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これぞ私の理想のデート

 今日はお茶するだけだと思っていたけど、こんなデートチックな事できるのちょっと嬉しいけど…


 「なんでもう手繋いでるんですか?」


 「嫌ですか? 嫌ならやめますけど」


 「いや…ではないですけど…」


 「では、このままで」


 さっきまで爽やかに見えていた笑顔が、裏では何を考えているのかわからず、怖さと少しの期待が交差していた。


 少し歩くと、大型ショッピングモール、『KOKOsika.katan』へ着いた。初対面なのに、買い物はちょっとしんどいな〜。やっぱり取扱説明書を最後まで見てもらって、それを受け入れてくれる人じゃないと無理かな私…。実際の取扱説明書にも、『最後までお読みください』って書いてるのあるぐらいだし。


 中に入ると、石井さんの手が私の手を優しく握りしめられながら、連れて行かれると、今流行しているにゃんパンケーキがある、『猫さんのお布団』と言うカフェに行き着いた。


 「待って、ここ最近オープンした今超人気なお店。私こう言うお店好きなんです!」


 「よかった、こう言う店喜びそうだなと思って。まぁ、中に入ろうか」


 店の前に展示されている、模型のパンケーキを、目をキラキラさせながら私はかぶりついていた。


 「あ、はい…」


 しまったぁ。張りつきそうなぐらい見てしまってたよ。私、こう言う男の人が入りにくいお店、凄く好きなんだよ〜。希ちゃんは、あまりこう言うお店好きじゃないみたいで、なかなか行けなくて、来れて嬉しぃ〜。しかも、これ、取扱説明書に書いてた。


 ◯男の人が入りにくいお店でも一緒に来て欲しい。その分、私もどこでも付いていきます。


 ってね。サラッとしか見てないのに案外みてくれてるんだ。


 さっきコーヒーを飲んだ私たちだったが、私は緊張してまたアイスカフェオレを頼み、石井さんは提供してくれたお水で良いそうだ。人気のパンケーキは1日限定30個。テレビでも紹介されて、先着順で整理券を貰って入れるはずなんだけど… 何で入れたの? 手を引っ張られるまま着いてきたけど、私達ズルしてるんじゃ?


 「あの… 私達本当にここ入って良かったんですかね? 予約とかもしてないですけど…」


 「あ、予約していたから大丈夫だよ」


 なぬ!!! なんで? 私達違うカフェにいたよ? カフェ行くのに違うカフェ予約する? これがサプライズ!? なんか訳がわからないけど、私の為に予約をとってくれたなら嬉しい…


 しばらく待っていると、お待ちかねのパンケーキが!


 ぷるるんっ。


 ぷるぷる揺らして運ばれるパンケーキ。私達の机に置かれると、


 「かんわいぃーーー!」


 下層には昔ながらのしっかりとしたパンケーキだけど、ナイフとフォークで優しく押すとふっわふわ。そして、その上には猫ちゃんが寝ているではありませんか! さらに! 猫ちゃんの上には、スフレパンケーキの掛け布団! あぁ、食べるのが惜しい… このまま造パンケーキにしたいぐらいだよ。



 食べないとダメなのに食べたら無くなると言う現実が、私の腕を止める。


 「食べないんですか?」

 

 「た、食べます… でもこれを崩したくなくて…」


 「あ、ちなみにこの猫さん、食べ終わったら綺麗にしてくれて持って帰れるみたいですよ」


 え、そうなの。砂糖菓子とかじゃないの。恥ずかしながらも、食べ進める私。チラッと見ると、優しく包み込まれる様な笑顔で私を見ている。食べる姿見られるの恥ずかしいけど、『僕が可愛いと見ているのは猫ちゃんじゃない、刹那だよ』と言われている様な感じがして、何だかそれも悪くないと思ってしまった。さっきまで裏の顔がチラついて居たのに、もうそんな事は頭から吹っ飛んでしまっていた。


 「美味しい〜。石井さんは甘いものお好きなんですか?」


 「んー、嫌いじゃないけど、普段はあまり食べないかな。刹那さんが喜んでくれるだけで僕は十分だよ」


 良い。良い! 嘘をつかずちゃんと言ってくれるけど、嫌々ここに来ていないと言葉にしてくれる。理想だ〜、これが理想のデートだよ。



 その後は、買わなくても色々なお店に一緒に回ったり、私がじっと眺めていた『わたあめパチパチ』のキーホルダーを店を出る時に渡されて、これ私欲しいな〜って思ってたの!みたいな事もあり、買い物した物は、何も言わずに当たり前の様に持ってくれて、いたせり尽せりなデートだった。ちなみに、『わたあめパチパチ』は今人気のキャラクターで、キャラの顔をムギュッとすると、食べた時のパチパチ食感が手に伝わると言う物。そう、私はミーハー女子。可愛い物なら何でも好きだし、流行っていると聞くだけで、惹かれてしまうの。


 

 KOKOsika.katanを出て、次はどこに行くんだろうと私はすでにワクワクしていた。だが、さっきまで繋いでいた手が離れてしまった。

読んで頂きありがとうございます。

引き続き宜しくお願いします。

応援して頂けたら幸いです。

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