第11話:異世界の衣服事情
リーナとチョコレートを食べながら話しているうちに、この世界の衣服事情についても知ることができた。
「透の服、本当に不思議だよね。こっちの服はたいていジュートやリネンで作られてるけど、そんなに滑らかな生地は見たことないよ」
リーナは自分のローブの袖をつまみながら言う。それは少しゴワついた質感のもので、手触りも粗い。
「やっぱり、布の作り方が違うんだろうな。そっちの服って、高級品なのか?」
「うーん……布にもよるけど、高級品の服は貴族や金持ちしか着られないね。普通の人は中古屋で買ったり、お下がりを直して着ることがほとんどだよ」
リーナの話を聞きながら、俺は改めて自分の服がこの世界では異質なものだと実感した。
「透は服を探してるんだよね? だったら、仕立て屋の新品は高いし、中古屋を見てみたら?」
「そう思ってたところだ。でも、俺が今着てる服が珍しいせいで、仕立て屋向きだと思われてるみたいだな」
「そりゃそうだよ、そんな整った服着てたら、お金持ちに見えちゃうもん!」
リーナはくすくすと笑った。
「そうだ、私が中古屋を案内してあげるよ! ここの店主はちょっとクセがあるけど、良いものを安く売ってくれるの」
「本当か? それは助かるな」
「もちろん! それに、透の服のことももっと知りたいし!」
リーナの言葉に、俺は少し驚きながらも頷いた。彼女の好奇心は尽きないらしい。
こうして、俺はリーナと共に、中古衣類を扱う店へ向かうことになった。