二章 11 vs盗賊
SIDE萌音
侵入者は、大量の男だ。下賤な笑みを浮かべながら入ってきた。どこからどう見ても盗賊だろう。
「久しぶりに来たら、女がいっぱい住み着いてるとか天国か。」
と、一人がいうと
「ちげーねーだ。お頭一人くらいもらってもいいですか?」
と、目線を琴葉ちゃんに固定してそう聞いてくるやつもいた。全員汚れた武具をつけており鎧などは穴が空いていたりなど、どこからどう見ても、騎士ではない。そんな姿を見て琴葉ちゃんも、
「汚れすぎて汚いし、ありえないの。」
と、ズバッといっていた。そう明確に嫌がる言葉を受けても盗賊たちは笑みをたやさないだけだった。それと撒菱が効いてない理由もわかった。靴も鉄でできてそうな頑丈なやつだった。私はそこまで観察したあと、決めつけは良くないかなと思い、鑑定かけた。
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称号
〘盗賊の頭〙
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はい盗賊でした。ステータスは見る暇がなかった。私たちが鈴の音で警戒をしたときに、鈴の説明をしていなかったソウタ君、唯華ちゃん、そして萌夢に説明すると、唯華ちゃんはすぐに戦闘態勢に移っていた。鈴の音が聞こえた私達よりも速く戦闘態勢をとったのだ。
そしてたった今、油断していた盗賊の頭の首にさっき唯華ちゃんがもらっていた刀をさしたあとだった。
結希斗君もそうだったけど、戦闘で禁忌感無いのかな?私と琴ちゃんもゴブリンで慣れてなんとかなったかもって感じなのだけど、異世界に来たばっかりなのにあっさりときった。そして、それに続くようにメイちゃんも一人落としたところだ。
一瞬で二人減った。それは喜ばしいことだが敵の数はパッと見でも30以上はいる。
「地理によると敵数残り53なの。」
と、琴葉ちゃんの声が聞こえた。私の目測より、かなり上だったらしい。
「全員配置について、非戦闘員はテントの中にすぐはいって。」
私は指示を出しながら扇を取り出した。正直人間相手に幣は全くきかない。祓う魔がないから。
「こいつらやりやがったぞ。全員こいつら、とっ捕まえて死んだほうがマシだと思うくらい。犯すぞ。」
盗賊の頭が死んだからなのか、偉そうなやつが指示出してきた。
「ほんとに盗賊ってクズなんだよ。少しはお兄ちゃんみならってほしいんだよ。」
と、唯華ちゃんはそう言っていた。確かに結希斗君なら紳士な対応すると思う。そんな中非戦闘員のメンバーがテントの中に逃げ込んだ。ここで言う非戦闘員は萌夢、マナちゃん、シイカちゃんシイナちゃん、そしてソウタ君だ。
テントの前に唯華ちゃんとメイちゃんその後ろに私、そして右側をテラちゃんとユフィアちゃん、左側を琴葉ちゃんがまもっている。琴葉ちゃんの近くに、ウル君もいる。おそらくMPが少ない琴葉ちゃんの安全を守っているのだろう。レイ君は………どこに行ったのだろう?もう夜だし出ているはずなのだけど。
琴葉ちゃんは筆を構えて戦闘機体制を取っている。ほんとは唯華ちゃんもテントに逃げた方がいいかもしれない。レベル1だから敵との実力差は大きいと思う。そんなこと考えていると武器を構えた盗賊たちが侵入してきた。私達はすぐに臨戦体制をとり、攻撃に備えた。後ろの方に魔法の準備をしている盗賊もいた。こんな場所で魔法を撃たれたら逃げ場はない。
「テラちゃんは優先的に魔法使い狙って。」
私はそう指示をだした。テラちゃんは
「かしこまりました。」
と、返事した後に一射した。まっすぐと、飛んでいき後ろで魔法を構えていた、盗賊の一人の目に刺さり脳まで貫通した。あいかわらずすごい命中力だ。そして残りの魔法使いの盗賊も狙ってテラちゃんが構えたときに、盗賊たちの後ろからふよふよと、浮いた剣がそれぞれの魔法使いの盗賊の首に飛んでいき、首を切断した。ふよふよ浮いている剣は他の盗賊達も狩ろうとしてあっさり止められた。それでも魔法使いは全滅した。私はそれをしたであろうものに心当たりがあった。
「レイ君ありがとう。みんな殲滅するよ。」
私はそう指示を出した。レイ君はこれ以上は戦うつもりはないみたいだ。後ろの方で待機している。おそらく逃げ防止かな?
「馬鹿ななんでレイスがコイツラの協力しているんだ。レイスは一体でもC物理に大きい耐性を持っている。恨みなどから生まれるから人に協力することはほぼないはずなのに。」
盗賊たちは、警戒を始めた。残念ながらレイ君は、レイスではなくシャドウレイス。その勘違いは盗賊たちには知らぬが仏だと思う。結果として物理無効のレイ君が後ろに控えているため、盗賊は逃げることができなくなった。
「恨みを返すにゃ。」
ユフィアちゃんが右側に、流れてきた敵をきりとばしている。それがはじめとなって逃げ場をなくした盗賊達が全員向かってきた。
「無理はしないこと。生き残ること。いいねみんな。」
私が全体にそういう指示を出して、向かってきていた盗賊の剣を扇でうけとめた。
「「「「了解。(なの。)(です。)(なんだよ。)(にゃー。)」」」」」
それぞれの返事をかえしてきた。私は目の前の盗賊を扇で切ったあと。周りを見渡した。特に問題はなさそう。だけどやっぱり唯華ちゃんはレベル差があり大変そう。1番狩っているのはやっぱりウル君とメイちゃんだ。ウル君の場合近づいたものを凍らせている。メイちゃんはホントの暗殺者みたいに背後にたち一瞬で、刎ねていた。そして、レイ君は逃げてきた人にトドメをさしまわってた。
みんな大丈夫そう?私がそう考えたときに、唯華ちゃんの前に大きい剣を持った盗賊が立ち塞がった。
「少しは楽しませてくれよな。」
そう言って男が大剣を振り上げるようにしながら唯華ちゃんを攻撃した。唯華ちゃんは刀で受け止めた。しかし威力までは消せなかったのかテントの方に唯華ちゃんがふっとばされた。
「うわーー強いんだよ。」
それに追撃に走る大剣の男
「あっあぶない。」
私が助けに向かおうとする前に。唯華ちゃんを誰かが助けた。
「目覚めたら、見知った顔が飛んでくるとはな。唯華元気だったか?」
それは結希斗君だ。メイちゃんは3日くらい眠るかもと、言っていたけど1日で目覚めたみたい。そしてふっとばされてた、唯華ちゃんを受け止めたあと、大剣を持って突っ込んで来た盗賊の攻撃を軽くかわした。そしてそのまま抜刀で大剣の盗賊をきった。
「さて心配かけたみたいだな。こうして腕も治して貰えたし、俺も手伝うよ。」
と、私に言ったあと、
「所詮盗賊ってこんなものか。女の子を囲う能力しかないゴミかな。」
と、結希斗君は盗賊たちを挑発した。その姿は以前に私が襲われた時に助けてくれたみたいな感じだった。




