二章 16 3分割
「それでいくつかのグルーブに分けるってどういうことなの?」
琴葉が俺に聞いてきた。まぁ、いきなりだし混乱するかな。でも、いくつかより3つくらいに分けた方がいいかな。ほぼ百パーセント俺と萌音と琴葉の3人は顔割れているしな。
俺たち3人を分けたら狙われる場所が増えるかな。メイはグレー。でも、おそらく大丈夫かな。今回は派手に暴れてないし逃げたやつの顔など覚えていないと思う。それに琴葉の顔バレたらそっちの記憶が強くなり、警戒していなかったであろうメイの記憶は薄れるもの。だと思う。メイがメイド服でなかったら言い切れるのだけど。
「単純に狙われるグループとちょっと狙われるかもとそれ以外に分けようかなと。思ってな。ジルヘッドが俺たちのこと気づいたみたいに俺と萌音と琴葉は完全に割れているだろうな。そんななか次の追跡が来たら人数多いと守れないかも。だから俺と萌音、琴葉は同じグループで堂々と逃げようかな。と、考えたんだよ。それなら囮にもなるし必然的に逃げ延びる可能性高いだろ。」
俺がそんな風に説明した。まぁほんとにくるかも分からないし、あくまで用心だけどね。俺がそんなこと考えていると、
「反対です。」
と、反対の声があがった。声の出処を探ってみると、萌音そっくりの女の子からだった。昨日俺を睨んでいた女の子でもある。俺が説明を求めるという視線を萌音におくった。
「ごめんね。結希斗君この子は妹の萌夢だよ。まぁ色々あって召喚したんだけどそれはまた後で説明するね。私は分かれることに賛成だよ。妹には後で言っておくから。」
と、萌音が弁解した。やっぱり萌音の関係者だったのか。かなり似ていたからね。
「別に怒ってないよ。他に意見あるならそれでいいし。俺が警戒しているのは大人数での行動だけだしな。少なくともジルヘッドクラスが二人来たら俺は守りきれない。非戦闘員をね。それくらいなら分けた方が元々俺と関わりないと思わせたほうが助かるだろう。」
俺がそういうふうに言った。その言葉を聞いていた萌音が少し考えるようにしてから、
「それで分けるとしてどんなふうに分けるの?流石に非戦闘員だけのチームなら私も了承できないよ。」
萌音がそういった。萌音が心配になるのもわかる。非戦闘員であるシイナ達をどう分けるかは決めてないけど、戦闘メンバーの分け方は決めている。
「一応考えているのが、3つに分けることかな。俺と萌音と琴葉のチーム。このチームは囮として目立つように街までいく。ほかのメンバーから敵を離すためだね。次がメイとレイこちらは遠回りしながら敵の索敵から避けながら進むチーム。まぁ戦うかどうかはメイの判断に任すけどね。テラとユフィアも一緒にかな。最後は唯華とウルのチームかな。これは主に唯華が鍛えたそうにしているから。この辺だったり、どこでもいいんだけどとりあえず魔物倒してレベル上げる感じ。少なくとも顔割れてないメンバーだけで組めば修業する分問題無いでしょ。」
俺がそう言いながら最後に唯華に視線をむける。唯華はあからさまに目線を外しながら、
「そ、そんなことないんだよ。」
と、言った。あいかわらず嘘下手だな。こいつは。疑う気はないが、本物の唯華だな。そして俺以外にも嘘って気づいたみたい。
「ウル。悪いけどさ、この妹分の面倒見てくれないかな?満足行けば元に戻ってくると思う。」
俺が唯華の頭に手をおいてからウルに頼んだ。唯華ははずかしそうにしながらそっぽ向いた。ウルは了解した。と、
「ワフ。」
吠えた。後はシイナ達をどう分けるかだな。まだ若干1名納得してなさそうだけど、
「それでさ。萌音納得してない妹どこに属させるの?少なくともさ俺のグループは盗賊の生きている残党兵も連行するからさ。一番危ないよ。まぁどうしてもって言うなら俺単品で盗賊共を引き連れて行くけど。」
俺がそういうふうに言うと、
「「だめ。(なの)」」
と、萌音と琴葉から怒られた。やっぱりだめか。
「そうやって、また一人でデッドリアの国を相手にするの許さないの。次は腕じゃ済まないかもなの。」
と、琴葉が俺に詰め寄りながらそう怒ってきた。流石に今回は俺は何も言えないな。事実だし。
「そうだよ。今回は絶対一緒に逃げるからね。それと萌夢も、納得して。今回結希斗君が考えた分け方なら、狙わるのは私達だけ。ほかの関係ないメンバーを巻き込まないし。それに一番追手に気づきやすく対応しやすいのは私達チームなんだから。」
と、萌音も俺に注意してから萌夢に説明していた。実際そうだよな。琴葉のおかげですぐに気づけるし。俺ならある程度問題なく解決できるしな。
「そういうことじゃったらワシらは唯華様とウル様にお供してよろしいじゃろうか?」
と、ザイカは俺に頼んできた。まぁザイカたちならデッドリアに割れてないだろうから問題ないかな。
「一応聞くけど理由は?」
特に問題はないが、気になって聞いてみた。自分から言い出したからには何か意味があるのだろう。
「主様。ワシらは先程の盗賊をたまたま見つけて、そのまま確保しようとしたところ負けてこの有様じゃ。だから鍛えるというならワシらも鍛えたい。」
と、言ってきた。まぁそれは悔しいだろうな。
「別にいいよ。その盗賊退治とか依頼ではないんだよね?それなら、冒険者ギルドのルールは知らないけど受けてないなら問題ないんじゃない。」
俺がそういうふうにかえした。
「冒険者は依頼受けるのは自由。今回はワシらは何も受けていないのじゃ。3ヶ月以内なら依頼を受けなくても問題ないのじゃ。主様のご厚意に感謝するのじゃ。」
と、俺に再び跪きながら返してきた。
「一応だけど、唯華の言う事は聞いておいて。魔獣の知識はないけど、指揮を取る練習はしているからね。できるよな唯華。」
俺は今だに俺から目を話していた唯華に話しかけた。
「魔獣って獣と一緒なんだよ?」
唯華は俺にそう聞いてきた。俺は少し考え、
「まぁほぼ間違いないかな。」
俺がそう答えると。何人かがエッという顔を向けたが、俺は気にしないことにした。
「わかったんだよ。なら大丈夫なんだよ。お兄ちゃんの期待に答えるんだよ。」
と、やる気を出した。あいかわらずちょろいが、これでこいつは問題ないな。おれはほかのメンバーの編成を考えるのだった。




