二章 42 結希斗のギルドテスト?
次は俺の番だな。俺が軽く準備運動して審判の言葉をまった。だが、訓練所の方にいた審判はなにかの報告を受けた後訓練所から去っていた。そして戻って来ない。
「どうしたんだろうね?」
萌音も疑問に感じたみたいだ。萌夢も声に出していないが首を捻っている。今までは、ランクアップ試験が終わったあとに受けた人が待機所の場所に戻った後、訓練所を直しすぐに次のランクアップ試験のメンバーが呼ばれた。だが、俺は呼ばれる気配がない。
「わからないな。とりあえず訓練所の中に行っておく。」
俺は、いつ試験が始まっていいようにと考えながら訓練所に向かい始めた。
「主様、嫌な予感がします。どうかお気をつけを。」
ジェイドは、なにか心配しているような顔をしながら注意してきた。まぁなにかあったのは確定だからな。
「確かになにかおかしいよね。結希斗君なにかあったら私も出るよ。」
と、萌音もジェイドの話を聞いて、心配なってきたのか俺にそう声かけた。
「いや。多少イレギュラーあっても俺の試験やし、俺が声かけるから。それまで何もしなくていい。」
俺は2人にそう断って訓練所に入った。それから、しばらくして自分が出てきた方とは、真逆にある通路から1人の冒険者が出てきた。どこかで見覚えのあるやつだ。だが、その後に審判がでてこない。それに疑問を覚えていると、
「いつまで待っても審判は出てこねーよ。死ねや。」
男はそんな事言うと、いきなり真剣を取り出して俺に襲いかかってきた。
「「危ない。」」
それを見ていた、萌音と萌夢が叫んだ。俺は最低限の警戒を冒険者に向けていたため、その声が聞こえる前に振り下ろされている剣を避けていた。さすがに木刀で受けた場合下手すると折れてしまうしな。
「ちっすばしっこいな。お前ら出てこい。」
冒険者がそう叫ぶと、冒険者が出てきた方の通路から多くの人が出てきた。冒険者にしては汚れていて普通の冒険者とは思えない服装だ。
「どうやら、恨み買っているらしいな。簡単に手を貸してくれたぜ。それじゃお前らいけ。」
そう言って冒険者が指示を出すと、多くのやつらが襲い始めてきた。とはいえ一人ひとりの動きはそこまでよくないな。鑑定するまでもない。とりあえずあのリーダーかくだけでも調べておくか。
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ジアーク
年齢 29
性別 男
Lv 32
HP 465
MP 31
STR 154 DEF 46
INT 31 RES 24
MDF 21 AGI 72
DEX 25
スキル
〘剣術 Lv2〙〘恐喝 Lv3〙〘窃盗 Lv3〙〘〙
称号
〘墜ちた冒険者〙〘殺人者〙〘ランクD冒険者〙
〘盗賊の仲間〙
装備
頭 無し
上半身 薄汚れた冒険服
下半身 薄汚れた冒険服
靴 薄汚れた冒険靴
武器 切れ味の悪い剣
アクセ 無し
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やっぱりそこまでじゃないか。それと見覚えあると思ったら昨日絡んできたやつか。手回しがいいのか、ギルド職員は全員いないしな。
「主様。助太刀いたします。思い出しました。そいつは自分をはめた1人です。」
ジェイドは今にでも飛び出しそうな感じで、構えて叫んだ。それに萌音達も続きそうだ。
「さっき行った通り1人でいいよ。みんな出たら誰が琴守るって話だからな。」
俺は向かって来ていたやりを避けて槍の棒部分を掴み槍を持っている人ごと持ち上げて地面に叩きつけた。そして、萌音達の方をチラッと見ると、思いとどまった様子の萌音達がいた。琴葉は未だに気絶中。この状態で離れると琴葉の危険度はあがるからな。そして俺は視線を戻し、背中を打ち付けて痛みで動けなくなっている槍使いの槍を奪って俺の靴の影に落とした。そして、木刀で飛んでくる矢をさばきながら剣を避けていた。俺は集団相手も何度も練習しているためこれくらいはお茶の子さいさいだ。
「お前ら何してる。たった1人だぞ。さっさとやっちまえよ。表の騒動片付けばこっちにギルド職員が戻ってくる。そうなったら俺等はおしまいだ。だからさっさとやれ。」
冒険者は口の悪い態度で命令して、現在倒れている男を除いて返事して更に襲ってきた。が、それにより大きい隙を晒すものもで始めて、大きく油断していたやつの鳩尾に木刀で強めの一撃を入れて痛みで剣を落とした敵からしっかり剣を回収した。鳩尾食らったやつは鳩尾を抑えながら四つん這いになっているので、しばらくは、復帰しないだろ。それに、復帰したところで危ない武器持ってねーしな。俺はそいつから目を離し残りの12人に不敵な顔を浮かべるのだ。




