第6話: ヒロシの家にお泊まり!?ドキドキの到着
みなさん、こんにちは!
今回はついに、ヒロシの部屋にお邪魔する回です。
ドキドキしっぱなしの夜の始まり…果たしてこの先、二人の距離はどうなるのか!?
ぜひ、最後まで読んでくださいね。
第6話: ヒロシの家にお泊まり!?ドキドキの到着
そして、私たちの計画は始まった。
お互いの心が近くにあるように見せ、同じ部屋で暮らし、日常を共有する…そんな深い愛の物語を作り上げる。
家族や友人の前では、恋人として振る舞いながら、日々の小さな問題も一緒に乗り越えていく――。
ちょっと大胆で、先が見えない計画だった。
日がゆっくりと暮れ、カフェが静かになったころ、
俊郎おじさんが柔らかく笑った。
「家は俺が手配する。準備ができたら連絡するよ」
「俊郎おじさん…ありがとう…」
思わず声が少し震えちゃった。
他のみんなも口々にお礼を言ってくれた。
帰る時間になり、ヒロシが私を出口まで送ってくれる。
カフェのあたたかい灯りの中、ヒロシは真剣な顔で私を見た。
「…この状況、変だってのはわかってる。でも、勘違いすんなよ。途中で投げ出す気はねぇ。どんな問題が来ても、一緒に乗り越える」
その言葉が胸にじんと響いた。
少しだけ、この嘘を続ける覚悟が固まった。
「ありがとう、ヒロシ…あなたがいなかったら、私、どうしていいかわからなかったと思う…」
彼の顔に安堵が広がったけれど、すぐにそっけない表情に戻って、頬をほんのり赤くした。
「…チッ。お前、他に選択肢なかっただけだろ。」
でも、その口元には小さな笑みが浮かんでいた。
「ま、ひとつずつやっていけばいい。」
(そうだ…私には他の選択肢なんてなかった。ここで断ったら、両親にどう説明すればいいかわからない…あの悲しそうな顔は、もう見たくない…)
みんなと別れたあと、ヒロシが私の荷物をちらっと見てから言った。
「ほら、荷物貸せ。そっちのほうが効率的だ。それと…今日はうちに来い」
「えっ…ヒロシの家…?」
心の中でドキドキが一気に跳ね上がる。
(なんで安心する気持ちもあるんだろ…変なの…)
バッグを渡すと、指が一瞬ふれた。
その瞬間、心臓がきゅっとして、頬が熱くなる。
たった一瞬だったのに、胸がいっぱいになって、息を忘れそうになった。
ヒロシも私の顔を見て、すぐ視線をそらした。
頬はうっすら赤い。
「な、なんだよ…」小さくぼそっと呟く。
それだけなのに、予想外の気持ちが胸に広がった。
次の瞬間、彼は私の手をぎゅっと握り、指を絡めたまま軽く力を込めた。
そして私のバッグを肩にかけ、視線を合わせずに静かに言った。
「…行くぞ」
私はこくんと頷いた。
「うん…ありがとう、ヒロシ…」
夜風が少しひんやりして、街の灯りがひとつ、またひとつと点いていく。
空には小さな星がきらきらと光っていた。
(…9月12日。本当なら今日は婚約発表の日だった…
でも今、私は両親が“婚約者”だと思ってる人と歩いている。なんだか不思議…)
ふと横を見ると、ヒロシも夜空を見上げていた。
(…初めて並んで歩くはずなのに、なんでこんなに懐かしい気がするんだろう…)
ここまで読んでくださってありがとうございます!
ヒロシのツンデレ全開なシーン、書いててニヤニヤが止まりませんでした(笑)
次回はさらに二人の関係に変化が…?
それでは、また次の話でお会いしましょう!