バレンタイン記念 チョコレート
今回は転生したら平和に暮らそうと思っていたのに最強の能力を手に入れてしまった! ~転生した少年がチート能力で完全無双~のバレンタイン番外編です。
時間軸がどうしても本編とずれてしまっていますが、設定は普通に学園生活を満喫しているシンたちです。
プリンとかなかったのにチョコとかねぇだろ。
っていう意見は受け付けません。
番外編なので、多少の設定無視は許してください。
「シン、今日は何の日かわかる?」
ミコが俺によくわからない質問をしてくる。
「今日は魔法の月(2月)の14日だな。特に大きな用事はなかったはずだが」
「シンはわからないかもね」
「俺が分からない?どういうことだ」
「今日はバレンタインなのよ」
「好きな人にチョコを送る日」
「バレンタイン、、、、、、、、、、、、あぁ思いだした。前の世界でもあった行事だ。前世のバレンタインは確か女性が好きな男性にチョコを送る日だったな。この世界のバレンタインもそれと同じなのか?」
「えぇ。好きな男性に女性がチョコを送る日よ」
「っていうわけで」
「「ハッピーバレンタイン」」
ミコとセーラは同時に俺にチョコを差し出した。
「あ、ありがとう」
俺はそれを受け取る。
そして「収納」に入れる。
「放課後にじっくり味わって食べさせてもらうよ」
「えぇ。そうして頂戴」
「それじゃあ行きましょうか」
俺たちはそうして再び学園に向かって歩き出す。
そうして教室に着くなり。
「シン。ハッピーバレンタイン」
隣の席のゼミルが俺にチョコを渡してくる。
「ありがとう。美味しくいただく」
俺はチョコを「収納」に入れる。
「あ、シン君シン君。ハッピーバレンタイン」
すると、近くにいた女子が俺にチョコを差し出してきた。
すると、
「あ、私も私も」
「私も。ハッピーバレンタイン」
「あー先行かれた。ハッピーバレンタイン。シン君」
近くにいた女子が次々俺にチョコを差し出してくる。
すまんが差し出してきた女子の名前が分からん。
俺は基本的に他人に興味ないからどうでもいい人間の名前は覚えていないのだ。
「皆、ありがとう」
俺は苦笑で誤魔化しつつ「ストレージ」にもらったチョコを入れる。
その後も続々と女子からチョコを貰っては「ストレージ」に入れていく。
その日は休み時間になると、他のクラスの女子までやってきて俺にチョコを渡してきた。
確か義理チョコだっけか。
にしても、前の世界合わせてこんなにチョコを貰ったのは初めてだな。
チョコ自体は仲の良かった姉妹が毎年渡してきたのを食べたのを覚えている。
あいつらは元気にしているだろうか。
だいぶ冷たく接してしまったからな。
せめて幸せになってほしいものだ。
俺が前世を思い出して物思いにふけっているとユアからの「念話」が届いた。
(シン、放課後に生徒会室によってくれない?)
(いいけど、何かようか?)
(まぁちょっとね)
(まぁ了解)
(ミコとセーラと一緒に来てね。二人にも同じ連絡を入れてあるから)
(了解)
俺は「念話」を切った。
そのまま普通に授業を受けて、生徒会室に移動する。
コンコン
「ユア、いるか?シンだ」
「入っていいわよ」
俺はユアの許可が出たので室内に入る。
そこにはユアだけじゃなくて、ユイもいた。
まぁ二人が一緒にいることができるのにわざわざ一人でいるわけもないから当たり前と言えば当たり前なのだが。
「それで、要件は?」
「それはね」
「「シン、ハッピーバレンタイン」」
二人は俺に向かってチョコを差し出してきた。
なるほど、そういうことか。
「二人ともありがとう」
そうして俺は「収納」にチョコをしまった。
「ごめんなさい。本当は休み時間に私の方からシンに会いに行こうと思っていたのだけれど、囲まれちゃって」
「「「あー」」」
俺、ミコ、セーラの声が重なる。
ユアは生徒会長として学園で大人気だ。
バレンタインのチョコを渡したい人だってたくさんいるだろう。
「いや、それは災難だったな」
「ユイに「テレポート」で助けてもらったの。そのまま貴方達のクラスに移動しようとしたら、今度はユイもまとめて囲まれちゃって」
「しょうがなく、生徒会室に避難した」
「それで、休み時間でこれなら放課後はもっとヤバい。ってなってしょうがなく「念話」でシンたちを読んだ」
「なるほど」
「とりあえず、要件はそれだけよ」
「いや、ありがとう。寮で美味しくいただくよ」
「そうして頂戴」
「それじゃ、俺らはおさらばしますかね。じゃバイバイ」
そうして俺は「エリアテレポート」を使い、寮の部屋に戻った。
「どうしたの?まるで逃げているような感じだったわよ」
「ユイがさっさと出ていけって目をしてたから」
「ユイが?」
「多分、まだユアにチョコレートを渡せてないんだろ」
「なるほどね」
