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お人よしのオオカミさん  作者: ふちか
狼男”ライカン・スロープ”
18/25

見ちゃいけなかった

ここではまぁ簡単なことだけ……

さぼってて申し訳ありませんでしたっ!

俺たちは何度も何度も目の前の光景が信じられずにいた。

何度も目をこすり、瞬きをしこれが夢でないことを嫌でも信じさせられた。

途中アルセに頭を叩いてもらい痛みで目が覚めるのではないかと思ったのだが、それも杞憂に終わった。

いくら現実逃避してもこれは現実だ。

そう紛れも無い真実。

俺たちは今、自分の目を疑っている。

それは何故か。

目の前の光景を受け入れたくないからだ。

そう目の前から「そいやっそいやっ」

なんていう、祭りの時みたいな掛け声が聞こえてきても現実。

冬……この世界に季節があるのかわからないが、少し肌寒い風が吹いているにも関わらずふんどしで剣で素振りをしている人がいるのも現実。

ほとばしる汗がこちらに飛んでくるのも現実……。

このままじゃ埒があかないのでアルセが先陣をきった。

「……グラシオさん……何してるの?」

はい、これが現実……。


まぁ少し時間を遡って状況を整理しようか。

あの話の中で俺は”自由な鍛冶屋”

がどんなことをしているのか。

どんなことができるのかを知った。

常人では作れないような世界に誇る職人。

そんな人だから俺は屈強な筋肉。

厳しくも優しく弟子に教える師匠。

世界から一目置かれる匠。

それが俺が話を聞いた中で思った自由な鍛冶屋だ。

ほら、よくテレビで映るじゃないか。

そんなバラエティみたいな番組が。

だから俺は内心ドキドキしていた。

鍛冶屋に対して厳かって言うか厳格というか……。


そして俺たちは自由な鍛冶屋がいるという家まで歩いた。

街中を歩いてみるとアルセが言っていたことがよくわかった。

ちゃんと耳を澄ませば人がいるのだ。

ただ家の影に隠れてこちらの様子を伺って出てこないが……。

まぁ要するに怖がられているのだろう。

そりゃそうだ。

自分と同じ種族だと思っていたよそ者がミノタウルスなんていうバケモノを倒しちまったんだから。

そりゃ警戒もするわ。

俺はこの状況がなんとも歯がゆい気がして頭をガシガシと掻き乱した。

「それにしても、司狼は自分の武器は決まったの?」

「ん?あぁ決まってるよ。」

「へぇっ!どんなものなの!?」

「そうだなぁ……。やっぱり大剣かなぁ。よく屈強な男がでかい剣振り回して敵をなぎたおしていくじゃない?そんな風ならいいなって思って」

「へぇ~。かっこいいんじゃない?」

「そうか?」

「うんっ。いいと思うよ」

「ありがとっ」

俺はそう言ってアルセの頭をぐしゃぐしゃと撫でた。

アルセの髪って不思議なんだよな。

何故かいい匂いがするし、髪がまるで川みたいに指の間を擦り抜けていく。

触っていて飽きないんだよなぁ。

「ちょ司狼待って、やめてやめてっ」

「いいじゃないかうりゃうりゃ」

「やめってってば~。乱れちゃう!」

そうアルセで遊んでいるとツンっと鼻をつく匂いがした。

「うおっ!?」

その匂いが我慢できなくて思わず鼻をつまんだ。

「なんだこれ!?」

「へぇ……司狼も分かってきたんだね。遅めだけどちゃんとお父さんの力は受け継がれてきてるみたい」

俺はこの匂いを慣らしながら徐々に鼻から手を離した。

「何これ……」

「司狼が今嗅いだのは魔力の匂いだよ」

「魔力の匂い?」

「そう、私達は魔力が持つそれぞれの匂いがわかるようになってるの。司狼は今、鼻がツーンとしてるでしょ?」

俺はコクンとうなづいた。

「その匂いを覚えておいてね。便利だから……それはね、魔力が強いものが持つ特有の匂いだから」

「なんで便利なん?」

「それは今の司狼が逃げやすいため。いい?今の司狼が一人でその匂いのする人が近くにいたら全力で逃げて?」

「俺、結構戦えるよ?ほら、ミノタウルスだって倒した?んだし……」

「あんなのと一緒にしちゃダメ。この匂いのする人は本当にバケモノって言われるレベルなんだから」

そうかな?

実際問題、今の俺なら負ける気はしない。

足だって速くなったし力も強くなった。

どこに負ける要素があるっていうんだ?

まぁいいか。

その時はその時だ。

「わかった。その時はアルセを呼ぶよ」

「本当に?約束だよっ」

「おうっいいぜ?指きりしてもいいくらいだ」

あれ?

アルセの反応がない。

見てみると頭に?マークを浮かべている。

どこか可笑しいところがあったか?

聞いてみると

「指きりって何?」

とのことらしかった。

そうか知らないんだなぁ。

「いいか?指切りっていうのはなぁ……小指出してみ?」

「んっ」

俺の言うとおりに素直に小指を差し出す。

俺はその小指に俺の小指を絡めた。

「わっわっ」

小指を絡めたらアルセが赤面したが大丈夫だろうか。

まぁいい。

続けよう。

「これはな?絶対約束を守りますって言う証だ」

俺がこれからいうことを続けてな?

というと絡めた小指を凝視している。

異文化の文化って興味津々になるもんな。

「「指切りげんまん嘘ついたら針千本の~ます」」

そう言って指を離した。

「これで俺がアルセの約束を破ることは無いっ」

「うんわかった。信頼してるよ?司狼……私を一人にしないでね……」

「うん?」

最後の方が聞こえなかった。

「なんでもないなんでもない!」

「そうか?ちょっと顔色悪いぞ?」

「そんなことないよっ。ほらっ、問題だよ!この匂いはどこからする?」

「どこって……」

四方八方に顔を向ける。

すると一方だけ匂いが微かに強い方向があった。

そこにはこの町では当たり前のボロ小屋が、他の家とは少し離れたところにポツンと建っていた。

「あそこ?」

俺が指を指すと。

「正解っ」

俺たちはその小屋へ向かった……。

そして冒頭である。

え~まずは新年のあいさつをば


あけましておめでとうございますっ


今年も僕ともどもこの小説をよろしくお願いします♪


いやぁ早いものですねぇ……


僕がこの小説を始めてもう『去年』になるわけですかぁ……


ちょっとしみじみしてしまいますね(汗


それにしても皆様は風邪とかひいたりしていませんか?


朝はまた冷え込んできましたからね


僕も毛布をもう一枚追加しました^^


体調管理には気をつけてくださいね


それではあとがきなのかよくわからなくなってしまいましたが……


次回の更新は……


なるべく早くしますorz

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