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お人よしのオオカミさん  作者: ふちか
狼男”ライカン・スロープ”
13/25

お互いに隠し事

早い段階で更新します


一万アクセスを無事に超えました


お気に入りにしてくださっている方々、応援してくださる方々に深く感謝の言葉を……

「そんなことを言っている場合か!?」

ハーデさんがその白髪の老人に叫んだ。

老人は穏やかな顔を浮かべ、髪をオールバックにして上げている。

こちらを優しそうに見守る空のように青い瞳は包み込まれるような不思議な感覚に襲われる。

そしてこの町で初めてみた服と認められるような燕尾服。

この町の人々は大体ボロ布をワンピースのような形で着ているのだがこの老人は黒を身に纏い正直に言うとこの町から少し浮いていた。

なんだろう、この人。

どこか、フェンと似ている気がする。

「怒ってばかりいては見えるものも見えなくなってしまいます……まずは落ち着いてみたらどうですか?」

「しかしっ」

「では、サビィ様?この町の……いえ貴方の人生を助け出してくれた恩人を何時までも疑い続けるのですか?」

「それは……っ」

「それによく考えてみてください……。こんな成人もしていなような少年がこの町を蹂躙するような悪党に見えますか?」

「だが私は、この村を守るものとしてっ」

「その前に貴方は一人の人ですよ?サビィ様」

「くっ」

老人がそう言うとハーデさんは何も言うことが出来なくなり、重たい沈黙が俺達を包んだ。

ハーデさんが反論するのだが老人はただ否定するのではなくて相手を尊重する様な言い様で話し合いをしている。

俺だったら完全に一方通行な言い合いになっていただろう。

ハーデさんも少しバツの悪そうな顔をして、椅子に座りなおした。

「分かったよ、グラシオ。シロウ達もすまなかった……」

先ほどまでとは違って落ち着いた声。

だが、その声質の中にもまだ疑いの音が聞こえる。

全信頼をしているのではないのだろう。

俺も老人が用意してくれた飲み物を飲んでみる。

「アツっ」

あ、熱い?

そんな馬鹿な。

こんな熱さ普通に飲めていたぞ?

……まて考えろ。

今の俺は天狼族の力を受け継いでいる。

フェンが確かこんなことを言っていたような……。

『人よりも天狼族に近い体になる』

ふむ、つまりこういうことか。

”猫舌になった”

……しょうもなっ!?

え!?

オオカミって猫舌なの!?

まさか、こんなことにまで影響が出るとは……。

少し遠い目をしていると、

「熱かったのですか?」

老人がこちらを心配そうな青い瞳で見つめてくる。

「いえ、大丈夫れす。猫舌らのを忘れてまひた」

「だ、大丈夫?」

アルセも心配してこちらを見つめてくる。

「舌だしてみて?」

「べー……」

「あや、真っ赤になっちゃってるねぇ……」

「まひか……」

これから真面目な話し合いが始まるところだったのにタイミングの悪い……。

一人かつぜつが悪い何てかっこ悪いし、みっともない。

そんな未来に少し絶望していると、

「シロウ様。カップをこちらに渡して頂けますか?」

老人がそういうので、カップを差し出した手に渡した。

「これは失礼しました……。私としたことがお客人にお怪我をさせてしまうとは……。」

「待てグラシオ……」

「しかし……」

「無駄なことに使うな」

先ほどとは立場が逆転。

今度はハーデさんが強い口調で、老人を止めている。

老人が何かをしようとしているのをハーデさんが止めているようだ。

「……かしこまりました」

老人は小さくため息をつくと、こちらに向き直り、

「それでは氷を入れて来ますので少々お待ち下さい」

「い、いえいえこちらこそすみません……」

「御気になさらないで下さい。こちらの不手際です」

そういうと老人は優雅に奥へと姿を消した。

「すみません、あの方は?」

そういえば名前をまだ聞いていなかった。

何時までも老人、老人では失礼だ。

「ふっ、自分の正体は明かさないくせにこちらのことを聞くか……」

俺は息を呑んだ。

今それを言われると何も言えなくなる。

ハーデさんは嘲る様に笑う。

まぁ、こんな風に言われるのは俺のせいだが流石に最初の態度と比べると完全に俺達は敵として認識されているのだろう。

「まぁいい……そうだな、名前はグラシオ・メンテというらしい。グランテはこの町の近くを飢えて倒れていたのを助けた。どうやら、かなり遠くの国からやってきたようでな。何処から来たのかはわからん。だがやつについてどうこう言うつもりは無い」

俺達と対応がちがう。

「それは……どうしてですか?」

「教えるわけがないだろう?」

ハーデさんはこちらを冷たい視線で射抜く。

「……どうぞ」

何時の間にか戻ってきたメンテさんが持ってきた飲み物はキンキンに冷えていて飲もうとはしなかった。

ただいま13000アクセスを突破!


2200ユニークを突破!


お気に入りが30を突破しましたw


こんな小説を評価してくださっている方々本当にありがとうございます!!


嬉しかったので今回は早めの更新とさせていただきます


この小説を書き始めて早2ヶ月……早いものですね


それではまだまだお人よしのオオカミさんは続きますので応援のほどよろしくお願いします^^


例のごとく感想や誤字脱字などがあれば遠慮なく申し立ててください


☆★☆


オオカミは猫舌というネタでしたが、そのことは仮面ライダー555の主人公を参考にしていますw


それではっ


次の更新は……未定ですね(苦笑



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