あ~!なろうがあってよかった~!
みなさんは想像したことがありますか?
なろうのない世界を──
私はみなさんより歳を取っているのでその世界線を知っていますよ。
なろうが出来る前は、みんなそれぞれのホームページで自作発表していたことを!
ガラケーから紡がれる「携帯小説」なるものが流行っていたことを!
更にその前はプリンターで印刷した自作小説を封筒に入れ、そのやたら重いブツを公募先に郵送していたことを!
更に更に前には公募の数自体が非常に少なく、ひとつの文学賞に一年の創作意欲をこれでもかと全て注ぎ込んでいたことを!
もっと言えば、作者同士が交流する機会なんて、文壇と部活と同人界隈以外にはほとんどありませんでした。
田舎にいる作者はどこに行くことも出来ず細々と小説を書き、
「こんなおかしなものを書いているのは私だけではないのか?」
という孤独に押し潰され、友人にもそのやたら重そうな小説を「読んで♪」などとは言い出せず、そのまま公募に出し玉砕を繰り返します。
傷ついても誰にも心情を吐露することなく、ひっそりと心に未発表小説の墓標を立てて弔う。
そんなことを、何度も何度も……。
少し前までは、こんな悲劇が各地で繰り返されて来たのです。
なのに、なろうが出来てからその世界は変わりました。
なんとなろうではプロだろうが素人だろうが、その気になれば読み合いや交流が出来てしまうのです!素晴らしい!
感想が来れば、自作のいいところや悪いところ、誤字脱字なんかも指摘してもらえたりします。
もちろんSNSで繋がることも出来るのですが、なろうのいいところはすぐに彼らのユーザーページに行き着けるところです。
「感想をくれたこの人は、こんな作品を書いている(読んでいる)んだな」
「こんな作者をお気に入り登録しているんだな」
とすぐに察することが出来ます。
その方の作品を読むことはもちろん、その方の読んでいるブックマーク、果ては評価まで見ることが出来るのです。
すると、自作を読みに来た方々が、どういった傾向でどういった作品を好んでいるのかがすぐに分かるわけです。
下手したら性癖暴露大会ですよ?
そこに深く踏み込んで行くと、そこから自作の成長の鍵が見つかったりします。
新しい作品の萌芽がそこで見つかるかもしれないのです。
それに、みなさん。
「小説家になろう」にいくつ作品があるか、知ってる~?
100万作品!
……あと5万作品。
これだけの作品が書かれているという事実って、すっごく心強いと思いませんか?
それだけ作者がたくさんいるってことが分かります。
し・か・も……
登録者数がどれだけいるか、知ってる~?
約250万人。
これだけの人が自分の作品を見てくれる可能性があるって、凄くないですか?
パソコン黎明期以前、公募に出しても下読みさんと編集者数名、片手で足る人数にしか目を通してもらえなかった作品が、なろうに発表するだけで少なくとも10人程度、上手くいけば何万人にも見てもらえるんです。
すごいことですよこれは!
クラスや職場で自作を10人に目を通してもらえる機会ってありますか?
ないですよ!
しかも「続きは?」って言ってくれる人がどれだけいると思います?
普通いないですよ!素人の作品ですよ?「まさかお義理で言われたんじゃ……」って逆にこっちが気を遣ってしまうほど、ありえないことなのですよ!?
でも、なろうの感想欄にはたまに現れるんです。自分の作品を待ってくれる人が。
そしてもっとすごいことがコレ!
タイアップコンテストが常時行われている!
公募勢からするとWeb応募可になった一番の恩恵はコレでして、応募タグをつけてしまえば未完であっても出版社から見て貰えるんですね。画期的!
今までの公募は完結作でないと見てくれないことがほとんど。しかも、あんまり長い大作は提出できる所が限られていました。
けれど、Web小説サイトは自由な長さでも見てくれる公募がたくさんあるのです。
まさに「小説家になろう」は、誰にでも作家になれ、研鑽を積め、交流が出来るという素晴らしい可能性を秘めたサイトなのです。
若い人には実感ないでしょうが、昭和生まれにはこんな日が来るなんて思いもしなかったんですよ!?
あ~!
なろうがあってよかった~!