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二章 35 試験開始

お久しぶりです。梅雨の時期はいかがお過ごしでしょうか?自分は偏頭痛持ちのため毎日のように頭痛がして文章をまともに書くことができませんでした。投稿を楽しみしてた皆様申し訳ありません。

杖を構えた女性が萌夢の方をみながら、




「はじめまして、私はランクDの冒険者のマヤだよ。萌夢ちゃんが冒険者になった後、わからない事あったら私が教えるよ。それじゃとりあえず試験はじめようかな。」




萌夢の試験を担当するマヤが萌夢に声をかけた。




「はい。よろしくお願いします。」




萌夢はしっかり挨拶して手を前にだして構えた。萌夢は杖とか無いからそれが正しい構えになるのかな。それに対してマヤは杖を構えた。




「萌夢。ファイトー。」




「気をつけるの。」




「とりあえず。先手を取れ。」




そんな様子の萌夢に俺達は言葉をなげた。萌夢もそれに答えるかのように、こちらを見て頷き再び向き直った。萌音は応援しているが、表情は不安そうな顔をしてた。




「結希斗君。萌夢は大丈夫かな?怪我とかしないかな?」




萌夢には聞こえない小さな声で俺に聞いてきた。相手はDランクというのもあるからだろ。それにレベルも萌夢より上だ。心配は確かだと思うが、




「ここからでも鑑定通るから見てみてよ。レベルは25と萌夢に比べると高いが、それといって強力スキルとかはない。至って普通とはこの世界の魔法使いに詳しくは無いから言えないが、それでも警戒するのは100発100中くらい。だから俺は先手を取れ。ってアドバイスしたんだよ。いくら100発100中だろうがこちらが先手を取り続けて防戦一方に持ち込ませれば勝つ見込みはある。それに萌夢はどういう感じになるのかわからないが10倍スキルを持っているしね。」




俺がそう返すと、萌音はいくらか落ち着いたのか少し不安な表情が取れていた。そしてそれを聞いていたのかソウヒナが、




「ご主人様のお仲間が負けることなんてないですわ。」




と、言った。さすがにそれはどうかと思ったが萌音がその言葉を聞いて、完全にいつもの萌音に戻ったから何も言わなかった。ソウヒナナイス。心の中でそう思った。




そして再び萌夢とマヤの方に視線を戻すと、マヤは疑問に思ったのか首をひねりながら




「杖は構えないの?」




と、質問した。この世界では杖を持つのが普通なのかな?萌夢も疑問に思っているのか首をひねりながら




「杖は持っていないよ。持っていたほうがいいのかな。」




と、マヤに聞き返してた。そもそも俺らからしたら魔法と縁のない場所から来ているため、魔法に関する常識を持ち合わせていない。その辺とかも冒険者登録後に調べた方がいいのかな。




「必ずというわけではないけど、持っていた方が発動速くなったり、足りない分を補助してくれたりするから便利だよ。テスト終わったらくわしく教えてあげるね。」



と、マヤはいった。それに対して萌夢が

 



「わかった。」




と、返事したところでしましまの服を着た審判らしき人が入ってきた。何故審判らしき人かと言うと、手に小さい旗を持っているからだ。あれは軍配のかわりだろうか?




「それでは冒険者、萌夢のランクアップ試験を開始する。両者構え。……………………はじめ。」




と、その審判は開始の合図をした。構えからはじめまでの間がかなり短かかったが、あらかじめ準備していた萌夢はすぐに魔法を放てた




「ファイヤーボール」




その宣言の後に萌夢の手から赤いドッチボールくらいの火の玉が放たれた。俺は、あれがファイヤーボールか大きいなくらいにしか考えていなかったが、その後さらに9連続萌夢の手から放出された。10倍って物量が増えるのか俺は呆れながら見ていると、マヤは慌てたように





「いきなり10発連続なんえ聞いてないよ。ウォーターシールド。」





と、水の壁みたいなのを貼った。ファイヤボールも火のため水の壁を突破することはできなかったみたいだ。それを見ていた萌夢がすかさず、





「ウィンドボール。」





と、唱えそれを放った。薄い黄緑みたいな色の透けているボールが飛び出した。てっきり風だから見えないのかと思っていたが、そんな事はないらしい。ウォーターシールドはすでに消え去っており、急いで魔法を準備しようとしていたマヤに魔法が飛んでいった。マヤは最初の数発は避けれたけど、流石に10は多いのか4発ほどまともに喰らい気絶してしまった。




「そこまで、これにて冒険者、萌夢の試験を終了する。結果は追って報告する。」




審判がそう宣言した。詳しくは言ってないがおそらく合格だろう。審判の顔もかなり驚いていた。そしてその宣言が出ると同時に待機していたのか審判が出てきたほうの入口から白が多めの服を着た2人が出てきて、何やら呪文を唱えたかと思うと、黄緑と水色が混ざった雫みたいなのが現れて気絶したマヤに注がれた。するとマヤは目をパチパチして身体だけ起こした。




「回復ありがとう。…………まさか、Gランク試験で気絶することになるとは。ウィンドボール一発一発とても強かったよ。まるで男性冒険者に本気で殴られたみたいに。萌夢ちゃんすごいね。」




目が覚めたマヤはすぐに自分の状況を把握したのか、萌夢をみながらそう話した。まだ完全に治ってないのか手を借りながら立ち上がり萌夢の方に手を伸ばして




「おめでとう。そしてようこそ冒険者へ。」




と、言いながら握手を求めた。萌夢もそれに応えて手を握り返した。こうして萌夢の試験がおわった。その後マヤは肩を借りながら、訓練所からでていった。それを見どけた審判は俺達が集まっている方を見て、




「続いて冒険者、琴葉のランクアップ試験をする。琴葉前へ。」




と、審判が指示を出した。強気に琴葉は呼ばれたことで一瞬ビクッとしたが、すぐに気を取り直し、




「いくの。」




と、宣言した。その表情は真剣で、本気度がうかがえる。




「いつも通りの戦い方で、大丈夫だからな。頑張れ。」









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