「さてと、俺は皆からもらったチョコを食べますか」
俺は「ストレージ」からチョコを出して食べる。
すると、ミコとセーラがじっと俺を見つめてくる。
「どうしたんだ?」
「いや、私たち以外のを食べるんだなと思っただけ」
「そうそう。私たちが一番最初にあげたのに」
二人はどうやら拗ねているようだ。
俺はそんな二人を可愛く思いつつも俺がミコやセーラのチョコをすぐに食べない理由を言う。
「俺は、好きな物は最後に食べるタイプなんだ」
「「!?」」
二人の顔が真っ赤なったのを見ながら俺はチョコを食べ進めていった。
ユイ視点
今日はバレンタインデー。
お姉ちゃんにチョコを上げる日だ。
今は休み時間だ。
朝、渡そうとしたのだけれどタイミングを逃してしまったのだ。
なので、今からお姉ちゃんの教室に行って私に行く。
私は「テレポート」を使い、お姉ちゃんの教室の近くに行く。
すると、
「ちょっと、みんな落ち着いて」
「会長。チョコ受け取ってください」
「俺のも俺のも」
「私のも受け取ってください」
「僕のもお願いします」
お姉ちゃんが囲まれている。
これは大変だ。
私は「テレポート」でお姉ちゃんの真横に転移する。
「ユイ?」
「お姉ちゃんは私のだから貰っていきます」
私は今度は「エリアテレポート」を使い、お姉ちゃんと一緒に空き教室に転移した。
「お姉ちゃん。大丈夫?」
「えぇ、大丈夫だけど。助かったわ」
「良かった。お姉ちゃんが人気なのは当たり前だけど大変だね」
「シンにチョコを渡すつもりだったんだけど。これじゃ移動もままならないわね」
「しょうがない。お姉ちゃん、放課後にシンたちを生徒会室に呼ぼう。こっちが移動できないなら来てもらおう」
「呼ぶのはいいけど、結局生徒会室までは移動しなきゃいけないじゃない」
「私は「テレポート」で迎えにいく。お姉ちゃんは放課後になったら教室で待機しといて」
「なるほど。じゃあそれでお願い」
「任せて」
その後、約束通り放課後になったら、お姉ちゃんを「テレポート」で回収して生徒会室に転移する。
そしてシンにチョコレートを渡す。
シンは気を遣ってくれたのかすぐに生徒会室から出ていった。
「お姉ちゃん」
「ん?どうしたのユイ」
私は「収納」からチョコレートを取り出す。
「ハッピーバレンタイン。お姉ちゃん」
「うふふ。ありがとう。ユイ。じゃあ私も」
そういうとお姉ちゃんは「収納」から包を出して私に差し出す。
「ハッピーバレンタイン。ユイ」
「ありがとう」
私はそれを喜んで受け取る。
「ねぇ。ユイ」
すると、お姉ちゃんが話しかけてきた。
「どうしたの?お姉ちゃん」
「ユイはシンと私以外の誰かにチョコをあげた?」
「?あげてないけど」
「そうならよかった」
お姉ちゃんはなぜだかわからないが安堵しているようだ。
そして私はお姉ちゃんに質問をする。
「お姉ちゃんこそ、私とシン以外の誰かにチョコレートあげた?」
「あげてないわよ」
良かった。
シンには普段から色々お世話になっているからチョコレートを渡すのは普通だから問題ない。
そして私に渡してくれるのも勿論問題ない。
もしお姉ちゃんが他の人に、男の人にチョコレートをあげていたら私はその人を殺さないといけない。
シンに協力してもらえば暗殺なんて楽勝だろう。
シンって普段の様子だけだと割と温厚でミコとかセーラとかの方が殺しとかに躊躇なさそうだイメージだけれど、その実一番殺しとか拷問とかに躊躇いがないのはシンだったりする。
勿論、ミコやセーラもそういうのに躊躇いはないがシンはそういう発想がすぐに出てくる。
私とシンはよく話す。
あるとき雑談で「お姉ちゃんに私以外の好きな人が出来たらどうしよう」。
って相談したことがある。
その時のシンの回答はこうだった「そのユアの好きな人を殺せばいい。それでユアが悲しまないのならユアにとってはその程度の人間でユイの心配しすぎだっただけ。もし悲しんだのならユイがそれに寄り添ってあげればユアの中のユイの好感度が更に上がる。そして殺すことができる技術はミコに仕込まれているはずだ。それにもし何か困ったことがあればこっそり俺を頼れ。どうにかしてやる」
うん、普通に頼りになるよね。
と言った感じなのでシンが一番殺しとかに躊躇いがないと思う。
まぁ今はとりあえず置いといて。
お姉ちゃんに他に好きな人がいなくてよかった。
その後、私たちはお姉ちゃんの部屋でお互いにチョコレートを食べさせ合うのだった。
シン、ミコ、セーラ、ゼミル、ユア、ユイは滅茶滅茶モテます。
顔がよくて家柄もいいセーラ、ゼミル、ユア、ユイ。
そして顔がよくて強くて王女とのパイプもあるシンとミコ。
ユアに関しては異性同姓関係なく持てます。
本人はユイ以外眼中にないですが。
ホワイトデーにはこれの続き?というかシンのお返しの話を書く予定です。




