第6話 アルテミスと×××
ぜぃおりゃあーぁああぁーー! ファンタジックぅ一本背負いッッ(笑)!!!
正しい皇帝というものは、野外でエッチするものだよ。諸君。はははは。
それから、俺とアルテミス姫は野外の、きれいな草の上で二人で大人のロンドを踊った。ロンド。ロンド~♪
「・・・あうンッ♪ 素敵です。陛下ぁあ・・・ッ」
なんていうの、二十歳のスレンダーむちむちボディが、野外の中で弾けて弾む感じってすごいんだよねー。あーあ。思い出してしまう。昔の社畜生活のこと。こんなグラビアクイーンみたいな体を俺はずっと抱きしめたかった。抱きしめたかった。その体が今、目の前にある。
あああ。
俺は社畜時代思い描いていたんだ。
すごくスレンダーで体の線がきれいな女の子と、野外で好き放題にエッチする。女の子は、エッチ好きで、俺のことを好きで、ムチャクチャに積極的に二人でエッチするんだ。
そうやって、一人、ゲーム会社で社畜をしながら、カップラーメンをすすって、来世のゲームの世界に転生したら、絶対にイケメンになってこの願いを叶えてやろうと、ひとりずっと思っていた。
その夢が、今・・・
「エッチは楽しいですね。アデルバイド様」
「うん・・・野外はスリルがあって、ものすごく盛り上がるな。アルテミス」
さんざ、ハッスルした後、俺とアルテミス姫は湖で体を洗って、そこから、リュートンの用意していたバスローブを二人でつけて、夏の野外の涼みを満喫したんだ。
エッチで火照った体が、湖での水浴びと、野外の風の爽やかさで適度に心地よくなって行く。
異世界の美形の裸の女の子と、水浴びをして、二人で夕涼みを味合うことも俺は何度も前世で妄想していた。
俺を好きな女の子が、裸で湖で夕涼みをしたら、どんな風に楽しいんだろう。
・・・俺、今、すごく楽しい。生きててよかった・・・。
アルテミスありがとう。
アルテミス姫がそのとき言った。
「あのね。私、アデルバイド様のハーレムに加われたことすごくうれしかったです」
「そうか?」
「ほんとです。私、暮らしもできない貧困の産まれだったから。アデルバイド様に拾ってもらって、それで今の生活ができるようになったから」
「うん。そいつはよかった。俺としても、お前をハーレムに加えられてうれしい」
ただ、夕涼みの中、水を飲むグラスを手に持った明るく快活なアルテミス姫の顔が、一瞬曇った気がしたんだよ。
どうした? アルテミス姫? 聞いてみよう。
前世で思い描いていたことがある。
女の子の悩みを解決してメチャクチャ好かれること。有能で、ムチャクチャデキる男になる夢。それは、アカデミア姫で叶ったけど、俺は、今、もっと、その夢を叶えたい!!!!
「なんだ? アルテミス。気になることがあるなら言ってみろ」
「あっ、ッ。そんなことなくて!!!!」
アルテミス姫が否定したが、妙に気になる感じだ。なにかアルテミス姫が隠してる気がする。
これは皇帝として女の子の相談に乗ってメチャクチャ好かれるチャンスだ。やってやろう!!!!
「いいから言ってみろ。俺は皇帝だぞ。お前の望みならなんでも叶えてやろう」
「あっ・・・それじゃあ」
アルテミス姫はスレンダーで快活な体を一瞬縮こませるように言った。
「私、水もない村の出身だったんですよ。アデルバイド様。水がない場所で生きるのってすごく辛くて。毎日水のことばかり考えてたんです。それで今の生活になってから水を得られるようになったんですけど。村の人間とか、水がない場所で生きてる人のことがすごく辛くて。自分が水を飲むとき、ときどき苦しくなるんです」
ふーん。なるほど。水がないのは大変だな。そりゃテキトーに解決してやろっかな?
むふふ。
皇帝だ。前世考えていて、世界をちょっとしたことで改変する知恵とかいっぱい作ってたんだ。
その知恵は平凡な社畜でしかない俺には叶えられないで、口にしたら夢物語とバカにされるけど、皇帝の俺ならば、スケールでかく叶えられる知恵なんだ!!!!
さあ!!!! それを使ってやろう!!!!
「では、皇帝として俺がやってやろう。聞け。アルテミス。人工の川を作るのはな。川から棒で線を一本村まで引くだけで出来るんだ。それがわかるか?」
「えっ? どういうことです。アデルバイド様」
「水が流れてるとするな。そこに線を一本棒で引くと、そこに水が溶けて行って、水の流れが線に入り込んでくる。これをせんかわと言ってな。たった一人の人間がただ、川から線を引くだけで人工の川ができる。お前が気になると言うなら、俺がすべての水が行かない帝国のすべての貧困の地域に、一人だけ俺の金で人工の川を作る労働を作ってやろう。どうだ?」