な想像ではあるが……。

「十中八九、目的は司狼様でしょうね……」

「え?そうなの?」

俺はグラシオさんの意見にコクンと賛成の意図をしめした。

「さっきの腹いせで俺に仕返しをしようって腹じゃないですかね?」

「まぁ当人を見ていないのでなんとも言えませんが……それが一番有力な思考ですね」

「ですよね……」

「ミノタウルスは獣人の中でも怒りやすいタイプですので……。屈辱的だったのではないですか?」

「ん~……」


~アルセ視点~

司狼たちはあれが屈辱的だとかで片付けようとしている。

あれは怒りで我を忘れているとかそんなものじゃない。

第一怒りで我を忘れているなら、この町に到着した時点で暴れまわっているはず。

そんなことをしないのはまだ”知性”が残っているからだと思うのっ。

だけど司狼たちはさっさと結論を出してしまった……。

あぁ、考えに没頭して発言してなかった……。

まぁ……大丈夫だよね、司狼なら。

あんなやつちょちょいのちょいでやっつけてくれるはず!

危なくなったら私もサポートするし、”自由な鍛冶屋『フリー』”もいるし。

大丈夫、だよね?

だけどなんだろう、この拭えない不安は……。

司狼……。


~司狼視点~

まぁここで何か言っていても仕方ないか。

「どうした?アルセ」

「う、ううん?何でもないよ!?」

「そ、そうか?まぁ直ぐ終わらせるから。俺の武器も出来たし」

「え!?出来てたの?」

「うん、アルセが出て行ってから作っちゃった。かなり唐突だったけど」

「……なら心配はないのかな?」

「ん?」

「なんでもないよっ」

いくら聴力が上がってもボソッと喋られると分からないものだな。

恐らく心配してくれているのだろう。

大丈夫。

不思議と負ける気がしない。

この”グラム”のお陰だろうか、恐怖心よりも気持ちが高揚している。

まるで子どもの頃に父さん母さんにおもちゃを買ってもらった時のようだ。

「それじゃ、俺行って来ます」

「待ってください、私も行きましょう。”グラム”もですしサビィも心配です」

「うし、それじゃ行きますか!」


~in 広場~

目の前にミノタウルスを捉えた。

あ~、確かにおかしいな。

目の焦点があってないから頭を動かしているんだけど何処を見ているのかわからない。

よだれが垂れて既に足元に小さな水溜りが出来始めているが、そんなものを気にしないとでもいうように首を動かし続けている。

少し距離を取って声を掛けてみた。

「お~い、来たぞ?」

すると反対方向見ていたミノタウルスがピクンッと体を揺らし、首を千切れんばかりにグリンッと向けてきた。

キモッ。

おまけになんかこの辺、変なにおいがする。

アルセたちは気にしていないのだろうか?

気にしていないようだ。

しばしこちらを見ていた?ミノタウルスは突然奇声を上げた。

「──────っ!!!???」

三人とも、いや、この町にいる全ての人がその耳を塞いだだろう。

かくいう俺も聞こえた途端に、耳がひりひりと痛くなるほど早く耳を塞いだ。

その音がとても嫌だったからだ。

例えるならそうだなぁ。

黒板を爪か金属で引掻いたみたいな?

とにかく背筋がぞくぞくってしそうな、嫌な音。

これ生き物の鳴き声じゃないだろ!?

だがミノタウルスはその奇声を発しながら右手を前に突き伸ばした。

「なにするつもりだ!?」

「わかりません!」

「────────っっ!?」

ミノタウルスの右腕がうねり始める。

まるで波打つように腕が振動する。

そして生物では目の前で繰り出された光景は予想斜め上を行く結果だった。

「な!?触手!?」

ミノタウルスの腕から何本も生えてくる触手。

それが全て、俺目掛けて迫ってくる。

「しまっ!?」

反応が遅れたっ。

間に合わない!?

瞬間、激しく真っ赤な鮮血が地面を濡らした。

いやもう、ほんっとうに、ありがとうございます!


なんかお気に入りをしてくれる方も増えて、評価してくださっている方も増えてくださり、ものすごい嬉しいです


というわけで今日は更新する予定はなかったのですが……嬉しすぎて昼の時点の早めの更新をば^^


さて、ここからこの章の佳境に入っていきます


相手を弱いものと決めつけて不意打ちをくらった司狼君……


さて次の話ではどのように活躍するのでしょうか?


お楽しみに♪


蛇足ですが、特別な名前


例えば自由な鍛冶屋 フリー


とあるとします。


長い分だと上手く上にルビがふれないので


それを”自由な鍛冶屋『フリー』”


と書くことにします


読みにくいとは思いますがよろしくおねがいします

~~~


さて次の更新ですが……


未定ですね(笑


なるべく早くしたいと思います

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