第60話:護衛任務開始 & 旅路の幕開け
新たにしつらえた短剣を持ち帰り、俺は護衛任務の準備を進めた。市場の改革が一段落し、交易路の安全確保が最優先事項となっていた。
「今日は久しぶりの護衛任務だな」
ギルド前に集合すると、すでに護衛のメンバーが集まっていた。俺を含めて4人、そのうちの一人は以前の依頼で顔を合わせたことのあるベテラン冒険者だった。
「お、町田か。今回もよろしくな」
陽気な声をかけてきたのは、ガルヴァスという大柄な男だった。彼は長年護衛任務を経験しており、その実力は確かだ。
「ガルヴァスか、頼りにしてるぞ」
「おうよ! まあ、気を抜くなよ。最近の襲撃はただの盗賊じゃないらしいからな」
俺たちは護衛対象となる商隊と合流し、出発の準備を整えた。今回の商隊は6台の馬車を連ねており、主に生活必需品を運搬しているようだった。
「さて、問題なく進めばいいが……」
商隊のリーダーである商人が、不安そうに馬車の手綱を握りながら言う。俺は軽く頷きつつ、周囲の警戒を怠らないようにした。
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旅路が始まって半日ほど経過した頃、何事もなく道を進んでいたが、ガルヴァスが急に手を挙げて馬車を止めた。
「待て、何かいる」
森の奥からかすかな気配を感じた。風が止み、不自然な静寂が辺りを包む。
「……待ち伏せか?」
俺はすぐに身構えた。これまでの報告通り、ただの山賊とは違う組織的な敵が現れる可能性がある。
「町田、後方の馬車を見てろ。俺は前の様子を探る」
「了解」
俺はすぐに後方へ向かい、武器を構えながら警戒を強める。
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次の瞬間、森の中から黒い装束の男たちが飛び出してきた。彼らは素早く馬車に取り付き、的確に商人たちを狙っている。
「やはり来たか!」
俺は素早く動き、召喚を発動した。今回は事前に準備していたアイテム——『鉄板』を召喚する。
「くらえ!」
上空から鉄板が真っ直ぐに落下し、敵の頭に落ちる。4mm程度の厚さの鉄板が頭蓋を砕き、頭を真っ二つにした。
「おぉぃやるじゃねぇか、町田!」
ガルヴァスが引き攣った顔で叫んだ。
戦闘が激化する中、俺たちは必死に商隊を守るため、敵に立ち向かっていくのだった。