第19話:召喚士 vs. Aランク冒険者
模擬戦の準備が進められる中、俺は自分の力を最大限に活かす方法を考えていた。
「透、本当に大丈夫? ケションはAランクの冒険者だよ!」
リーナが不安そうに声をかける。確かに、経験豊富なAランクの戦士と戦うのは無謀かもしれない。だが、ここで逃げるわけにはいかない。
「まぁ、やれるだけやってみるさ」
俺は深呼吸し、まずは足元を強化することにした。
「……召喚!」
頭の中に思い描いたのは、いつも履いていたナイキのスポーツシューズ。少しでも素早く動けるようにと願いながら、召喚の力を発動する。
次の瞬間——
俺の足元に、見慣れたランニングシューズが現れた。
「え、靴?」
リーナが目を丸くする。
「透、それは……魔道具?」
「いや、ただの運動靴だ。走りやすいんだよ」
周囲の冒険者たちがザワつく。
「なんだあれは……」「妙な靴だな」「足が速くなる呪具か?」
俺は靴を履き替え、軽くステップを踏んで感触を確かめた。これなら少しは素早く動ける。
そして、次は武器だ。
「……召喚!」
今度は武器を思い浮かべる。俺が選んだのは、東京マルイの **MP5 A5電動エアガン**。
異世界では弓や剣が主流だが、俺の世界では銃火器が圧倒的に有利な武器になるはず。
そして、俺の手の中に黒光りするMP5が現れた。
「な、なんだそれは!?」
観客席の冒険者たちが一斉に驚きの声を上げる。
ケションも目を細め、俺の手元の銃を見つめていた。
「……面白いな。だが、そんなもので俺に勝てるのか?」
モーニングスターを握りしめながら、不敵に笑うケション。
「まぁ、試してみるさ」
俺はエアガンのグリップを握り、模擬戦の開始を待った。
こうして、異世界での初戦闘が始まる——!