表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/124

二章 26 犯人

盗賊は全滅させたとはいえ、第2、第3が現れたらこれからも被害が生まれるだろ。正直言ってその状態でわからないままだと、モヤモヤする。俺がそんなこと考えていると、バルガーが口を開いた。



「一応聞くが、街の中というのは間違い無いんだな。」



と、ジェイドに確認をし直していた。ジェイドが頷き、



「間違いは無い。」



と、言った。まぁ流石に自分の事に勘違いしないだろうな。



「わかった。それなら怪しい部下は絞られる。もし俺以外が理由なく近づいたらボコしてくれて構わない。これから俺は全体的に盗賊討伐を広めるつもりだ。無論君らのことは隠すが、この時期に盗賊逮捕のニュース広まれば疑われるだろう。だから遠慮はいらん。」



と、バルガーはいった。そこは絶対に隠し通すとかではないのか?まぁ俺は気配探れるし、琴葉も起きているときは常に敵が来ないか監視できるしな。それにしても今まで一緒に仕事したであろう部下より俺等のこと信頼するんだな。



「それにしても意外だな。てっきりありえないとか部下がするわけ無い。みたいな事言われると思ったが、部下より俺達の言葉を信用するんだな。」



俺がそう言うと、バルガーは心外なといいたそうな顔をした。



「俺もホントの部下は信用するぞ。ここで働いている大半の兵士はあくまで書類上の上司と部下にすぎない。元々俺は、ここを監視するために派遣されたからな。敵の工作員などを無闇にいれたりしないようにだ。だから俺と一部の部下はこの街の領主にですら犯罪犯していたらその場処刑しても怒られはするが責められはしないからな。」



と、自信満々にバルガーはいった。予想よりも上の存在だったんだな。まぁそれなら安心できる。と、思っていたらバルガーはやべって顔をして、



「い、今言ったこと秘密な。これは言ってはだめなやつだから。」



と、人差し指を唇の前にたて、俺らに懇願してきた。確かに領主処刑できる権力だ。とか人前で言ったらだめだろ。変な不信感出るだろうし。こいつ見た目通り脳筋やろうか?なんかさっきまでと違い急に不安になった。とはいえ、俺はそのことを言わず、大人しく部屋に戻った。これ以上一応隊長を引き止めるわけにも行かないだろうしな。



部屋に戻った俺らは改めて他の3人にも説明することにした。もちろん説明は萌音任せだ。今だに信用勝ち取れてないしな。それから2日過ぎた。バルガーは毎日来るが、進歩を話さない。とはいえ効果はあったらしい。琴葉の地理には敵マークが数個表示されてる。一応確認のために琴葉から能力かりて俺も見たから間違いが無い。



そしてその日の夜、俺がシャワー浴びていると気配察知に引っかかったために、すぐにあがり部屋に戻った。そこでは萌音、琴葉、ジェイド、ソウヒナは戦っていた。琴葉も気づいていたためかいきなり襲撃を食らってピンチみたいな事はなかった。ただ問題があるとしたら戦いにくい部屋であることと、非戦闘員を逃がせないことだ。奥側は行き止まりだしどうしようもない。そして萌夢に近づく、兵士にしてはかなり太った不届き者がいた。俺は、すぐに走り出した。



「グヘヘ。こんな幼い子がいるなんて、ラッキーなんだな。」



そのデブが萌夢にふれる前俺が割り込んで、デブの顎に膝蹴りを入れた。俺はある程度格闘術も覚えているため、こんな狭い場所なら刀すらいらない。膝蹴りを食らったデブは脳が揺れたためか一瞬で気をうしなった。それと同時にドタドタと廊下を駆け上がって来る音が聞こえた。一瞬増援か、と思ったが率いているのはバルガーだ。


 

「お前ら。コイツラは客人を襲った奴らだ。こんなやつがいたら俺ら普通の兵士も変な目で見られると思わねーか?真面目にやっている俺らからしたらふざけるなって話だよな。よってコイツラは極刑にする。お前ら遠慮せずに捕縛しやがれ。」



バルガーは引き連れていた他の兵士にそう命令した。これがバルガーの言っていた信頼できる部下なんだろうな。まぁ現行犯だし、色々と有利に進められると思うがちょっと遅すぎないか?もうほぼ終わっている。俺がジト目で見るも、バルガーは気づいてないみたいだ。そして命令された兵士たちは、



「「「「「「「「はっ」」」」」」」」



と、返事して捕縛作業を始めた。そのあまりにも手際の良さに俺は、仕組んでいたと悟った。



「おいバルガー。」



俺が責めようとしていると、バルガーは、腕をポンと叩いて。



「忘れていた事があった。お前ら、ここを頼む。あっそれと今日から結希斗達のお世話を俺の副長のサザカが、行うからよろしくな。」



と、一人の女性を引っ張り説明した。その後すぐに部屋から出ていった。



「あれは逃げたな。やっぱり最初から俺らを囮にしているだろ。」



俺がぼやくと、サザカは頭を下げて、



「申し訳ありません。この事はしっかり上に報告しときますので、どうかここは怒りをおさめていただけないでしょうか?」


 

と、謝ってきた。サザカは嫌な役職だな。バルガーに直接言えないからといってサザカを責めたら心が小さいやつだし、それでも上司の失敗とかの尻拭いのために頭下げなきゃいけない。おれはなりたくない役職だ。



「別にサザカが謝らなくていいよ。ここでたら直接文句いうから。それよりこの侵入者共の処理お願いな。」



おれはそれだけ言って自分の場所で休むことにした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